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2026/10/19(月) 22:23

溜池山王駅前「赤坂グリーンクロス」にコオロギ 積水ハウス「5本の樹」計画 勉強会

投稿者:  牧田司

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「赤坂グリーンクロス」

  積水ハウスは10月15日、今年で25周年を迎えた「5本の樹」計画をテーマにしたメディア向け勉強会を開催した。勉強会は二部構成で、一部では2001年に取り組みを開始した「5本の樹」計画実績を紹介、二部では勉強会会場となった「赤坂グリーンクロス」のランドスケープ・植栽計画見学会を行った。

 勉強会の冒頭、同社環境推進部長・井阪由紀氏は、2030年までに生物多様性の損失を反転させるネイチャー・ポジティブの実現に向けた環境戦略を紹介。持続可能な木材調達/フェアウッド調達などの自然環境リスクへの対応と、「5本の樹」計画による自然機会の創出により負の影響の低減と正の影響の創出を両立させると語った。

 同社環境推進部生物多様性チームリーダー・八木隆史氏は、〝3本は鳥のために〟〝2本は蝶のために〟という想いを込めて地域の在来種を中心に2001年から展開してきた「5本の樹」計画の累積植栽本数は今年で2,143本(東京都の街路樹の20倍以上)に達したと報告。「5本の樹」計画は鳥の種類を2倍に、蝶の種類を5倍に増やす分析結果が得られたと語った。また、ウェルビーイングとの関係性では、うつ病の発症リスクを20ポイント軽減する調査結果を報告。このほか庭木提案ツール「5本の樹」コンパスとホワイトペーパーを紹介した。

 「5本の樹」計画の歩みと成果をまとめたホワイトペーパーを共同制作したシンク・ネイチャー取締役CTOサービス事業部長・楠本聞太郎氏は、2001年当時は都市緑地の生物多様性に関する研究論論文はほとんどなかったのが、最近では約600件に上ることを紹介。生物多様性ビッグデータ分析により、「5本の樹」計画が行われなかった場合と実装した場合では、25年間で地域在来樹は32%増、恩恵を受ける鳥は42%増、恩恵を受ける蝶は108%増の改善がみられることを科学的に実証したことなどを報告した。

 「赤坂グリーンクロス」は、同社と日本生命が事業主となり2024年5月1日に竣工した、総合設計制度の適用を受けた敷地面積約5,990㎡、28階建て延床面積約73,450㎡、緑地面積約2,300㎡(緑地率38.4%)のオフィスビル。八木氏は「5本の樹」コンパスによる比較を行った結果、建て替え前と建て替え後では評価樹種は15種から40種へ、地域在来種は7種から24種へ、呼べる鳥は21種から39種へ、呼べる蝶は17種から38種へ増加したことなどを紹介した。

 2019 年の「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム」(IPBES)では、「生物多様性の損失を引き起こす直接的な要因として①陸と海の利用の変化②生物の直接的採取③気候変動④汚染⑤外来種の侵入-などをあげ、世界の陸地の75%は著しく改変され、海洋の66%は複数の人為的な要因の影響下にあり、1700年以降湿地の85%以上が消失した」「調査されているほぼ全ての動物、植物の約25%の種の絶滅が危惧されているなど、過去50年の間、人類史上かつてない速度で地球全体の自然が変化しており、このままでは生物多様性の損失を止めることができず、持続可能な社会は実現できない」ことが指摘されている。

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左から井坂氏、八木氏、楠本氏

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◇        ◆     ◇

 生物多様性の危機は人類存亡の危機でもある。同社の「5本の樹計画」は、どうしたらこの危機を回避し、2030年のネイチャー・ポジティブを実現できるかをわかりやすく示したものだ。

 赤坂グリーンクロスの見学会では、八木氏はコオロギが鳴いていることを紹介したのにびっくりした(記者は耳が遠くなり、全く聞こえなかったが)。記者が小さいころの田舎は、無数の蛍が水辺に飛び交い、ツクワムシとカエルか合唱戦を演じ、コオロギは晩秋の時を告げた。コオロギの鳴き声はもう50年も聞いたことがない。赤坂の一等地に生息しているとは。

 八木氏はまた、圃場から幼木を移植すると、樹木は1日当たり18ℓの水を吸うと語った。記者などは酒を2~3合、コーヒーを2~3杯、水やお茶をコップ2~3杯は飲むので、1日当たり1ℓ以上の水分を摂取しているはずだが、樹木は18ℓとは。だから〝水も滴る〟美しい樹形を描くのか。

 もう一つびっくりしたのは、外来種のヒマラヤスギは20種の生き物しか利用しないのに、在来種のクヌギは約300種の生き物が利用していると話したことだ(日本の在来種のスギも同じか)。

 残念だったこともある。書きたくなどないのだが、書かざるを得ない。参加したメディアがあまりにも少なかったことだ。記者も含めて十数人しかいなかった。興味がないからだろうが、生物多様性の危機=人類存亡の危機を乗り切ろうとするこのような取り組みの勉強会への参加者がわずか十数人とは。メディアもまた存亡の危機にある。

 同社にお願いだ。記者はこれまで「5本の樹」計画が実装されたマンションや戸建てを30件は見学取材してきた。同様に同業他社の物件も見学しているから言えるのだが、同社のランドスケープ・植栽計画はどこのデベロッパーにも負けないと断言できる。

 ただ、同社はこの25年間で「5本の樹」計画を実装した物件見学会は数えるほどしかないはずだ。座学だけではものは見えない。フィールドワークが欠かせない。どんどん見学会を行っていただきたい。

 それともう一つ。楠本氏は、「5本の樹」計画は世界への展開も可能であることを話した。世界で通用する日本発の言葉はたくさんあるだろうが、環境問題、不動産開発などでは多分皆無だ。最近注目されている「ウェルビーイング」「樹冠被覆率」「I-Tree」などは全て〝外来種〟用語だ。「5本の樹」計画は子供でも理解できる。日本発の世界モデルの用語になるような活動をしていただきたい。

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「赤坂グリーンクロス」

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「赤坂グリーンクロス」

◇        ◆     ◇

 記事とは関係ないことだが、昨日(10月17日)は、わが団地恒例の除草祭が行われた。草刈り機で繁茂した雑草を刈り取った。いつものことだが、ズボンや地下足袋にびっしり盗人萩(アレチヌスビトハギ)がくっついていた。仲間から「頭がひどいぞ」と声を掛けられた(いつもはヘルメットを着けるのだが、この日は着けなかったのがいけなかった)。触っただけで頭頂部から後頭部にかけて60~70個の実(種)がくっついているのが分かった。嫌な予感がした。経験した人ならわかるはずだ。盗人萩の実はものすごく粘着力が強い。シャワーを浴びても全然はがれなかった。数本の髪の毛に絡み合っているので、無理にはがそうとするとものすごく痛い。

 仕方がなく、自宅から駅前の「日高屋」に向かう道すがらと「日高屋」で酒を飲みながら悪戦苦闘すること1時間半。右手で根もとの髪を抑え、左手でしごくようにして一つひとつ実をはがした。数えたら、50個くらいあった(周りの人は何と感じたか。怒る人はいなかった。かみさんに見つかると怒られるので、その前にはがすのに必死だった)。

 このアレチヌスビトハギも、オオキンケイギクと同様、数年前からわが多摩市に激増している外来種だ。

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