
ポラスグループ中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート春日部」を見学した。建築費の高騰は郊外部ほど影響は大きいが、同社は坪単価を300万円弱に抑え、〝おはこ〟のピアキッチンを100%装備し、細かな商品企画で需要を喚起しようとしている。その策は奏功するか。
物件は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・東武野田線(東武アーバンパークライン)春日部駅から徒歩5分、春日部市粕壁東2丁目の商業地域に位置する15階建て全141戸(地権者住戸2戸含む)。10月末に販売する第2期(9戸)の予定価格は3900万円台~7300万円台、専有面積は62.25~84.88㎡。坪単価は300万円弱。竣工予定は2029年1月上旬。施工はライト工業。
現地は、三方道路に囲まれた邸宅跡地。敷地東側は旧日光街道、南側は道路を挟んで細分化された住宅街、東側は古利根川。松尾芭蕉「奥の細道」の起点となったことを記す「古利根川親水テラス」が目の前。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、収納戸棚を備えたピアキッチン100%装備、食洗器、浴室タオル掛け2か所、変身クローク、かくせるパントリー、FUTONクローク、おかえりクローク、玄関かたズック、かくれんBOX、おたすけバー、ちょいおきレール、とどかない錠、まもるんスペースなど。
建設地に建っていた旧家の記憶と価値を未来へ継承するため、かつての住まいに使われていた欄間や黒柿の床柱、組子などを現代のデザインとしてアップサイクルし、共用部のデザインに取り入れている。また、かつて渋沢栄一がこの地の歴史を記した記念碑を物件の敷地内に移設する。
エントリーは2026年6月から開始し、これまでの反響数は400~500件、7月からモデルルームをオープンし、これまでの来場者は約120件。8月から販売を開始し、20戸を成約。
同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課営業企画係・春原真由氏は「野田線の物件との競合? ありません。お客様のほとんどは縦ライン(伊勢崎線)を思考されています」と話した。

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春日部では先日、同社の分譲戸建て「グランディニティ春日部 憧憬の邸宅」を取材したばかりだ。その時点で、今回のマンションも取材することを決めた。
東武伊勢崎線の春日部以南のマンション坪単価は、北千住では500万円を突破しており、300万円以下は皆無だ。しかし、横のライン(東武野田線)の千葉県側では坪250万円前後の完成済みの物件が数物件あり、競合は必至だと見ていたが、そうではないようだ。
竣工する2029年1月には、東武鉄道などのマンション450戸が分譲されているはずで、競合するはずだ(それまでポラスの物件が完売するとは思えない)。
春日部は、2015年にロビンソン百貨店(西武春日部店)が、2018年に大塚家具が、2024年にイトーヨーカドーがそれぞれ閉店し、地盤低下が著しい。市は2031(令和13)年度末完成予定の東武線高架化事業などで街の賑わいを取り戻そうとしているが…。
今回の取材でも、マンションモデルルームがある駅西口から、建設現場までは直線距離にしたら500m(徒歩6分)くらいしかないが、迂回して地下道を通らなければならなかった。10分はかかった。徒歩もそうだが、自転車は大変だと思った。どうしてこのようなことが何十年も容認されてきたのか、記者は信じられない。これほど東側と西側が駅で分断されている街は珍しい。粕壁の地名と関係があるのか。

欄間の格子デザインを玄関灯に採用する

ピアキッチン

玄関収納(左)と奥行を変えることで収納量を増やした収納

現地(東側から)

現地(東南側から)

古利根川親水テラス
ポラス春日部駅から徒歩5分商業地立地の戸建て19戸販売手法も人気の要因か(2026/10/22)

