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2016/11/17(木) 00:00

積年の恨み晴らすか鹿島 返り討ちにするか三井 RBA日曜準決 勝てば初ドーム

 11月20日(日)、唯一試合が残っていたRBA日曜ブロック準決勝戦三井不動産レジデンシャル-鹿島建設の試合が大宮健保グラウンドで行われる。勝ったほうが初の東京ドーム進出を決め、ケン・コーポレーションと優勝をかけ戦う。例によって( )内の数字は記者のレーティング。

三井不動産レジデンシャル(82)- 鹿島建設(82)

 勝ったほうが初の東京ドーム、負ければ地獄。ここは絶対負けられない。両チームは今年の予選トーナメントでも対決しており、8-4で鹿島が快勝しているが、三井はその後戦力を整えてきており、記者のレーティングはお互い82の互角。奇しくも本業の今期売上高予想は三井不動産が1兆7,500億円で、鹿島は1兆7,800億円と互角だ。予想は至難の業で、ミスを犯したほうが負けると見た。

 その前に、三井不動産と鹿島建設の関係、業績について少し触れたい。

 三井と鹿島はお互い株の持ち合いで友好な関係にある。言い換えれば〝お友達〟。しかし、これは建前。三井にとって鹿島は発注先、主人だ。鹿島にとって三井は受注先、つまり〝お客さん〟。主客が逆転する立場にある。これまで三井の主だったビルやマンションの施工は鹿島が圧倒的に多いはずだ。

 まず、三井。業績は絶好調。2017年3月期も増収増益予想で、過去最多を3期連続で記録するのは確実だ。レジデンシャルのマンション事業も業績アップに貢献は大で、2017年3月期の計上予定戸数に対する契約率はあと半年も残しているのに90%を超える。マンション販売担当の怪物山際も野球に専念できる環境にある。

 一方の鹿島もオリンピック景気に沸く。ここ10年間、というよりバブル崩壊後はほぼ一貫して業績は下降し、株価も底這い状態にあった。2015年3月期には単体で180億円の赤字を出した。ところが、2016年3月期にはV字回復。営業利益1,110億円(前期は126億円)と過去10年で最高を記録した。2017年3月期も増収増益を見込む。少なくとも東京オリンピックまでは右肩上がりで突き進むはずだ。ここは、〝お客さん〟に叩かればなしだった積年の恨みつらみを一挙に晴らす絶好の機会だ。

 そんな鹿島の意図を三井不動産レジデンシャルの〝策士〟渡辺監督は百も承知。「あいつは過去の人」などと主砲・山際など歯牙にもかけない扱いをしているかと思えば、前試合の三菱地所戦ではその山際を1番に起用。チームに勢いをもたらす采配を見せ、「うちは選手が揃えば強いんだ」とうそぶく。

 予選の鹿島戦で先発したのは大栗だったが、今回は吉田だろう。前試合では絶妙のコントロールで相手を封じた。吉田の女房役・篠塚は只者ではない。怪物・山際とともにチームを引っ張る。吉田が好投し、山際、篠塚が打てば勝つ確率は高いと見た。予選トーナメントで惨敗した借りを返すか。

 直接対決で負けた時の渡辺監督のコメントを紹介しておく。「相手は(オリンピック景気で)儲かっているからな。しかし、あの3塁手(上野)は(お客さんのうちを)意識していたぞ」

 先に見たように鹿島もここは必勝態勢。三井からのマンションの受注が多少減ろうが、利益率の高い大型工事で稼ぐことができる。福本監督は三井に東急不動産、三菱地所リアルエステートサービスを破った勢いそのまま、〝遠慮するな〟と檄を飛ばすはずだ。

 勝敗のカギを握る新人カルテットも、相手が三井だろうが三菱だろうが住友だろうが、その怖さはまだ経験していないはずで福本監督の鞭打ちに素直に応えるはずだ。

 先発するのは遠藤。ここで好投すれば、吉田も同じだが、今年のベストナインに入れる予定。評価点はプロ野球に換算したら2,500万円だろう。

 天に昇るのは三井か鹿島か。泣きを見るのは吉田か遠藤か。天下分け目の戦いが始まる。先のサッカー日本-サウジアラビア戦よりはるかに面白い試合になるはずだ。勝てないか、勝つか、勝てば、勝て。

鹿島 遠慮があったのかなかったのか 〝お客さん〟三井レジの自滅で圧勝(2016/7/14)

 

 

 

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