投打に活躍した三菱地所・社
日曜ブロック準決勝戦
三菱地所(90)3-1鹿島建設(91)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合 計 | |||
三菱地所 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | |||
鹿島建設 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
鹿島 野間
三菱地所が接戦を制し、第7回大会(1995年)以来28年ぶり決勝進出を決めた。ボストン出張から帰ったばかりの先発の社(32)は5回を1失点に抑え、打っては2点目のきっかけとなる2塁打を放った。最終回は柴田が1死満塁のピンチをしのいだ。鹿島建設は惜敗。3失策が失点につながり、再三再四の好機をものにできなかった。10残塁。
三菱地所は2回、この回先頭の5番成瀬が敵失で出塁し、盗塁と暴投で3進した2死後、8番山内の右翼前安打で1点先制。3回には、2死から4番社が左翼超え2塁打し、続く成瀬の当たりは1塁後方へポトリと落ちる幸運な安打となり、社が生還。成瀬は盗塁を敢行し、捕手の送球エラーとカバーに入った中堅手の3塁悪送球がボールデッドとなり成瀬も還り、この回2点をもぎ取った。
先発の社スライダーが切れ、3回まで4個の三振を奪うなど絶好の立ち上がり。しかし、試合前「時差ぼけがする」と話した影響か、4回突如制球を乱し、安打と死球、暴投で1死2、3塁のピンチに。ここは気力でしのいだが、5回は2本の長短打で1失点降板。
最終回の6回に登板した2番手柴田は、いきなり6番坂根に3塁打を浴び、四球と自らの失策で1死満塁のピンチを迎え、次打者の1番堀にもカウント3-0の絶体絶命の窮地に追い込まれたが、ここから奮起して堀を見逃し三振、小巌を投手ゴロに打ち取った。
鹿島は惜敗。3点を追う5回、この回先頭の1番堀が左翼前安打を放ち、続く小巌が左翼越え2塁打して1点返したが、得点はこの1点のみ。初回の1死2、3塁、2回の2死2塁、4回の1死2、3塁、1点返した後の5回の無死3塁、6回の1死満塁の好機をことごとく逃した。2回の攻撃を除き、3アウト目は三振2回、投手ゴロ3回。運にも見放された。
先発の野間は3回3分の2を投げ被安打4、3失点(自責は1)。安打らしい安打は2本のみで、味方の失策と不運な当たりに泣いた。2番手の光太はほぼ完璧に抑えた。
2点目のホームを踏む社(背番号84)と3点目の成瀬(背番号77)
三菱地所 柴田
三菱地所山内(左)と1打点2得点の成瀬
○澤田監督 社、柴田はよく投げたが、簡単には相手も勝たしてくれない。誰かが活躍した試合でもない。全員の勝利。決勝進出は、わたしが入社してから初めて。決勝のケンコーポ? 予選はたまたま勝っただけ。気を引き締めて戦う
○社 調子? いま一つ。海外出張から帰ったばかり。タイ? (3週前はタイに旅行中だった)いえ、ボストン。今週の火曜日から出かけていた。英語? ボストンに3年間駐在していました。仕事? ファンド関連です(と試合前。社は化け物だ)
○柴田(25) 神宮で投げるより三郷のほうが怖かった。最終回の1死満塁でカウント3--0で心臓バクバク? 全然(「怖かった」と言うのは審判の判定がきつかったという意味。凡ゴロをお手玉したが、柴田も強心臓。鹿島・重田捕手とは早大野球部の同期)
○横手 丸の内大会も含めてわたしがチームの首位打者。5割は打っているはず。ケンコーポ戦で先制打を放ったのもわたし。柴田? 球がよすぎてボールになるんです(初回に中堅前安打を放った。球がよすぎてボールになるというのは初めて聞いた。そんなものか。ただ、お互い様だが、確かに球審は回、打者によって甘かったり辛かったりしていたように思う)
○山内 わたしが決勝打? 1点返されたから(リードを奪い続けたから山内が決勝打)
●福本監督 2大会連続して決勝を逃した。監督の責任。来年頑張る。それとも若手に譲ってもう引退しようかな。こういう負けもあるが、今日の最大の戦犯はゴルフで欠場した重田。相手の柴田と同期で捕手。バッテリーも組んだはず
●野間 不運な当たり? 走られたのがこたえた(盗塁3個=2失点につながった)。わたしと捕手の責任
●堀(23) 球歴? 福岡県の公立の筑前高校です。聞いたことがない? ほとんど初戦で負けています。大学は長崎大。硬式はやっていません。プロからのスカウト? …(この日、2回のフライはともかく、難しいゴロを3回難なくさばいた。旭化成ホームズ北寒寺もプロ級だが、堀も同レベル。西武の源田クラス。5回に安打を放った。しかし、6回のカウント3-0から見逃し三振はボールに見えたのか…)
鹿島 光太
5回、小巌が2塁打を放った場面
小巌の適時打で生還した堀を迎える鹿島ナイン
鹿島 中央が堀 顔をそむける左の選手とうなだれる右の選手は〝武士の情け〟名前は書かない
◇ ◆ ◇
双方の選手も他のチームの方も添付した「記者のどっちも〝勝って〟予想」記事を読んでいただきたい。小生は次のように書いた。
「レーティングは鹿島上位としたが、点差はわずか1点。どちらに転んでも富士着(不思議の変換ミスだか、そのままにした)ではない。ミスをしたほうが負けと読んだ。…鹿島は3点以下に抑えるはずだ…3点以上取るのは容易ではない」
「(三菱地所の社は)鹿島打線なら3点以下に抑える力があると見た。打線は相手投手を攻略できるか。これまた至難の業だと考える」
紙一重。結果はその通りになった。3点が勝敗の分け目となり、失策をした鹿島が負けた。自画自賛だが、我ながらレーティング付与能力の高さを再確認した。
なぜ、このような予想ができるか。皆さんは当てずっぽうだろうと考えるだろうが、小生は見るべきところはきちんと見ているつもりだ(「三田ガーデンヒルズ」の坪1,300万円予想は渾身の予想)
野球も一緒。基本は投手力(捕手を含む)だ。40年以上西鉄-西武を応援しており、今、年間にして西武戦の100試合くらいをテレビ観戦している。ここは抑える、危ない…というのは結構当たる。RBAも同じだ。この日の試合でいえば、野間から光太に代えた福本監督、最終回に柴田を投入した澤田監督の采配は冴えた。
今ごろ、三菱地所の澤田監督も選手も舞い上がって酒盛りの最中だろうし、鹿島の福本監督以下もやけ酒をあおっているに違いなく、酔いがさめる明日になったら、何もなかったように振舞うのだろうが、とくに鹿島の皆さんは故・野村監督がいみじくも言った「負けに不思議の負けなし」をかみしめてほしい。
最終回、チャンスに沸く鹿島ベンチ
最終回、カウント3-2から見逃し三振を喫した堀
試合後の鹿島の反省会