大宮健保グラウンドで7月3日行われた水曜ブロック予選トーナメント2回戦で、信じられない審判の判定が2つ下された。
一つは、大和ハウス-三井住友トラスト不動産の試合で、大和ハウスの攻撃の場面。確か満塁だった。三井住友ストの投手の投げたボールは暴投となり、バックネットと大和ハウスのベンチの間の線上を超えて外に出た。走者はボールデッドと判断したのだろう。悠然とホームベースを踏んだ。ベンチの選手はその球を拾った。
これが問題となった。主審はタイムをかけ、「ボールが線外に出た場合、ボールデッドになると説明はしていない」とし、線外に出たボールを拾った大和ハウスの行為は守備妨害に当たるとし、3塁走者にアウトを宣告した。
これには記者も仰天した。公式野球規則もそうだし、RBA野球のルールでは、打球、または送球がバックネットと1塁側ベンチ、3塁側ベンチを結ぶ線上を超えた場合、ボールデッドが宣告される。投球に打者が触れずに線外に出たときは走者には一つ進塁が許される。そのボールが四球の場合、または振り逃げ三振の場合は1塁進塁のみが許される。
線外に出たボールがインプレ―となったら、走者はみんな進塁を試みることができるし、打者走者も四球ホームイン、振り逃げホームインも可能だ。拡大解釈すれば、ベンチに飛び込んだボールをキャッチしても守備妨害となる可能性があるということだ。
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もう一つは、記事でも少し紹介したが、ナミキ-住友不動産販売の試合だ。ナミキの攻撃、無死満塁から打者の飛球は浅いレフトフライになり、左翼手はダイビングキャッチを試みた。簡単に取れそうな打球ではあったが、左翼手はボールをミットに収めたものの前にこぼした。誰が見ても捕球できなかったと判断したはずだ。(失策か安打かの記録は微妙だが、記者は安打にする)
ここで事件が起きた。主審か線審かが、この打球を左翼手が捕球したとし、打者にアウトを宣告したのだ。3塁走者は一度帰塁してホームインしたので1点は認められたが、2塁走者は帰塁すべきかそのまま進塁すべきか判断がつかなかったのだろう。行ったり来たりする間に2-3塁間に挟まれタッチアウト。
ナミキベンチはすぐ抗議した。主審と線審が協議し、主審は外野飛球を明日都と宣告したのは「誤審」であると認め、打者走者を1塁に、1塁走者を2塁に進塁させて1し1、2塁として試合を再開した。
審判も人間だ。ミスは冒す。野球の面白いのは、審判にすべての権限が委ねられていることで、とにかく神の存在を認めるか認めないかの問題を棚上げして、とにかく神聖にして侵さざる存在として敬意を払っている。野球規則には「誤審」なる文言などないはずだ。プロ野球でも試合後、「誤審」を認めたケースはあるが、記録が訂正されたことはないはずだ。
ところが、今回は主審が「誤審」を認めた。普通はその誤審は〝正当な判断〟として、打者はアウト、2-3塁間で挟殺された走者もアウト、つまり、2死1塁か2塁で再開すべきだった(無死満塁もありうるのか)。打者の1塁進塁を認めたのは二重の誤審だと思うが、皆さんはいかがか。幸い、大和ハウスもナミキもみんな紳士、しつこく抗議する人は誰もいなかった。
野球規則では、抗議ができるのは審判が、憲法ともいえる野球規則の運用の誤りを犯している場合のみで、選手はもちろん監督、コーチもストライク、ボール、アウト、セーフ、フェア、ファウルボールの判定について、いかなる抗議も申し立てることはできないとしており、審判員に対し再度抗議、異議を申し立てたときは退場を勧告することができるとしている。
※この記事に対する訂正記事は下記の通り。