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2023/12/01(金) 02:46

〝やめてくれよ区長さん 千代に千代田のイチョウが泣いている〟30日夜の無法地帯

投稿者:  牧田司

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11月30日20:00ころの神田警察通りの道路

 11月30日20:00前後の千代田区神田警察署前の出来事だった。「来た!」という声が聞こえた。振り返ると、工事車両と思われる数台の車が車道を封鎖した。記者より体重が2倍もありそうな交通整理のおまわりさんでもない、何と呼べば分からない制服姿の一団と、それを取り巻く制服組がどたどたと駆けつけてきた。そして、だしぬけに「作業の妨げになります。大変危険です。離れてください。作業帯に入らないでください。ご協力をお願いします。通行者の皆さんは立ち止まらないでください。足元に気を付けて通行してください」とハンドマイクでがなり立てた。

 何度も修羅場を潜り抜けてきた記者だが、権力の牙城である警察署の目の前で起きたこの出来事に思考力が停止した。二・二六事件もかくや。

 寒さのせいか空腹と酒が切れた禁断症状か、手足口が震え、恐怖と怒りがこみ上げてきた。それでも記者の端くれだ。必死でメモを取ることにしたのだが、真っ暗なせいで何を書いているやらさっぱりわからなかった。

 闇夜ではメモることはできないことを知った。口は達者なほうなので、「記録班」「撮影班」の背番号をつけた人に片っ端から声を掛けた。取材であることを告げ、「皆さんが撮影しているように、わたしも撮影していいか」と。誰も答えてくれなかった。らちが明かないので「責任者の方と話したい」と頼んだ。ようやく口を開いた方は「わたしの判断では(記者が撮影することについて)いいともダメともいえない」と話した。

 取材については、別の方が「(取材に来ていることを)報告しなければならない」とのことだったので、その義務はないとは思ったが、記者は名刺を渡し、「誰に報告するのか」とただしたが、返事はなかった。これはアンフェアだ。

 この間約10分。押し問答を繰り返しても何の収穫も得られないと考えた記者は、徒歩で10分くらいの区役所に向かった。ダメもとだとは思ったが、「責任者」にこの日の事態について説明を聞くためだ。

 案の定、門前払いを喰らった。担当部署と思える庁舎内の灯りはついていたが、警備員によると、22:00まで開館している図書館を除き、17:00以降の一般の人の立ち入りは禁止とのことだった。「ドアの外で退館する人に声を掛けるのはどうか」と聞いたら、「(声を掛けられた人から)『怪しい人がいる』と通告が入ったら、不法侵入の疑いがあると、警察に連絡します」とのことだった。当然だ。

 そこで、また現場に戻った。21:00ころか。工事の後片付けが行われていた。イチョウを伐採することはできなかったようだ。

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「作業の妨げになります。大変危険です。離れてください」(危険なのは区だ)

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道路をふさぐ車両

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担当部署と思われる区庁舎5~6階の灯りはついていた(30日20:30ころ)

◇        ◆     ◇

 上段は、今朝(30日)、「神田警察度通りの街路樹を守る会」の方からの「また伐られた」との一方で現場に駆け付けた顛末だ。

 もうくどくどと書かない。全ての責任は樋口高顕・千代田区長にある。どうして文字通り闇討ち作業を強行するのか。令和4年3月17日に行われた区議会企画総務委員会でも嶋崎委員長は「そうだね。それは、協議会の合意が必要だよね…そこのところの知恵出しというか、やり方というか…多少瑕疵があったのかもしれない…」と議会議決には瑕疵があったと認めたではないか。どうして区民同士の分断を助長するのか。「過ちて改めざる是を過ちという」諺があるではないか。

 この日(30日)の作業開始の手順にも問題がある。だしぬけに「作業の妨げになります。大変危険です。離れてください」はありえない。〝千代田区役所です〟〝神田警察署です〟(これはないと思うが)とどうして名乗れないのか。責任者も立ち合い、きちんと説明すべきだし、撮影班が周りの人を撮影する法的根拠を示すべきだ。

 もう一つ、重大なことがある。「守る会」は11月30日付で千代田区長宛て「抗議書兼要望書」を提出した。その文書には「本件に関連し、千代田区から、神田警察通りの街路樹を守る会のメンバーに対し、午後8時から午前6時までの間、工事区間付近の道路への立ち入り、通行を禁止することを求める仮処分の申し立てがなされています」とある。

 記者は仮処分申請書を読んでいないが、これでは「守る会」は反社会的勢力と同じではないか。仮に法的根拠があるとすれば、どのようにして「守る会」のメンバーを特定するのか。記者のような区の敵でも「守る会」の味方でもないニュートラルのイチョウの味方はどう扱われるのか。道路の附属物としてごみ箱か豚箱に捨てられるのか。

 もう一度区長へ。来年早々に80歳になるというお母さんがこの夜もイチョウの傍に座っていた。貴殿はそれでも男か。〝やめてくれよ区長さん 千代に千代田のイチョウが泣いている〟。

 端っこで成り行きを見守っていた21歳のガードマンは「ここに来いと言われてやってきただけ。どうなっているのか全然分からない」と話した。どこかで聞いたセリフだ。そうだ、ロシア兵だ。上段の美しい女性も「テロだ」と吐き捨てた。

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