またまた、さらにまた「街路樹が泣いている」-東京都千代田区が4年4月25日から神田警察通り道路整備Ⅱ期工事を再開し、工事区間に植えられている32本のイチョウのうち二本が伐採されたことを受け、「神田警察通りの街路樹を守る会」のメンバーなど住民が工事時間帯の夜8時から翌日の朝6時まで、抗議の監視活動を行っているのを取材した。
記者が取材したのは5月8日夜8時過ぎから翌日の午前2時過ぎだった。参加者は20~30人くらいか。若い方もいたが記者のようなおじいちゃん、おばあちゃんが中心だった。それぞれがイチョウの傍に折り畳み式の椅子に座り行き交う車などを監視していた。なかにはイチョウに添い寝するように寝袋にくるまっている人もいた。
参加者は「私は14代目。みんな昔から住んでいる人ばかり」「区の言うことは信用できない」「家で缶ビールの蓋を開けたら、仲間からイチョウが伐採されたことを知らされ、自転車で5分かけて駆けつけた」「第一期でできたことがどうして第二期でできないのか」などと怒りをあらわにしていた。
寝袋の方も眠っていたわけではなかった。「(区に)騙されていたからね。トラウマになっちゃった。(行き交う車は)みんな(工事車両)怪しいと思った」と語った。
この日(9日)は工事が行われないと判断したのか、監視活動は午前2時過ぎに解散された。
工事が行われたら一部始終を見届けようと駆けつけた記者が予約していたホテルに帰ったのは2時半ころだった。酒もかなり入っていたが、半覚醒状態でなかなか寝付かれなかった。風呂にも入らず、歯も磨いていなかったのを朝8時ころ起きて初めて知った。飲み残しの缶ビールは半分残っていた。
なぜ、なぜ。なぜ。イチョウ伐採問題は決着がついていたのではないか。樋口高顕区長は「現在の一致点が見出せない状況が長く続けば、意見の対立を深め地域に亀裂を生じさせることにもなりかねないと認識」「(令和4年4月25日から神田警察通り道路整備Ⅱ期工事を再開したのは)行政として苦渋の決定」というが、意見の対立を深め、地域に亀裂を生じさせたのは区側であり、「苦渋の決定」は修復しがたい禍根となるのではないか。プーチンのウクライナ侵攻と変わりないと言ったら失礼か。
2日間かけて区議会企画総務委員会の議事録や経緯などをチェックしたが、怒りは正常な思考を停止させる。何から書いていいか分からない。五月雨式に書くことを決めた。
街路樹に関する記者の記事を調べたら、千代田区の記事も含め100本近く見つかった。参考になる記事を添付した。ぜひ読んでいただきたい。
ネガティブにならざるをえない 無残な街路樹 ネイチャー・ポジティブを考える(2021/11/27)
またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)
千代田区「説明不足だった」 「豊洲」と同じ様相 神田警察通りのイチョウ伐採問題(2016/10/8)