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2017/09/08(金) 13:39

港区 平成29年度「課税標準額1000万円以上」過去最高を更新 収入歩合も過去最高

投稿者:  牧田司

 港区の平成29年度行政資料集が公表された。課税標準額段階別納税義務者数などの数値を概観した。

 納税義務者数は138,285人で前年より約4,000人増加。課税標準額の段階別納税義務者数の区分では、課税標準額が1,000万円以上の層は20,745人で前年より962人増加。全納税者に占める割合は15.0%で前年より0.7ポイント上昇した。人数、構成比も過去最高を更新。

 総所得金額は1兆2,312億円で前年より約2,600億円減少。段階別区分では1,000万円超の層が前年の9,332億円から7,406億円へ、10万円以下の層が321億円から179億円へ大幅に減少している。

 所得割額は687億円で前年より12億円増加。段階別区分では、10万円以下の層が前年の8.6億円から22億円へ増加。構成比も前年の1.3%から3.2%へ大幅に増えた。1,000万円超の層の所得割額は442億円(前年452億円)で構成比は64.4%(同67.1%)とやや減少した。

 特別区税調定額799億円に対する収入済額は768億円で、収入歩合は平成19年の95.2%を上回る過去最高の96.1%となった。

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 納税者数が増加しているのは人口が増加している反映だが、年間4,000人も納税者が増えているのはすごい数字だ。

 課税標準額が1,000万円の層も毎年増加を続けている。年間1,000人近く増加しているのもこれまたすごい数字だ。

 課税標準額が10万円以下の層と1,000万円超の層が大幅に減少しているのは、平成28年から株式などの保有・譲渡した場合の税制が改正されたことによるものと思われる。申告が不要な源泉分離課税か累進税率の幅が大きい総合課税制度かを天秤にかけて税率が低いほうを納税者が選択したことがうかがわれる。課税標準額10万円以下の層の人の所得割額・構成比が激増しているのも、この分離課税の影響と思われる。

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 注目したいのは、特別区税の収入済額の増加と収入歩合の改善だ。

 特別区税には特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税、入湯税がある。区が課税することを決定した調定額と実際の収入済額、収入歩合を見ると、特別区民税の調定額は735億円(収入済額704億円、収入歩合95.7%)で、その他の税を含めた合計では調定額799億円(同768億円、同96.1%)となっている。

 過去10年の収入済額は平成23年の581億円をボトムに平成28年は768億円へ実に32.2%も増加している。収入歩合は平成23年の91.7%が最低だった。  

 港区では、未納に対する徴収の取り組みを強化しているのも収入歩合が改善している要因の一つと話している。(政府はアベノミクス効果と言うにきまっている)

 参考までに。総務省のデータによると、平成27年度の地方税の滞納額は現年分で3,123億円、繰越額は9,087億円となっている。税収100円当たりの徴税コストは大都市が2円台、地方が5円台と言われている。タバコ税は〝前払い〟(実際に税を納めるのは事業者だが)だからコストはほとんどかからないのではないか。これに課税を強化し、喫煙者を社会から排除しようとしているのは全く理解できない。

東京都港区 平成28年度 課税標準額1,000万円超が約2万人 過去最多を更新(2016/9/27)

全国90万人の「高所得層」のうち21%、19万人が東京23区に集中(2016/4/15)

 

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