積水ハウスと千葉大学は11月9日、同社の空気環境配慮仕様「エアキス」のさらなる健康効果を医学的観点から検証を進める実証実験住宅群が完成したのに伴う発表・見学会を行った。
「エアキス」は、子ども基準で室内の化学物質を大幅に低減するため、ホルムアルデヒドなど5つの物質の濃度を厚労省指針値の2分の1以下に抑制し、設計・竣工・引き渡しの3つのステップで検証を重ねているもので、同社のほとんどの戸建ての標準仕様にしている。2017年4月、同大学と共同して寄附研究部門を設立、今回の発表会となった。
同大学は、2007年に環境改善型予防医学の実践の場づくりと成果を発信する目的で「ケミレスタウンプロジェクト」を立ち上げ、これまでフェーズ2まで様々な実験を行ってきた。
今回の実証実験棟はフェーズ3に位置付けられており、向こう5年間で健康を増進するモデルの構築を目指す。実験棟は一般的な在来木造平屋建て(64㎡)と同社のエアキス実験住宅(64㎡)の2棟からなり、成人、子ども、アレルギー既往歴のある人など多様な対象者による滞在評価実験を行う。
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屋内の化学物質が人体へどのような影響を及ぼすか予備知識はないが、悪影響を与えることぐらい容易に想像できる。モデルルームやモデルハウスを見学する際には必ず床材、壁材などの素材をチェックする。ケミレスタウン構想は大賛成だ。
先日も、三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」を装備したモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に宿泊体験し、その良さを実感した。
しかし、「素晴らしい」といくら叫んでも空気環境の価値を正確に伝えたことにはならない。そこで、同社と同大学関係者に次のような質問をした。
環境価値をわかりやすく伝える指標はないか、たばこの発がんリスクも含めしきい値(しきいち)、閾値(いきち)はあるのか、温度や湿度を測れるように屋内で空気環境も簡単に測れる機器は開発されないのか-という3点だ。
驚いたことに、この質問に対し同大学予防医学センター特任准教授・鈴木規道氏が「空気環境の〝見える化〟は重要課題で、今回の実験住宅棟でも研究を進めている。安価で測れるものを開発したい」と語った。これが実現したら空気環境への関心は飛躍的に高まるはずだ。
閾値については、「エビデンスはどんどん積みあがってきているが、新しい物質が使われるのでわからない部分もある」と同大学予防医学センター長・森千里教授は語り、同大学予防医学センター准教授・中岡宏子氏は「閾値にチャレンジしたい」と意欲を見せた。
予想はしていたが、森氏は「タバコはダメ」とにべもなかった。(後述する愛煙家だった森鴎外とはこの点は全然似ていない)
なるほどと思ったのは同社執行役員 総合住宅研究所所長・石井正義氏の回答だった。石井氏は「空気環境もそうだし、快眠できる空間づくり、おいしく食べられるキッチン、緑の環境、ユニバーサルデザイン(UD)など総合的に研究することが大事」と語った。同社がUDの取り組みでは最先端をいく企業であることは確信を持って言える。
森氏
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「キャンパスを歩いていたら、丸々としたキジが歩いていた。野生の野ウサギもいる…今日11月9日は〝いい空気の日〟。実験住宅のお披露目会にぴったり…100年前、日本家屋と健康に関する医学研究を私の曽祖父、森鴎外が…」登壇した森教授がいくらもしないうちに話した途端、思考が停止した。「…」森先生は少なくとも〝曽祖父〟というフレーズを4回は口にしたが、何を話したのかよく覚えていない。顔ばっかりを眺めていた。確かによく似ている。頭の禿げたところなど(失礼)そっくりではないか。
そこで、もう一人、同じように頭の禿げあがった(たびたび失礼)千葉大名誉教授・古在豊樹氏(元千葉大学長)を思い出した。2012年の記事で次のように書いている。
「古在氏は…われわれ団塊の世代で知らないものはいない哲学者『古在由重』(1901~1990)と顔がダブった。古在由重も頭の毛は薄かったし、丸顔で赤ら顔だった。豊樹氏はそっくりだった」(豊樹氏は息子さんであることが分かった)
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