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2017/12/27(水) 16:03

「ESなくしてCSなし」マンション管理協・関副理事長(野村パートナーズ会長)

投稿者:  牧田司

マンション管理業協会

関敏昭副理事長(野村不動産パートナーズ会長)が講演

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関氏(すまい・るホールで)

 当欄既報のマンション管理業協会「マンションいい話コンテスト2017(管理会社編)」で、野村不動産パートナーズ会長・関敏昭氏が「顧客満足度向上の取り組みについて」と題する講演を行った。講演内容は管理業にとどまらずあらゆる業種にも当てはまることなので、以下に紹介する。

 関氏はまず、同社がスタイルアクトの管理会社満足度ランキングで9年連続トップとなり、オリコンの2017年日本顧客満足度調査で分譲マンション管理会社として首都圏1位にランクされたことに「現場で日々奮闘している社員を心から誇りに思っている」と述べ、なぜ1位にランクされているかその理由について語った。

 「業務内容や提供するサービスは他社がやられていることと同じ、サービス業としてのマンション管理の『見える化』は大切ですし、益々必要なことですが、サービス業であるということは人と人、社員一人一人の日々のレスポンスであったり、ホスピタリティであったり、その質とやる気が一番大切なもの。あらゆる社内施策、コミュニケーションを『社員を大切にする』ことを基盤に進めています。大切にされたことのない社員は、お客様を大切にすることは出来ない。『社員を大切にすること』にフォーカスすることで、安心して顧客対応に集中できる環境を作ることが、経営の役割であり、永遠の課題だと考えています」

 社員を大切にする姿勢を最初に示したのは、関氏が同社社長に就任した10年前だ。「仕事への誇りと責任」を引き出すため、従来の「フロントマン」の呼称を「マンションマネージャー」に変更し、お客様の住まい心地や資産をマネジメントする誇りと責任という意味をわかりやすく示した。

 関氏はトップと社員のコミュニケーションも大事だと考え、トップとしてのメッセージを週1回ファックスやメールで届けた。いまでも1600字のコラムを欠かさず発信しているという。

 もう一つ、同社に6つあるスポーツ同好会へ助成金を支給し、活動支援を行った。関氏自ら社交ダンスの顧問に就任して会員と一緒にダンスをするそうだ。社員で車いす陸上競技の西勇輝選手を応援するため4時間かけて応援に駆け付け、金メダルを獲得したときは鳥肌がたったという。社員2,000人規模の全社ボウリング大会を全国の拠点で同時開催、同時進行で行うそうだ。

 こうした活動が評価され、同社は平成29年度東京都スポーツ推進企業に選定された。

 関氏は最後に、今後のマンション管理について、マンションの老朽化、居住者の高齢化、管理員のなり手不足など事業環境が悪化するのは必至と述べた。

 この難問を解決するためにも、「協会で策定した共通見積書式を活用して、提供する業務・サービスを見える化し、追加業務に対しては対価が発生することをお客様に説明して、理解していただくことが大切である。しかし逆を言えば管理会社として約定したことの確実な履行がこれまで以上に求められる」としたうえで、業界で働く社員の処遇の改善が絶対条件だと強調した。

 「業界をあげてこの問題に取り組まないといけない。個社の発展はあり得ない。社会インフラにかかわる重要な責任ある業界の社員の苦労が正しく評価され、品格をあげる取り組みを行わなければならない」

 そして、「最後は人だ。ESなくしてCSなし。CSなくして業界の未来なし」と締めくくった。

◇       ◆     ◇

 記者は関氏が同社の社長に就任した10年前からのお付き合いだ。関氏が「社員を大切にする」ことは社長に就任したとき聞いている。RBA野球大会に同社チームが参加しており、部費を出して支援すると話したのをよく覚えている。

 その関氏自身が社交ダンスの顧問として一緒に踊り、鳥肌が立つほど西選手を応援し、一緒にボウリング大会に参加していることを聞いて、改めて〝社員を大切にする〟強い姿勢を感じた。

 〝企業は人なり〟-言い古された言葉ではあるが、利益を産む源泉は「人」であることを再認識した。管理業協会は、管理員の処遇改善を協会全体として取り組むことを打ち出している。具体策が待たれる。

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