青木茂建築工房とミサワホームは3月1日、「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」の完成見学会を行った。参加者は約450名に上る見込みだ。
昭和56年に建築された旧耐震の専門学校をミサワホームが取得し、同工房のリファイニング建築手法を用い、現行の基準に合致するよう耐震補強工事を行い、賃貸住宅への用途変更、増築・減築、エレベータの新設、大規模な模様替えを施した。
完成後の賃貸住宅は、JR飯田橋駅から徒歩3分、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て全16戸。専用面積は約28~57㎡。月額賃料は13万~25万円。9戸に申し込みが入っている。設計・監理・監修が青木茂建築工房。施工は大末建設。
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プロジェクトについては、昨年11月に行われた解体工事見学会を取材しており、詳細はそちらの記事を参照していただきたい。
プロジェクトの北側の隣接地でミサワホーム(事業比率70%)とトヨタホーム(同30%)の分譲マンションが予定されていることを関係者から聞いた。分譲は2年後のようだ。いったいいくらになるか。坪単価600万円に乗るかどうか。市況によっては700万円もあるか。
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記者は前回もそうだったが、道にまた迷い、見学会開始の10時に間に合わず、青木氏の挨拶は聞けなかったが、前回と同様、学校をリファイニングしたのでスパンが大きく、天井高も確保されていたので比較的容易だったことなどを話したそうだ。近く岡山の公共建築、福岡の商業ビル、東京都大田区の集合住宅も竣工すると話した。
着ているジャケットがまた素晴らしかった。中身はどうか知らないが、衣はまさに(写真の通り)リファイニングそのものだった。とても今年古希を迎えるおじいさんに見えなかった。「先生、素晴らしいジャケットですね」「うん、イッセイミヤケ。これ、(自分に)合うんだよね」
そこで隣にいた女性スタッフに「あれ、いくらですかね」と聞いたら、その女性は「さぁ、男性物はわからないけど10万円くらいするんじやないですかね」「えっ、10万円…」じっと記者の着ているスーツを眺めた。(男は中身だ!)
言っときますが、読者の皆さん。わたしだって50代のころイッセイミヤケのピンクのシャツを買って、白いズボンを穿いてRBA野球の取材に着てたんですから。
そこでイッセイならぬ一句。「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」(古今集)-時期はやや違うが、この日はとても暖かく、コートを脱いで見学に出かけた。浮き立つような取材ができた。
もう一つ。この日の見学会の予定参加者は約450名だと聞いた。一度にたくさん押し掛けるとパニック状態になるので6回に分けるという。断った人もかなりあったそうだ。
すごい数だ。あの「千駄ヶ谷」では約300名だった。450名は記録かもしれない。みなさん、「あおきしげる」をパソコンで検索していただきたい。まず当然ながら青木繁がヒットするはずだが、「青木茂」(記者はいつも記事に書いているから変換キーを押さなくとも「青木茂」になるが)は4番目くらいにヒットする。そのうち逆転するのではないか。
リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)