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2018/11/13(火) 17:29

三菱地所「泉パークタウン」 最終章721区画のスマートタウンに着手

投稿者:  牧田司

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地鎮祭(左から大成建設・村田誉之社長、松下氏、パナソニック・井戸正弘執行役員、西田氏、仙台市・藤本章副市長、勝田氏、三菱地所設計・林総一郎社長

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左から西田氏、松下氏、勝田氏

 三菱地所は11月12日、仙台市泉区の大規模複合タウン「泉パークタウン」(開発面積約1,070ha)の最終章となる「(仮称)泉パークタウン第6住区東工区開発計画」の地鎮祭を行い、パナソニック、パナソニックホームズ、関電不動産開発とともに先進の技術やサービスを駆使して低炭素社会・循環型社会の形成に寄与する社会課題解決型の街づくりを進めると発表した。

 地鎮祭に臨んだ同社・吉田淳一社長は「泉パークタウンは来年で45周年を迎える。最終開発のこの第6住区では、パナソニックさん、パナソニックホームズさん、関電不動産開発さんをパートナーに、SDGsの11番目に示されている『住み続けられる街づくり』の実現に向けオールジャパンの社会課題解決型の開発を行う」と挨拶。

 また、パナソニックホームズ・松下龍二社長は「品格のある街づくりに参加できることを誇りに思う。今年4月に社名を変更した当社が目指しているのは『強さ』と『暮らしやすさ』のNo.1。総力をあげて価値の高いスマートな街づくりに貢献する」と話し、関電不動産開発・勝田達規社長は「仙台では松下興産時代から不動産開発を行ってきた。泉パークタウンは目標となる開発だった。今回、パートナーに選ばれて光栄」と語った。

 三菱地所の当地での40年を超える街づくりのノウハウに加え、パナソニックグループのエネルギー・セキュリティ・モビリティの先進技術と住まいづくり、関電不動産開発が仙台圏で行ってきた街づくりの経験を融合させ、エネルギー、交通・物流、健康、安心・安全などの課題に挑戦する。

 開発計画は、開発面積約481,194㎡、計画戸数721区画。設計監理は三菱地所設計。施工は大成建設。販売開始は2022年春。このほか未着工の「中央西」地区も合わせると計画区画は1,965区画。

 一区画は平均70坪くらいになる模様だ。同社関係者は「年間100区画は販売したい」と話した。

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地鎮祭 鍬入れ

◇       ◆     ◇

 同社は地鎮祭後、泉パークタウンの主要ポイント17カ所をバスで巡るメディアツアーを実施した。

 記者は過去2度、さらっとだが見学したことがある。1区画200坪はありそうな「桂ガーデンコート」に圧倒され、街路樹など街並みの美しいのと、立派なホテルがあることは確認しているが、1974年の街びらきから現在まで、全1,070haのうち86%・926haが造成済みで、10,156世帯・25,835人が居住し、アウトレットモール、ゴルフ場にテニスクラブ、乗馬クラブ、宮城大学、図書館、物流施設などが整備されているのに驚いた。

 取材中ずっとこれほどの規模の複合タウン開発は首都圏でどれほどあるか考えた。国家的プロジェクトである「多摩ニュータウン」(施行面積2,884ha)「千葉ニュータウン」(同1,930ha)「港北ニュータウン」(同1,317ha)などには及ばないが、わが国最大級の千葉県の組合施行による土地区画整理事業「国分寺台」(同380ha)の約2.8倍だ。

 ランドスケープデザインなどの美しさについても考えた。これは、歩車完全分離を実現した多摩ニュータウンなどのほうが勝るのではないかと思ったが、街路樹の景観は五分五分か。多摩ニュータウンは落葉樹もあるが、常緑樹のクスノキ、シラカシなとも多い。一方の泉パークタウンはメタセコイア、ユリノキ、カツラ、イチョウ、ケヤキ、プラタナス、カエデ、トチノキなどの落葉樹が中心だ。冬場の日照を確保するためか。

 生活利便施設、文化施設の集積でも、首都圏の大規模開発に負けない。国際会議が開け、サッカーワールドカップでイタリアチームが借り切ったロイヤルパークホテルのような立派なホテルは多摩ニュータウンにもない。それどころか、埼玉県や千葉県には国際級のホテルは一つもない。ゴルフ場があるのは、多摩ニュータウン(開発区域外だが隣接)や「季美の森」くらいではないか。

 そんなこんなを考えると、規模はともかく、もっとも似ているのは新百合ヶ丘の街か、記者が〝奇跡の街〟と呼ぶ山万の「ユーカリが丘」(245ha、計画戸数約8.400戸、計画人口約3万人)か。タウンマネジメント手法を導入しているのも「ユーカリが丘」によく似ている。

 なぜ、そんな途方もない開発ができたのか。配布された資料には1970年当時の中田乙一社長の年頭所感が紹介されている。「買った土地を造成し、一割か二割の儲けをみて売るといったことは、当社のやる仕事ではない。我々はよそがやらないこと、我々の資力、経験、智能をフルに活用できる分野に取り組んでいく」と。

 吉田社長が同社に入社したのは1984年だ。中田社長の年頭所感など知る由もないはずだが、その思想は生きていたのか。今どき48ha、721区画もある開発に乗り出すデベロッパーなど皆無だ。土地代はただ同然かもしれないが、造成に3年かかる。いったいどのような街を創るのか、楽しみだ。

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メタセコイアの街路樹が美しい柴山公園付近のメインストリート

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手前が柴山公園

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タウンマネジメントも行うパークタウンサービス

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記者発表会を取り仕切った三菱地所東北支店主事・宮﨑眞一氏(同社野球部黄金時代の主力の一人)

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