旭化成ホームズは4月19日、「要介護期」を対象としたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「Village(ヴィラージュ)リーシュ」シリーズを立ち上げたと発表した。これまで展開してきた健常期からフレイル(虚弱)期のシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」シリーズが好調に推移しており、健康や家族の状況に応じて〝安心が途切れないシームレスな住宅〟を提供するのが狙い。
シニア・中高層事業推進本部長・田辺弘之氏は、「2005年に始めた自立型の『へーベルVillage』は35棟464戸を運営しており、入居率は95%超に達している。他にないコミュニティラウンジ、相談室などの共用部を備えているのが評価されている。2025年度までに500棟6,000戸に拡大する。『Village リーシュ』は、健康や家族の状況に応じて〝安心が途切れないシームレスな住宅〟を提供できるよう訪問看護・居宅介護支援事業所を併設する」などと話した。
第一号の「Village リーシュ上石神井」は、西武新宿線上石神井駅から徒歩9分の3階建て53戸。専用面積は18.90~21.68㎡。18.99㎡の月額料金は254,000円(家賃130,000円、共益費39,000円、生活支援サービス費35,000円、食費50,000円)。事業主は4月1日付で設立した同社100%出資の子会社「リーシュライフケア」。運営委託はやさしい手。今年10月に開業する。
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自立型シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」が好調に推移していることから、介護付きサ高住への参入は予想されたことだ。
記者も見学した「ヘーベルVillage」は、田辺氏も話したように特別な設備仕様が施されているわけではないが、爆発的に増やしているのは、他の賃貸住宅やサ高住にはないニーズにしっかり応えているからだろう。
逆に言えば、圧倒的多数派の自立型高齢者が入居をためらう玉石混交のサ高住のあり方が問われている。国交省のサ高住に関する有識者による懇談会がどのような方向を示すか注目したいし、〝入居を拒否しない〟セーフティネット住宅についても〝貧困ビジネス〟にならないよう注視する必要がある。
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