住友不動産は8月22日、単独事業者が大阪市で分譲するマンションとしては最大の全855戸の免震マンション「シティタワー大阪本町」のメディア発表・内覧会を行った。スーパーゼネコン・清水建設の施工で、天井高を2600ミリ確保し、窓にLow-Eガラスを採用するなどレベルの高いマンションだと思った。
物件は、Osaka Metro御堂筋線・中央線・四つ橋「本町」駅から徒歩5分、大阪市中央区備後町二丁目に位置する48階建て全855戸。専有面積は約37~120㎡、価格は未定。竣工予定は2021年11月中旬。設計・施工は清水建設。第一期の販売開始は2019年12月上旬。これまで2,000件以上の反響があり、モデルルーム来場予約は満席。
現地は「船場都心居住促進地区」に指定されており、2020年の人口予測が約10.4万人で、2005年実績の約6.7万人より56%も増加すると予測されている区内でもっとも人口が増加しているエリアの一角。建ぺい率100%、容積率600%の四方接道の商業地域立地だが、総合設計制度の適用を受け、容積率は1000%に緩和されている。
物件の戸数は、積水ハウス他「グランドメゾン新梅田タワーTHE CLUB RESIDENCE」の871戸、三菱地所他「ザ・パークハウス 中之島タワー」の894戸には及ばないが、単独事業としては市内最大。
主な基本性能・設備仕様は、免震工法、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ、御影石キッチンカウンター、ディスポーザ―、食洗機、ミストサウナ、Low-Eガラス、約8割を占める2・3LDKはワイドスパン(モデルルームタイプは約75㎡で10m超)など。
同社住宅分譲事業本部 近畿事業部長・横田健二氏は、今回の物件のほか、ホテルとの複合賃貸マンション「梅田曽根崎計画」(住宅836戸・ホテル202室、2022年竣工予定)、区域面積約35,000㎡の「神戸新港突堤西地区」(マンション700戸含む複合再開発)などの大規模プロジェクトについて触れ、「梅田曽根崎計画」では大阪初の高級賃貸ブランド「ラ・トゥール」となること、ホテルは「ヴィラフォンテーヌ」となることを明らかにした。
足 元のマンション市況については、「ワンルームの供給が減少しているが、当社が展開するファミリーは順調。『大阪本町』はJVを組むより単独のほうがリスクはむしろ少ない。価格はお客さまと相談なので公表できない」と話した。
関係者によると周辺物件は軒並み坪300万円を突破してきており、同社の物件も300万円を突破するのはほぼ間違いない。
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地方のマンション市場はよく分からないが、それでもランドマークとなるような物件はこの2~3年間で10物件は取材している。首都圏物件と比較してレベルも分かってきた。
同社の大阪圏では、「シティテラス千里桃山台」を昨年見ており、レベルの高さに驚いたのだが、今回の「大阪本町」も首都圏のタワーマンションと比較してもそん色ないレベルだと思う。
価格・売れ行きは分からないが、「グランドメゾン新梅田タワーTHE CLUB RESIDENCE」は第一期として坪340万円で400戸供給し、好調なスタートを切ったと聞いたので、同社も強気な価格設定をするのではないか。用地取得は6年前だそうだから、価格高騰が顕著になる前ではないか。
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「梅田曽根崎計画」はホテルとの複合開発になる。マンションとホテルの複合はありそうでない。記者が取材したことがあるのは東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」と、野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」くらいしかない。
ネットで調べたら、東急不動産の「ブランズ大阪本町」(分譲マンション98戸、ホテル259室)と、安田不動産「HAMACHO HOTEL&APARTMENTS」(賃貸マンション108戸、ホテル170室)もそのようだ。横田氏によると天王寺(「あべのnini」)がそうだという。
坪単価270万円に納得 梅田に16分の近さ 住友不動産「シティテラス千里桃山台」(2018/10/9)