日本エスコンが分譲中の「レ・ジェイド豊田 マスターヒルズ」を見学した。駅から徒歩2分の全63戸。今年3月販売開始で、残りは最終期9戸のみ。専有面積に含まれない多目的に利用できる「Fテラス」をほとんどの住戸に設けているのがヒットした。坪単価236万円は割安感がある。
物件は、JR中央線豊田駅から徒歩2分、日野市多摩平二丁目の第二種中高層住居専用地域(容積率200%)に位置する地上5階・地下1階建て全63戸。専有面積は36.03~93.64㎡、最終期(9戸)の価格は2,825万5000円~5,964万9,750円(専有面積36.03~85.25㎡)、坪単価は236万円。竣工予定は2020年3月下旬。設計・監理はスタイレックス。施工は飛島建設。今年3月から分譲開始しており、残りは最終期の9戸のみ。
現地は、なだらかな南傾斜の一角で、敷地は学生寮跡地。イオンモールへも徒歩2分。建物はコの字型でほとんどの住戸は南東向き。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機、人工大理石天板、約2.5~3.9畳大のFテラス付きなど。
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記者は一時期,日野市民だったので豊田駅北口のことはよく知っている。駅前は古いUR都市機構の賃貸マンションが建っていたが、再開発によりイオンが進出し、多摩平の住宅団地も建替えられて街並みが一変した。
今回のマンションは表通りから一歩入ったところなので、学生寮があったところとは全く知らなかった。
まず現地を見て、いつものように坪単価をはじいた。駅に近く、南側に遮るものがない南傾斜の立地の良さからして坪250万円とはじいた。しかし、これが入札なら手を上げるデベロッパーは10社を下らないだろうから、坪270万円もありうると予想した。
販売事務所で坪236万円と聞き、モデルルームの設備仕様レベルを見て、間違いなく割安感があると判断した。割安単価で分譲できたのは、同社は今回の物件が豊田駅圏内3棟目で、地主にも実績を認められていたからだというのも要因の一つだと思う。
プランは「Fテラス」がいい。リビングと「Fテラス」の間は折れ戸サッシを採用し、スロップシンクとコンセントが付いており、ガラス張りなので多目的に利用できる。来場者にも好評のようだ。
プラン構成もよく考えられている。メインは50~80㎡台のファミリーだが、北西向き6戸は36㎡とし、単身者の需要も取り込んでいる。
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同社のマンションを見学するのは今回で4度目だ。最初の「レ・ジェイド世田谷砧」は1階にカフェを設けたもので、記者が見学したときは昼時ということもあったが、人であふれていた。2度目の「グラン レ・ジェイド若松町レジデンス」はプランが秀逸だった。その後、この物件は2018年度グッドデザイン賞を受賞している。3度目の「グラン レ・ジェイド渋谷富ヶ谷」は全戸ホワイエ(屋内廊下)付きだった。
そして今回。販売担当者と名刺交換したら、「中部電力グループ」と刷り込まれていた。同社は現在、東京と大阪に本社機能を置いているが、創業は大阪だ。それなのにどうして中部電力なのかと驚いた。両社は2018年8月、両社は資本業務提携を結び、中部電力が日本エスコンの株式(約33.3%)を取得して持分法適用関連会社とすることを決定したとある。
記者は三重県出身なので、「電力は中部電力」「読むのは中日新聞」「銀行は東海銀行」「百貨店は松坂屋」で育った。最近はこの図式が崩れてきたが、中部電力と大阪(東京)のデベロッパーが手を組むなど普通では考えられないことだ。
だがしかし、この提携は双方にとっても大きなメリットがあるはずだ。東海には老舗の三交不動産も名鉄不動産もあるが、1995年設立の日本エスコンは両者を瞬く間に抜き去った。そんなデベロッパーと組めば、中部電力は地元や首都圏での様々な事業が展開できる。
日本エスコンも潤沢な資金力がある中部電力と組むのは大正解だろう。哲学・理念がいいし、分譲事業のスローガンがいい。「日本エスコンの分譲マンションに、同じ企画・コンセプトはありません。ここで暮らす人の5年先、10年先を見据え、世代・家族構成・生活志向などイメージを膨らませ、その土地の魅力を最大限に引き出すコンセプトを創出。一人ひとりのかけがえのない人生を彩るステージを生み出しています」と。
同社には東海エリアにおいても、既存のデベロッパーがなしえなかったことをやっていただきたい。