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2020/05/16(土) 12:00

都の新型コロナ 休業要請緩和ロードマップ 感染経路「不明50%」は甘くないか

投稿者:  牧田司

都は15日、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップを作成し公表した。

骨子は、①緊急事態宣言下においては、外出自粛等の徹底を通じて、感染を最大限抑え込む②その後、適切なモニタリング等を通じて、慎重にステップを踏み、都民生活や経済社会活動との両立を図る③状況の変化を的確に把握し、必要な場合に「東京アラート」を発動し、外出自粛等の再要請をする④発生が予想される「第2波」に対応するため、万全の医療・検査体制を整備する⑤ウイルスとの長い戦いを見据え、暮らしや働く場での感染拡大を防止する習慣=「新しいあたりまえ」が定着した社会を構築する-の5つ。

休業要請緩和・再要請検討のモニタリング指標の1つである感染状況として、①新規陽性者数は20人/日②新規陽性者のうち接触歴不明者が50%以下③週単位の陽性者増加比1以下(減少傾向)を〝目安〟としている。

       ◆     ◇

新規陽性者数について小池都知事は、政府が示した1週間の人口10万人当たり罹患率「0.5以下」基準に照らし合わせ「110人以下」と話していたのを、どうしてその倍の20人に引き上げたのか。いま一つ説明不足のような気がする。

それよりも気になるのが、「不明」比率が50%以下」という〝目安〟だ。

記者は専門家でも何でもないが、当初から〝クラスターを叩く〟〝感染源を徹底して特定する〟というのが感染拡大を防ぐ基本ではなかったのか。それを「50%以下」でよしとするのはいかがなものか。

これまでも書いてきたことだが、感染経路不明・調査中の比率(以下、「不明比率」)は感染者の絶対数とは関係なく、高齢者比率と照応することが分かっている。つまり、70代以上の高齢者の感染比率が高いときの不明比率は低くなり、逆に若年層や働き盛り=生産年齢の感染比率が高いときの不明比率は高くなる傾向にある。

この傾向から類推すると、子どもと高齢者は感染経路が辿りやすいと思われる。

515日現在、都の感染者5,036人で、感染経路不明・調査中は2,769人で不明比率は55.0%だ。感染者のうち、感染経路を辿りやすいと思われる子どもと70代以上高齢者を合わせると約1,100人(全体の21.7%)だ。これらの層を除いた生産年齢を中心とする層の不明比率は70.4%になる。

つまり、現状の生産年齢の感染者の不明比率をそれほど下げなくても「50%以下」の目安はほぼ達成できるともいえる-これではクラスターの発生を防げないような気がしてならない。屋形船のクラスターは武漢からの渡航者と接触した1人から発生したのではなかったか。「3密」とは何か、具体的に示すべきではないか。

 都は、疲弊する保健所業務を支援するため「患者情報管理センター」を設置し、都の職員を派遣するとしているが、どうしてもっと早く対応しなかったのか。

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