東京都は6月2日、新型コロナウイルス感染者が新たに34人判明したと発表した。うち12人(35.3%)が感染経路不明・調査中。感染者はこの1週間で114人となった。
都は同日夜、感染症対策本部会議を開き「本日の陽性報告数は34人となった。病院の集団感染13人が含まれているとはいえ、警戒すべき数値の状況である」「週単位の陽性者増加比はこのところ1を超えて2に近い水準で推移しており」「いわゆる夜の街関連の陽性者が多い」ことから、「東京アラート」を発動することを決定した。
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緊急事態宣言解除を受け、新型コロナの記事を書かなくて済みそうだと安堵したのだが、警戒を解くのはまだ早いということが分かった。
この1週間の都や北九州市の感染状況をみると、全国に「第2波」が波及する可能性は否定できないように思う。小池百合子都知事はこれまで「接客をともなう飲食業」と曖昧にしか話してこなかったが、ここ2~3日は「夜の街関連」をしきりに発言するようになり、昨日は「夜の街関連の半数は新宿エリア」と場所についても言及した。
記者は、5月の都の感染者は20代の女性が最多であり、経路不明がなかなか減らないのは〝闇社会〟〝二重就業〟と関連があるのではないかと記事にしたが、あながち的外れでないことが都知事発言から裏付けられた。
しかし、北九州市のデータは「夜の街関連」でないことを示している。感染者は圧倒的に20代の女性が多いのは都とよく似ているが、職業は医療・介護関係が7割を占める。感染者全体でも約4割が医療・介護関連だ。「夜の街関連」と「医療・介護関連」がクラスター源になっていることに注視・警戒すべきだと思う。
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大阪府の感染動向も気になったので、苦労してバックデータにたどり着き、5月30日現在の全1,782人の年代別・性別属性を表・グラフにまとめた。やはり20代の女性が最多だった。職業などは公表されていないので、東京都と近いのかそれとも北九州市型なのかは不明だ。
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