「オーベルグランディオ八王子エアーズ」
大成有楽不動産が7月5日に分譲開始した「オーベルグランディオ八王子エアーズ」を見学した。JR八王子駅から徒歩17分とややあるが、坪単価は160万円。遠隔物件でもなさそうな〝安さ〟で、全168戸のうち第1期25戸と追加販売した住戸7戸を供給し、7月13日現在、20戸が成約・申し込み済み。順調なスタートを切った。
物件は、JR中央線・横浜線・八高線八王子駅から徒歩17分、京王線京王八王子駅から徒歩20分(バス利用の場合:八王子駅よりバス6分・徒歩1分)、八王子市八幡町の商業地域(景観計画区域)に位置する15階建て全168戸。先着順で分譲中の住戸(12戸)の専有面積は69.03~81.42㎡、価格は3,208万~4,388万円(最多価格帯3200万円台)、坪単価は160万円。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。竣工予定は2022年1月上旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、車道とタイル張りの歩道を合わせ幅員約21mの甲州街道(国道20号線)に面しており、周辺には商業施設、金融機関が並び、マンション化も進む中心市街地の一角。地元で人気の八百屋もすぐ近く、[*1] 対面には明治初期に建てられたタバコ屋(蔵)がある。敷地は元スーパー。
建物はT字型で、1階に様々な用途として利用できるシェアキッチン&シェアスペースのほかコミュニティテラス、500種の雑誌がwebで読めるコミュニティラウンジ、シェアツールストレージを配置。標準階は南向き72~81㎡の5戸と、西向き69~72㎡の7戸で構成。主な基本性能・設備仕様は、同社オリジナルの収納「オレンジラボ」、0.7~0.8畳大の「ホームライブラリー」(一部)、「壁内蔵梁工法」、リビング天井高2500~2600ミリ、直床、複層ガラス(一部Low-Eガラス)など。
同社マンション事業本部事業室(第二)係長・庄司憲史氏は、「現在分譲中の他社物件とは単価・コンセプトが異なり、これから分譲される物件とは単価が異なるのでそれほど競合はしていない。テレワークを見据えた『ホームライブラリー』も提案した。順調なスタートを切れた」と話している。
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京王線沿線に住む記者は、京王八王子駅から徒歩でモデルルームのある販売事務所に向かったのだが、古い町並みが続きやはり遠い。業界紙の「住宅新報」が坪単価160万円と報じていたので(交通便は記載なし)、〝これは相当立地が悪い〟と思ったが、現地はそうではなかった。市内の中心市街地ではないか。
駅からの距離のみだったら坪単価160万円は納得できないわけではないが、多摩の中核都市である八王子の中心市街地の一角であることを考えると〝安すぎる〟というのが率直な感想だ。
同社だけではないが、どうもマンションデベロッパーはわが多摩エリアを見くびっているとしか思えない。Afterコロナで脚光を浴びるのは多摩エリアだ。
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庄司氏から聞いたのだが、京成電鉄が八王子駅から徒歩6分の商業エリアで、施工は長谷工コーポレーションで、販売代理は長谷工アーベストの「サングランデ八王子」(56戸)を分譲しているのを知った。現地も確認した。モデルルームを見学させてもらおうと電話したら「当日では…」と断られた。坪単価250万円と読んだ。単価が異なるのでそれほど競合はないはずだ。
タカラレーベンも近く分譲するというから、同時に見学取材しよう。
右側が現地
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