日本財団が安藤忠雄、伊東豊雄、隈研吾、槇文彦氏ら16人の著名なクリエイターを起用し、渋谷区の公園17か所にトイレを建設したうえ市に寄付し、維持管理は同財団と市・渋谷区観光協会が行うプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一つ、建築家・安藤忠雄氏が担当した「神宮通公園トイレ」が9月7日、報道陣に公開された。近く供用開始される。
施設は、渋谷駅から徒歩渋谷駅から徒歩5分(原宿駅から徒歩9分)の渋谷区神宮前6-22-8に位置。先に開業したばかりの「MIYASHITA PARK」に道路を隔てて隣接する。名前は「あまやどり」。直径10.5m、外周約33.0mの円形の平屋建てで、外周に張り巡らせた縦格子(素材はアルミ合金の模様)が美しい。
【あまやどり】 安藤忠雄氏コメント
小さな〝あずまや〟なりに、公共トイレという機能をだけではない、都市施設としての意味、パブリックな価値を持つものでありたい。そのもっともシンプルかつ明快な回答として、円形平面の棟から、屋根庇が大きくせりだし縁側をつくる造形を考えました。安全で安心な空間とするため、外壁は風と光を通すたて格子とし、利用者が円形を描くその壁に沿ってグルリと通り抜けられるようになっています。「神宮通公園」の木々の緑の中にひっそりと佇むこのトイレ、名付けて「あまやどり」です。
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記者が見学するのは、完成した7か所のトイレのうち4か所目。みんな素晴らしい。今回の安藤氏が担当した「あまやどり」は、外周の格子越しに光を施設内に巧みに取り込むデザインが美しく、外観は風格もある。縦格子の素材が木だったら、隈研吾氏とひと悶着起きるのではないかと心配になったが、木でも鉄でもなくアルミ合金のはずだ。
街行く人は〝なんだろう〟と立ち止まること請け合いだ。入ったきり出てこない人ばかり…ということにならないことを祈ろう。
値段は、前回の記事を参照していただきたい。
日本財団 渋谷区公園トイレ整備に17億円 「西原一丁目」完成/真逆の児童遊園(2020/8/31)