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2020/10/13(火) 17:03

〝モネ〟百瀬・明大名誉教授と〝マネ〟篠原・OSI代表の絆展 初日大賑わい 18日まで

投稿者:  牧田司

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百瀬氏の作品「ケンブリッジ大学とケム川」

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左から百瀬氏、山田氏、篠原氏

 OSI (沖縄観光産業) 研究会会長で明治大学名誉教授・百瀬恵夫氏と同研究会代表・篠原勲氏が主催する「絵画&墨書」絆展が10月12日、銀座アートホール(中央区銀座8丁目)でオープンした。初日には明治大学卒で日展理事を務める彫刻家の山田朝彦氏、明治大学理事長・柳谷孝氏らもお祝いに駆け付け、記帳者だけで50名を突破するなど終日賑わった。(お断り 写真がうまく写っていないのは記者の腕とカメラによるもので、すべて傑作です)

 開催の案内状には、「コロナウイルスの感染拡大防止に伴い様々な活動に制約が生じておりますが、いつまでも『冬眠生活』を送っておりますと温かな心まで冷えて凍えかねません。そこで、趣味の一つとしている透明水彩画や油絵を、日頃から親しくさせて頂いている皆様にご批評を賜りたく、書道家の方々と共に『絵画&墨書』絆(きずな)展を開催することに致しました。絵の方は素人集団ですが、筆を持った時に得られる『無心になれる気持ち』とその一方の『緊張感』にはたまらない魅力があります。ボケ防止にも最高の趣味かとも思います。書につきましては、それぞれがプロの方たちです。どうぞ、お気軽に絵と書をご堪能頂きたく存じます」とあるように、百瀬氏の人脈を通じて各界で活躍されている人の絆を深めるのが目的。

 85歳にして水彩画に挑戦した百瀬氏の作品は「明大記念館」「上高地と穂高」「首里城と守礼門の夕暮れ」「ケンブリッジ大学とケム川」「スキーの思い出(カナダ)」「チェルマット(スイス)の冬」の6点。

 絆展は、10月18日(日)午前11時~午後6時30分(最終日は午後4時)まで、中央区銀座8丁目110番地コリドー街の「銀座アートサロン」で開催される。作品は、両氏の透明水彩画のほか、関口耕二氏と玉川憲志氏の油絵、國分絮虹氏、渡部會山氏、奥山曄光氏、薬丸順子氏の墨書。

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以上、百瀬氏の作品

 百瀬氏は1935年、長野県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。後に同大学大学院博士課程単位修得。明治大学政治経済学部教授(政経学部長)、明治大学体育会柔道部長、ケンブリッジ大学客員フェロー(英国)、環球科技大学客員教授(台湾)、モンゴル国立大学客員教授など歴任。NPO法人RBAアジア中小企業研究会会長、NPO法人OSI (沖縄観光産業) 研究会会長、中小企業研究会顧問、沖縄県地場産業・泡盛を育てる会「紺碧会・東京」会長。2017年春の「瑞宝中綬章」を受章。

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以上、篠原氏の作品

 篠原氏は1942年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒業。東洋経済「会社四季報」編集長、「週刊東洋経済」論説委員、編集局次長、取締役営業局長、取締役出版局長、立正大学講師、鳥取環境大学環境学部教授などを歴任。

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左から篠原氏、國分氏、玉川氏、百瀬氏、権代美重子氏、菅原律子氏

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作曲家・山本寛之氏(左から2人目)と歌手、女優、バイオリニストらと百瀬氏

◇       ◆     ◇

 百瀬氏は、70年安保ではゲバ学生を一喝し、バリケードを解除させた武勇伝の持ち主で、スキーはプロ級、柔道は4段と聞いているので多少のことには驚かないが、85歳にして画家デビューを果たされたのには唖然とした。

 呼称がまた面白い。「モネ」だそうだ。なぜ「モネ」なのか、篠原氏が次のように種明かししている。

 「百瀬先生はこれまで豪快にお金を使ってきたため、奥様に『もう家にはお金がまったくありませんよ』と言われたそうです。それで、先生いわく『もーねー』(もう無い)と。つまり『モーネー』―だから『モネ』と」

 小生もこれには合点がいく。思い当たる節もある。百瀬氏は、沖縄・泡盛が東京では全く浸透していなかった頃、泡盛を小脇に抱え、銀座のクラブをはしごしたそうだ。店で自分が飲むためではなく、クラブでも泡盛を取り扱ってくれるよう頼みこむためだった。

 いくらつぎ込んだかは知らないが、ことあるごとに沖縄の酒造組合から一杯数千円もしそうな古酒が惜しげもなく振舞われることからもその貢献度が推し量られる。

 山田氏に「先生はいつから描かれているのですか」と聞かれ、百瀬氏は「昔から恥ばかりかいています。ワハハハハ…」と受け流した。

 篠原氏の呼称がまたいい。「私の場合は、いつも財布の中にお金が空っぽのため、それで羽の付いたお金を追いかける夢を見ます。『マネー、マネー』と」

 百瀬先生、篠原先生、これを機に画壇の頂上を目指していただきたい。もともと画家は長寿が多い。葛飾北斎は89歳、ピカソは91歳、シャガールは98歳まで生きた。文化勲章を受章した上村松園、小倉遊亀、片岡球子は100歳を超えても現役で活躍した。

 渋沢栄一は「四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ」と言ったではないか。

 それにしても、コロナ過にもかかわらず、初日の来場者の多さには驚いた。大手デベロッパーのマンションモデルルームでも1日20組くらいではないか。その3倍はあった。取材のあと、銀座・日動画廊に寄り、そのことを話したらスタッフの方が「それは凄い」と驚かれていた。

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入り口には吉田秀彦氏からの生花も飾られていた

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会場にはたくさん生花が届けられていた

◇       ◆     ◇

出品者を一人ひとり紹介する余裕はないが、皆さん只者ではない。

 例えば國分絮虹氏。作品に記者は感動を覚えたが、ご主人がまた凄い。正岡子規の高弟として高浜虚子と並び称される俳人・河東碧梧桐(1873~1937)の研究家で、全20巻の全集としてまとめられたのだそうだ。1巻当たり500ページとして全10,000ページ。値段は1巻約1万円。稀覯本になるのではないか。

 百瀬先生より2歳下の83歳の関口耕二氏の経歴には過去の記憶を蘇らせてもらった。

 関口氏も明大柔道部出身で、1946年の東京オリンピックの無差別級柔道決勝戦であのアントン・ヘーシンクに抑え込まれ、一本負けした神永昭夫より4歳下だという。「当時の神永さんは強かった。押しても引いてもびくともしなかった。ヘーシンクに敗れたときの神永さんは身体がボロボロだった」と語った。

 関口氏の「ひまわり」の作品を山田氏は〝絶賛〟したのだが、山田氏は、「作品に命を吹き込む心眼、つまり、見たままを描くのではなく、見えないものを心で感じて表現することが大切」などと関口氏の質問に気軽に応えられていた。

 奥山曄光氏、薬丸順子氏の〝師匠〟の方は匿名を条件に「二人ともそれぞれ持ち味を出している個性的作品」と評した。

 玉川氏は、沖縄酒造組合を定年退職されてから描かれるようになった。「東京駅」を最初見たときはセザンヌを彷彿させる色づかいに驚嘆した。

 隣駅の有楽町では、添付した3人のアーティストが制作・展示・販売する「ARTIST STUDIO ACTIVITIES」プロジェクトか丸の内・国際ビル1階で行われている。芸術の秋だ。

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以上、國分氏の作品

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以上、奥山氏の作品

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以上、渡部氏の作品

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以上、薬丸氏の作品

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以上、玉川氏の作品

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以上、関口氏の作品

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以上、付け足しの記者の作品

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3人のアーティストが制作・展示・販売する現場見学 丸の内・国際ビル1階(2020/10/10)

 

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