大和ハウス工業が分譲中の「プレミスト船橋塚田」を見学した。東武アーバンパークライン塚田駅から徒歩3分の工場跡地で開発中の商業、小学校、保育所、戸建て、賃貸との複合大規模マンション571戸。昨年10月下旬の販売開始1年(コロナ自粛2カ月含む)で300戸超が成約・申し込み済みとなるなど驚異的な売れ行きを見せている。
物件は、東武アーバンパークライン塚田駅から徒歩3分、船橋市行田一丁目の工業地域に位置する敷地面積約20,948㎡、11階建て全571戸。現在先着順で分譲中の住戸(34戸)の専有面積は57.25~85.25㎡、価格は3,100万~5,540万円(最多価格帯4,100万円台)。全体の平均坪単価は190万円。建物は令和2年9月完成済。施工は長谷工コーポレーション。売主は同社のほか東武鉄道。販売代理は野村不動産アーバンネット。
現地は約57,456㎡のAGCテクノグラス中山事業場の跡地。総事業費約260億円を投入し、分譲マンションのほか賃貸住宅4棟262戸、戸建住宅26区画、商業施設、小学校、保育所などを2018年8月から2021年3月までに整備する。
プロジェクトは、入居者が利用する電気のほか共用部、街灯の電気なども再エネ電気のみを供給するとともに、居住街区と商業施設の施工時の工事用電源にも同電気を利用するなど国際的な「RE100」のルールにも準拠する仕様となっているのが特徴の一つ。
分譲マンションは昨年10月下旬から販売開始。新型コロナの影響で2か月間の営業活動の自粛を余儀なくされたが、これまで供給した351戸のうち295戸が成約済みで、成約予定を含めると300戸超となっている。
建物はコの字型に近く、標準階の南向きは50戸、西向きは8戸。ファサードデザインは「ダッチデザイン」を採用し、共用空間やエントランスホールはアムステルダムの街角をイメージした曲線を多用している。
ランドスケープデザインは、オリエンタルランドのグループ会社グリーンアンドアーツが担当。東西約150m、約2,700㎡の中庭を整備し、様々なイベントが行えるようステージも設置している。
住戸プランは72㎡の3LDKが中心で、主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2450ミリ(一部除く)、ディスポーザーなど。共用施設としてゲストルーム3室、ライブラリー、クラフトルーム、ランドリー、キッズルーム、キッチンスタジオなど。
販売事務所長で同社東京本店東京マンション事業部営業部第一課・細川智史氏は、「坪単価は駅に近いところは198万円で、北側住戸は186万円から、全体平均で190.2万円。人気の高いのは72㎡のタイプ。三井不動産レジデンシャルさんの『南船橋』(近く見学予定)など一部競合しましたが、三井さんが単価を204万円に設定してくれたお陰で、当社の物件は競合負けすることもなかった。実質10カ月で300戸超の進捗は凄い数字だと思います。売主に加わっていただいている東武鉄道産の『流山おおたかの森』も人気になっていますが、顧客は『流山』は沿線の柏や松戸、足立区、葛飾区が中心なのに対し、こちらは総武線沿線や江東区、江戸川区が多く、棲み分けもできています。小学校との複合は野村不動産さんの『日吉』がありますが、単価が全然異なるし、全体的な複合のバランスがいいのが人気の要因。コロナ禍で、市川から西側の都心より居住者の支持が増えているのも大きな特徴。戸建て26戸も完売しました」などと語った。
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完成した現地のエントランスを見た途端、ランドスケープデザインは「5本の樹計画」を含めた他の優れたマンションに全然引けを取らないと感じた。長谷工コーポレーションが施工した優れたランドスケープマンションの10本の指に入るのではないか。
とくに「中庭」、回廊の植栽が素晴らしい。2層吹き抜けのエントランスホールはガラス越しの中庭の緑とよく馴染んでおり、まるで絵画のようだった。
売れ行きのいいのにはいささか驚いた。坪単価190万円は決して安くはない。沿線でこれまで分譲されてきたマンションの坪単価はせいぜい170、180万円のはずで、販売状況も年間で100戸売れればいいほうだろう。それでもこの販売スピードは大規模複合の強みか。コロナ禍もマイナスにはならなかった。
モデルルームでは、76㎡のプランに約5帖大のテレワーク用スペースを提案しているのがよかった。
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