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2021/09/29(水) 17:03

駅距離・準工のハンディものともせず ポラス中央住宅「柏」全196戸ほほ完売

投稿者:  牧田司

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「ルピアグランデ柏」エントランス

 ポラスグループの中央住宅は9月28日、「ルピアグランデ柏」のメディア向け完成見学会を行った。販売開始は昨年7月からで、これまでに全196戸のうち188戸を成約。坪155万円という圧倒的安さと、価格に見合う価値以上の提案が奏功、駅から徒歩15分と準工立地のハンディをものともしなかった。

 販売代理の長谷工アーベスト、同社関係者らの説明によると、駅からやや距離はあるもののイオンモールへ徒歩3分の立地、敷地面積10,000㎡超に〝西海岸のリゾートを創る〟をコンセプトに、戸建てとマンションの複合開発とし、共用部分にヤシやソテツなどをふんだんに用い、マンションは70㎡超、ピアキッチン設置比率45%、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2440ミリ以上などの設備仕様レベルが高い評価を得たという。

 これまでの来場者は約750組。〝柏にリゾートが現れた〟と評判になったという。

 残り8戸はリノベーション研究・開発のため敢えて残し、モデルルームとして模様替えし来年1月に販売する予定。

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エントランスの植栽

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インナーガーデンの植栽

◇       ◆     ◇

 記者は昨年10月に行われた記者発表会の記事で「感動の金児氏vs宮崎氏トーク」と絶賛した。その記事と一緒に読んでいただきたい。もう何も言うことはない。

 完成した建物を見て、植栽の見事さはどこにも負けないと思った。総延長500mの「ウエストコーストアベニュー」(敷地延長部分)に植えられていたヤシの木14について冗談半分で「このヤシはいくら」と聞いたら、同社マンションディビジョン課長・湯村元昭氏は「高さが8m超は1本85万円、6mのほうは1本45万円」ときちんと答えた。これだけで710万円だ。こんなことをするデベロッパーはまずない。

 共用部分や専有部分の仕上げは、坪単価155万円であることから〝さもありなん〟と納得したのだが、この単価でこの水準のマンションを分譲できるのは奇跡に近い。今は、郊外マンションでも3LDKは20坪そこそこで、ショートスパン、床暖房、食洗機、ディスポーザーなしが当たり前で、それでも坪単価170万円以下はありえないと思う。

 どうしてこんな奇跡的な安値で分譲できるのかが唯一の疑問だったのだが、その謎が解けた。坪単価155万円(消費税込み)の建物価格と土地価格の比率は75%:25%であることを同社担当者は明かした。

 早速計算した。坪当たりの建物価格は155万円×75%=116.3万円で、土地価格は155万円×25%=38.8万円だ。ただし、建物価格には消費税率10%の値段が積み上げられているので、実質的な建物価格は116.3万円-(116.3×10%)=104.7万円となる。

 この建物価格でこの水準の設備仕様レベルを確保できるのは不思議だが、やはり謎解きの解は仕入れ値の安さにある。1種坪38.8万円という土地価格は首都圏では最低ラインのはずだ。同社がこの土地を取得したのは2018年12月だ。入札だったが、同業他社は駅からの距離、準工立地などに腰が引けて応札できなかったのだろう。

 参考までに紹介するが、記者は「HALUMI FLAG」の坪単価は250万円が妥当と書いてきた。その根拠は、事業者が土地を1種(容積率100%)8万円という値段で取得したからで、実際の「HALUMI FLAG」の土地価格と建物価格の割合は「7:93」となっている。今回の「柏」の「25:75」と比較していただきたい。「柏」の土地価格の割合はかなり低いが、「HALUMI FLAG」は桁違いだ。その異常さが見えてくるはずだ。

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戸建て購入者も利用できる木造の集会所(庭には50m掘り下げ、飲料にもなる井戸がある)

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集会室内部

感動の金児氏vs宮崎氏トーク 全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)

選手村裁判 開発法による鑑定手法が適法なら当初の坪単価250万円は妥当(2021/9/19)

「HARUMI FLAG」 土地と建物の価格比率は調整区域並みの7:93 算定は妥当(2019/9/30)

 


 

 

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