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2021/11/11(木) 09:12

ランドスケープ秀逸 丸山アーバン&ブルースタジオ 地域再生PJ「TSUBANA」

投稿者:  牧田司

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「TSUBANA」

 事業主のユーミーらいふグループ・丸山アーバンと企画・設計・監理を担当したブルースタジオは11月9日、茅ヶ崎市の「なりわい暮らし賃貸住宅」と店舗棟からなる商住複合施設「TSUBANA」の街びらき内覧会を実施した。「風土」「地域」「文化」に「ねざす」をテーマにした「nezasu house」の第5弾で、不整形の土地に建つ築50年の賃貸住宅をリノベーションし、街に開かれた施設によみがえらせたランドスケープデザイン、商品企画が素晴らしい。

 物件は、JR茅ヶ崎駅から徒歩7分、茅ヶ崎市幸町7丁目の第一種住居地域(法定建ぺい率60%、容積率160%)に位置する敷地面積約1,613㎡、PC造2階建て改修店舗棟1棟と新築木造2階建て店舗併用住宅2棟(長屋3戸、共同住宅4戸)、長屋3棟(23戸)。事業主はユーミーらいふグループの丸山アーバン。企画・設計・監理はブルースタジオ。構造設計は長坂設計工舎、設備設計はEOSplus。施工はmarukan。店舗、賃貸住宅ともほぼ満室稼働。賃料は53㎡で共益費込み17.8万円。相場より高くてもリーシングは進んだという。

 店舗棟には地元にファンの多い「CAFE POE」がリニューアルオープンし、賃貸住宅棟にはアーティストやキッチンカー+カフェ、デザイン事務所など個性豊かなテナントが開業しているという。

 丸山アーバン・西山和成社長は、「物件は2018年に取得。築50年の賃貸をリノベーションすることでスタートしたが、PC造は構造に問題が多く、1棟を除いて新築に建て替えた。コンセプトは地域の活性化。一緒にパートナーを組もうとする方がたくさんいらっしゃる。この輪を広げたい」と語った。

 ブルースタジオ専務取締役クリエイティブディレクター・大島芳彦氏は「暮らしの本質は人と人、人と自然、人と文化などコミュニケーションの価値を高めることにあり、『nezasu house』は、これら風土、地域、文化の三つを『なにわい暮らし』ににじみ出る、可視化するブランド。ランドスケープデザインには力を注いだ」と話した。

 「TSUBANA」は、茅ヶ崎市に自生していた茅(ちがや)から名付けたもの。

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賃貸住宅棟

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大島氏(左)と西山氏

◇       ◆     ◇

 丸山アーバンとブルースタジオがコラボレーションした地域価値再生プロジェクトの取材は、第一弾「稜文舘」に次いで二度目だった。

 「稜文舘」もそうだったが、両社はいい仕事をしている。感嘆した。今回は何が素晴らしいかといえばランドスケープデザインだ。敷地はかなり不整形なL字型で、法定容積率は160%なのに建物の容積率は92.24%であることからも分かるように、容積を余さざるを得なかったのだろうと理解した。

 従前の賃貸住宅も画像で見せてもらったが、樹木など一つもない古い賃貸アパートだった。それが緑をふんだんに盛り込んだ、誰もが散歩がてら立ち寄りたくなるお洒落な街に一変した。

 環境への配慮も忘れない。PC造の既存棟を除き他の住棟のUA値は0.6でZEH基準を満たしている。

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賃貸住宅棟

◇                 ◆     ◇

 この日は土砂降りの雨。行きはタクシーを利用した。帰りは小降りになったので歩くことにし、大島氏から勧められた同じプロジェクトの一つ「たかすなヴィレッジ」も見学することにした。ところが、途中から雨が激しくなり、あげく道に迷ったため駅から往復で十数分のはずが、30分以上もさまよった。安物の折りたたみ傘は用をなさず、布を通して雨水がしたたり落ち、靴の中までしみこんだ。

 しかし、期待を上回る素晴らしいプロジェクトに出会えてとても嬉しくなった。この日は他の3つの現地取材もこなしたので、万歩計は一万歩を超えた。

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