「Brillia Tower 堂島」
東京建物は12月16日、ラグジュアリーホテルブランド「Four Seasons Hotel」と一体開発の複合マンション「Brillia Tower 堂島」(全463戸)の第1期1次130戸、第1期2次55戸の合計185戸に平均4.6倍の登録申し込みが入ったと発表した。
4月にオフィシャルサイトを開設し、9月11日にモデルルームをオープン後、11月29日までに問い合わせは6,300件超、モデルルーム来場者数は延2,700件を超えるなど、大きな反響を呼んでいる。
同社は、JR大阪駅から徒歩9分のロケーションや多様な住宅ニーズに対応する30~230㎡台の専有面積、約2.7~約4.0mの天井高などに高い評価を得ているとしている。44階以上の奥行の深いルーフバルコニー付き南東・北西角住戸(10 戸)も高い倍率になった模様だ。
登録期間は第1期1次が10月30日~11月15日(抽選日15日)、第1 期2次が11月26日~11月29日(抽選日29日)。登録申し込み件数は982件(第1期1 次・2次)、平均倍率は4.6倍、最高37倍。価格は5,280万~10億8,000万円(平均価格は約1億5,390万円)、坪単価は650万円。1億円超住戸は110戸。専有面積は38.71~236.06㎡。
登録申込者の属性は、年齢は50歳台(全体の25.7%)、60歳台(同23.4%)、30歳台(同20.6%)、世帯人数は2人(全体の36.9%)、1人(同31.7%)、4人(同15.3%)、職業は会社役員(全体の37.8%)、会社経営(同15.4%)、会社員(同14.9%)、医師(同10.7%)、居住地は大阪府(全体の63.5%)、うち北区(同17.7%)、中央区(同8.7%)。
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この物件については、11月25日付の記事と合わせて読んでいただきたい。取材した時点で、物件統括所長・加藍憲一氏はプレス・リリースを出す予定と話していた。
これまで坪単価400万円がアッパーだった大阪市内で、記録を大幅に更新する坪650万円のマンションがなぜこれほどの人気を呼んだか。基本性能・設備仕様レベルの高さはもちろんだが、記者はやはり「Four Seasons Hotel」との連携が富裕層の心を捉えたと思っている。上層階住戸からはエレベーターでホテルレストラン階に降りることができる。ラグジュアリーホテルレストランを日常使いできる分譲マンションは首都圏を含めてほとんどない。
外観・共用施設、モデルルームの〝美しさ〟については記事にも書いたが、日建設計のチーフデザインオフィサー・大谷弘明氏、オランダ生まれのピエト・ブーン氏を起用したのがヒットした。記者は三井不動産レジデンシャル「パークコート青山 ザ タワー」と同じくらいの衝撃を受けた。
残りは283戸もあるが、時期以降は価格の低い下層階の住戸が中心になる模様で、順調に推移するのではないか。
注目されるのは今後の大阪のマンション市場に与える影響だ。首都圏では、2015年分譲開始の同社「Brillia Towers目黒」が坪単価600万円の大台に乗り業界を驚かせたが、その後、都心物件の価格は上昇の一途をたどった。同じことが大阪でも起きるのか。住友不動産の期間75年の定期借地権付きホテル・商業・賃貸との複合「梅田ガーデンレジデンス」(584戸)の分譲も始まった。坪単価は600万円超となった模様だ。
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