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2022/01/15(土) 11:27

大和ハウス他 非接触インターホンの実証実験/現場の「津田山」タオル掛けはなし

投稿者:  牧田司

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「空中タッチインターホン」実証実験

 大和ハウス工業、パナソニック、アスカネットの3社は1月13日、空中で操作できるインターホン「空中タッチインターホン」の共同実証実験を1月15日から開始すると発表。実験対象となる大和ハウス工業の分譲マンション「プレミスト津田山」のマンションサロンエントランスをメディア向けに公開した。

 実証実験では、アスカネットが開発した「ASKA3D」(空中ディスプレイ)とパナソニック製インターホンを連携させ、マンションモデルルーム見学者の声を聞きながら実用化に向けた取り組みを行う。期間は約6か月間。この種の実験を行うのは業界初という。

 「空中タッチインターホン」は、空中ディスプレイに集合住宅のロビーインターホンの画面を表示し、空中タッチディスプレイから送られるボタンの入力情報を信号変換し、ロビーインターホンへ入力することで、住戸番号の入力を完全非接触で操作できる。直接接触しないため、指紋などで汚れることもなく、濡れた手や汚れた手でも操作が可能。

 大和ハウスとしては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、不特定多数の人が触れる箇所に直接接触することに抵抗や不安を感じる人が増加し、衛生意識が高まっていることに対応するもので、分譲マンションの専有部での抗ウイルスや抗菌剤を施した床材や建具などの採用や、共用部での非接触キーやハンズフリーエレベーターの導入など「非接触化」を進めている取り組みの一環。

 3社は今後、分譲マンションだけでなく、店舗やオフィスビルなど大型施設での導入の可能性も検討し、実用化を目指していく。

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実証実験デモ

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見学会に駆け付けた黒山の報道陣(記者はコロナが怖くこの輪の中に加わらなかった)

◇       ◆     ◇

 記者が驚いたのは、発表会場となった「プレミスト津田山」のマンションサロンに集まったメディアの多さただった。ざっと数えただけで40人はいた。前日の三菱地所レジデンスの新浦安のZEHマンション竣工見学会の倍だった。

 取材対象、主旨が異なると言ってしまえばそれまでだが、3社のメディア動員力の凄さなのだろう。特に大和ハウスはリアル・オンラインの記者発表会をコロナ禍でも住宅・不動産業界の中でもっとも積極的に行ってきた。その成果だろう。率直に評価したい。

 「空中タッチインターホン」の実証実験の結果がどう出るかは分からないが、マンション購入者にも理解されるはずだ。

 実は記者は昨年2度、同じような機能を持つ非接触型のディスプレイを取材している。一つはLIXILが7月21日(水)~9月5日(日)行った多様なニーズに対応した誰もが使いやすいトイレをテーマにした「LIXIL PARK」で、もう一つは日本財団が主導し、大和ハウスが施工を担当している「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一つである渋谷区幡ヶ谷2丁目の「七号通り公園トイレ」だ。

 大和ハウスが今回の実証実験を行うのは、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトがヒントになっているのではないか。

 さて「プレミスト津田山」。JR南武線津田山駅から徒歩3分の6階建て全106戸で、専有面積は49.20~98.50㎡、価格は未定だが、坪単価は275万円になる模様だ。

 単価的には〝売れる〟価格だと思うが、用途地域は建築物の絶対高さ15mの規制があるためかリビング天井高は2400ミリで、浴室のドアにはタオル掛けがない(オプション)のが気になった。

 タオル掛けでいえば、最近はタオル掛けを付けない大手デベロッパーの物件も目立つようになっている。いうまでもなくグロス価格を抑えるためだだが、三菱地所レジデンスはもう数年も前からタオル掛けは2本設置し、浴室にはシャワースライドバーにフックを2つ設置することを標準装備としている。

 三菱地所レジデンスの立派なのはこういうところだ。どんなに市況が厳しかろうと、必要なものは必要だ。タオル掛けがなかったら、バスタオルはどこに置くのか、濡れたまま浴室の外に出なければならない不愉快さを考えてほしい。たかが数万円の出費を惜しむ結果、購入希望者が難色を示し、販売担当も苦労する。

  記者の方々にも一言。皆さんは「空中タッチインターホン」に夢中になっていたようだが、肝心のマンションの商品企画には全く関心を示さなかった。木を見て森を見ずといったら失礼か。

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タオル掛けが2本ついているある郊外マンションのモデルルーム(社名は明かせないが、この会社は郊外中心に年間1000戸以上を供給しているが、在庫はほとんどない。販売担当者は大手デベロッパーが付けないのを喜んでいた)

誰もが使いやすいトイレ「LIXIL PARK」 フジテレビ広場で公開LIXIL 7/21~9/5(2021/7/20)

日本初の手をつかわないトイレ「Hi Toilet」誕生 佐藤カズー氏デザイン 日本財団PJ(2021/8/12)

 

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