小田急バスとブルースタジオは4月2日、昨年10月開業した施設「hocco(ホッコ)」で「桜堤おてせいなりわい市」を開催。桜が満開で、地名に「桜堤」が付いているように、明治期から都内随一のサクラの名所として親しまれた玉川上水の「小金井桜」に近いことも手伝ってか、家族連れやお年寄りなど主催者予想の約600人をはるかに上回る1,000人超が集まった。記者も爛漫の春を満喫した。
この日は、施設内のテナントであるパンとお菓子店「ラトリエ・ド・ナチュール」、植物・鉢植え販売・外構プランニング店「玉草屋」、エッセイ・絵本販売店「RIDHT NOW BOOKSTAND」、惣菜・弁当テイクアウト店「オーブン屋」のほか、三鷹エリアで「なりわい」を営む出店者によるコーヒー焙煎店の試飲・販売、市内で採れた野菜販売、小田急バス運営ブース、施工会社による木工ワークショップ、交通安全ブースなどのイベント・物販も賑わった。
イベントについて小田急バス不動産ソリューション部長・下村友明氏は、「今しかないと考えこの時期に実施した。プロジェクトは利益よりも地域の皆さんに愛されることを優先した。種を蒔き芽は出た。これからしっかり育て大きな木にしたい」と語った。
ブルースタジオ専務取締役クリエイティブディレクター・大島芳彦氏は、「地域コミュニティのハブとして毎日市が立つような取り組みや、他のエリアでの展開も考えている」と話した。
施設は、JR中央線武蔵境駅からバス12分、武蔵野市桜堤2丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約1,525㎡に、木造2階建て13戸(店舗併用住宅5戸、賃貸住宅8戸)のほかシェアカー1台、シェアサイクルラック5台、宅配ロッカーなどを整備。事業主は小田急バス、企画・設計監理・運営はブルースタジオ。昨年10月1日に開業した。
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「hocco(ホッコ)」については、昨年10月に行われた関係者向け見学会を取材し、記事にもしているのでそちらを参照していただきたい。
もう何も言うことはないが、強いてあげれば隣接する「はなもも公園」(220㎡)との垣根を取り払ったことだ。これは快挙だ。行政組織に蔓延するコロナよりも根が深く手ごわい悪しき陋習、事なかれ前例主義の壁をぶち破るために、両社は真正面からあるいは搦め手から攻め立てたのだろうが、否、両社に限って姑息な手段など使わず、何よりも地域住民のためという正攻法でもって粘り強く交渉して、苔むした頑迷牢固な市の担当者の心を開いたのだろう。公園はわずか220㎡ではあるがその意義は大きく、行政や学者先生の石頭の頭頂部に楔を打ち込んだのは間違いない。
両社にはこれを突破口に都市公園を住民に開放する取り組みをさらに強化していただきたい。同じように公園と民有地の垣根をぶち破った事例記事を添付する。
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