タカラレーベングループのタカラレーベン東北は9月5日、青森県弘前市のマンション「レーベン弘前GRAND RESIDENCE」を9月4日から販売開始したと発表した。
青森県内では「レーベン弘前THE MID TOWER」「レーベン青森新町THE GRAND MID」に続く第3弾。弘前市内最大級のマンションで、デザイン性と居住性を追求することで、街の新たなシンボルになることを目指した物件。
〝2戸1〟エレベーターのほか、二重サッシ・ペアガラス、内廊下方式(2戸1エレベーターで内廊下方式とはどのような構造なのかよく分からないのだが)、外壁断熱などが特徴。
物件は、弘前市大字北瓦ヶ町に位置する15階建て全112戸(ほかにゲストルーム1戸)。専有面積は58.15~86.18㎡。第1期(60戸)の価格は3,258万~6,698万円。竣工予定は2024年8月下旬。施工は鉄建建設。
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記者は、この種のリリースはほとんど記事にしない。マンションデベロッパーがマンションを売るという当たり前のことをコピペして記事にする「か・ち・も・な・い」と考えているからだ。
この日(9月5日)、同社からリリースを届いたときもスルーするつもりでざっと読んだ。「今世紀最大級、弘前を誇る全112邸のランドマークレジデンス」「第1期60戸供給御礼!」「すべての中心を、誇る」「想像は時を超越する」などと、おどろおどろしい、コピーを書いた本人も赤面するのではないかと同情したくなる宣伝文句が物件ホームページを飾っていた。
〝よくぞここまで〟とあきれ返ったのだが、小さな文字の「両面バルコニー」に目がとまった。かつて首都圏でも流行した〝2戸1〟エレベーターを採用し、両面バルコニーを実現したプランだ。最近はほとんど見られなくなった。
建物は15階建てだから、単純計算して1層は7~8戸。〝2戸1〟エレベーターにするには4基が必要になる。エレベーター設置率は1基/28戸だ。最近の首都圏マンションではまずないはずだ。青森県では供給されたことがあるのかどうか分からないが、ないとすれば、大げさな宣伝コピーも受け入れられるかもしれないし、インパクトもあると判断し、記事化することを決めた。
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第1期戸数が60戸というのにも驚いた。全住戸の2分の1以上ではないか。不動産経済研究所の調査によると、首都圏の7月の新規マンションの1件当たり販売戸数は約14戸だ。この数字と比べても、この戸数の多さがよく分かる。
弘前市の人口は約16.5万人で、青森市の約27.3万人、八戸市の約22.2万人に次ぐ3番目だ。そんな小都市(大変失礼)で一挙に60戸も供給して売れるのだろうか。売れたら凄い(価格は前段参照。高いのか安いのはさっぱり分からない)。原忠行氏が率いるタカラレーベン東北は、同社のリリースによると、2015年から2021年までで岩手県4棟/230戸、宮城県14棟/1,137戸、山形県3棟/295戸、秋田県3棟/193戸、福島県10棟/505戸、青森県2棟/169戸、合計36棟/2,529戸を供給し、東北エリアナンバーワンというではないか。年間にして約500戸だ。これまた凄い数字だ。
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タカラレーベンはもうずっと以前から、競争の激しい首都圏から地方へ軸足を移している。首都圏物件も大手デベロッパーとの競合を徹底して避ける戦略を取っている。
それが奏功しているのだろう。最近見学した「検見川浜」「戸田公園」「東川口」「小田原」などがことごとく人気になった。地方も好調なのだろう。「レーベン福岡天神ONE TOWER」の価格と売れ行きには唖然とした。「一頭地を抜く」という言葉がぴったりのデザイン・意匠、商品企画が秀逸だ。「弘前」もそうだ。
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