西武池袋本店7階のくらしのデザインサロン、インテリアフロア特設会場で10月22日(土)~11月7日(月)まで行われている「くらしのデザイン展2022」をのぞいた。
主催しているのは、くらしのデザイン展実行委員会[一般社団法人ケアリングデザイン(代表理事:小野由記子氏)]だ。記者は、もう14年も昔だが、小野氏が手掛けたマンションのモデルルームを見学して惚れ込んだ。小野氏のデザインのどこがいいか。一言でいえば、マンションのモデルルームにありがちな過剰な装飾・演出がなく、とても端正で、抑制されたカラーリングが見事で美しいということだ。
2013年にケアリングデザインを設立されてからは、マンションのモデルルームを手掛けられるのは少なくなったのがとても残念なのだが、今回の会場でも小野氏ならではのデザインを確認することができた。障がい者のアートを北欧家具に取り込み、テキスタイルとしてコーディネートしているのもその一つだ。写真を添付したので見ていただきたい。
驚いたのは、ハイブリッドキッチンの提案だった。写真のようにIHとガスコンロを併設しているのが特徴だ。小生もIHが普及しだしたころ、中華料理などは鍋をあおって作るからおいしいのだから、両方を兼ね備えたものにすべきとずっと主張してきた。しかし、そのようなキッチンを採用している物件は数えるほどしかない。
まだ遅くない。商品企画担当の皆さん、このハイブリッドキッチンを導入していただきたい(トーヨーキッチンはそのような商品がある)。小野さんにコーディネートを依頼すべき(デザイン料をけちり、細かな注文を付けないことだ。モリモトが成功しているのはそのような失礼なことをしないからだ)。小野さんもマンションをもっと手掛けていただきたい…と書いたところで、小野氏が代表を務める小野意匠計画のホームページで「WORKS」を検索したら「DUOSENE豊田」がヒットした。このシニア向け分譲マンションは取材しているが、小野さんが関わっていたことなどまったく知らなかった。
小野さんのことばかり書いてきたが、今回のイベントはケア、アート、デザインの三つをテーマに「ケア×アート」、「ケア×デザイン」などの切り口からさまざまな展示やアイテムを紹介しており、東京藝大とヤマハが開発した指一本で弾ける自動伴奏付き「だれでもピアノ(R)」や、2022年度グッドデザイン賞を受賞したセルフケアプロダクト約30点が展示されている。皆さんも足を運ばれることをお勧めしたい。
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