三井物産と三井不動産は12月16日、「Otemachi One」の緑地空間「Otemachi One Garden」をオープンし、両社による複合開発「Otemachi One」完成させた。
「Otemachi One Garden」は広さ約6,000㎡で、うち約3,000㎡が芝生広場を中心とするイベントスペース。敷地は憩う、潤う、賑わう、働く、思索するなど7つのゾーンで構成され、中・高木約300本、低木約6,600本を植樹。敷地西側の皇居と大手町エリアの緑ネットワークの形成と生物多様性の保全、緑地空間の創出に貢献する。年間11トンのCO2を固定化すると試算されている。
オープンを記念して同日、世界的なフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏によるフラワーライブパフォーマンスと、イルミネーションの点灯式が実施された。ニコライ・バーグマン氏は、「普段は多様な色を取り入れた作品は少ないですが、Otemachi One Gardenの多様性の意味を込めて、様々な色を取り入れた作品をライブパフォーマンスで制作しました」と語った。
イルミネーション点灯式では、200個以上のランタンが灯され、幻想的な夜の 「Otemachi One Garden」が演出された。イルミネーションは2023年2月14日まで実施される。
また、12月25日(日)までオープニングイベントとして「Winter Bloom」が開催され、マルシェやフードトラックのほか、来場者に花がプレゼントされる。花は茎が曲がっていることや規定サイズよりも小さいことなどで市場に出すことができない「規格外の花」を一部使用する。
「Otemachi One」は、東京メトロ大手町駅直結の敷地面積約20,900㎡、31階建て三井物産ビルと40階建てOtemachi Oneタワーからなるオフィス、商業、多目的ホール、ホテルなどからなる延べ床面積約358,700㎡の複合施設。設計・監理は日建設計・鹿島建設、施工は鹿島建設。竣工は2022年2月。
「Otemachi One Garden」は、敷地面積約6,000㎡。設計・監理は日建設計・鹿島建設、施工は鹿島建設。ランドスケープデザインはoffice ma。竣工は2022年12月。
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当日はメディアツアーも実施されたので取材した。フラワープレゼントコーナーには長蛇の列ができており、この日用意された約400本(輪)の花はまたたくまになくなった。
何人かに話を聞いた。30代の女性は「お花が好きなので、おうちに持って帰り飾ります」と話した。30~40代の男性にも声を掛けたら、ほとんどが「妻へのプレゼント」と語った。(「夫へのプレゼント」と語った既婚者と思われる女性はひとりもいなかった)
インペリアルフォレストのベンチに腰掛け、軽食を取りながら歓談していた40代の女性3人組は「日本風ではなく、ヨーロッパの庭のようなのがとてもいい」「四季の移り変わりが楽しみ」と語った。
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区域面積のほとんどが商業系用途地域の千代田区だが、区の緑被率は23.22%(平成30年)で23区内では練馬区に次いで高い。区域面積約11.6平方キロメートルのうち約12%を占める約2.3平方キロメートルの皇居があるためだが、大手町・丸の内・有楽町・永田町地域の緑被率は23.89%と、皇居を除いた区の平均緑被率20.4%を上回っている。
エリア内には16.2haの日比谷公園のほか、「大手町川端緑道」約9,400㎡、「大手町ホトリア」広場約3,000㎡、「大手町の森(大手町タワー)」約3,600㎡、「丸の内パークビル」広場1,500㎡などがある。
今回の「Otemachi One Garden」は、水景の演出やゆったりとした歩道空間とベンチが設けられているのが優れている。
このほか、エリア内では三菱地所が開発中の「TOKYO TORCH」には約7,000㎡の大規模広場「TOKYO TORCH Park」も予定されており、皇居を含めた大丸有エリアの緑被率は、海外の主要都市と比較してどこにも負けないのではないか。街のポテンシャルを左右するのは緑だ。
ただ、この種の取り組みでは、積水ハウスの「新梅田シティ」の約8,000㎡の「里山」がもっとも優れていると小生は思う。惜しいのは「Ootemori」だ。自然の森は素晴らしいが、森と人をつなぐ演出が足りない。散策できるようにしてほしい。
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