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2023/03/14(火) 09:35

異常事態に発展 二番町と外神田再開発、街路樹伐採 反対する区民ら共同声明

投稿者:  牧田司

 千代田区二番町(日テレ通り)の地区計画変更の撤回、外神田(秋葉原)の再開発計画の見直し、神田警察通りの街路樹伐採中止を求める区民・住民団体は3者は3月13日、強引な街づくりを進める千代田区の姿勢を改めるよう共同声明を発表し、同日、記者会見を行った。区民らは非民主的な区の対応に批判を強めており、区は異常な事態に発展しつつある。

 専門家として記者会見に臨んだ明治大学特任教授・東京大学名誉教授・大方潤一郎氏は「地区計画はきめ細かい質の高い街をつくるのが制度。その計画は大多数の賛同が得られているのが前提。今回の番町地区の地区計画の案は過半の人が反対しており、外神田は3分の2以上の地権者の賛同が得られていない。区は住民合意が得られていないことを知りながら都計審に報告し、二者択一を迫り、強引に都市計画決定を行おうとしている。暴挙と言わざるを得ない。区は提案を取り下げ、住民の80%の賛同が得られるようもう一度時間をかけて協議会などで話し合うべき」と話した。

 弁護士の大城聡氏は、「同じ区で、同じ時期に、同じような問題で3者がこのような会見を開かざるを得ないことが異常事態。問題はとてもシンプル。地区計画のルール内で日テレさんが自社の土地にどのような建物を建てようとそれは自由。そうではなくて、自社の利益のためにルールを変更し、区がバックアップしようといているのが問題。今後、法的手段も含めても3者が連携していく」と語った。

 二番町地区地区計画では、建物の高さが60m以下と定められているが、日テレが所有する土地を計画区域から切り離し、90mまで認める地区計画案が区から提示され、都市計画変更の手続きが行われている。これに対し、地域住民らは上位計画である都市マスタープランや現行の地区計画が定める「中層・中高層の住居系の複合市街地」に反すると反発している。

 この日の記者会見で、グロービス経営大学院学長・堀義人氏は、「公式アンケートでも地区計画変更に反対する声が賛成を上回っているにも関わらず、強引に計画を進めようとする区に問題がある。町会のガバナンスも民主的な手続きを踏んでいない」と語った。

 外神田は、外神田一丁目地内の約1.9haの「外神田一丁目南部地区地区計画」で、親水広場など公共施設、オフィス、店舗、宿泊施設などを整備する計画。住民らは、計画で示されている建物の高さ170mは秋葉原になじまず、地区計画の策定要件である地権者の3分の2の同意が得られていないと反対している。

 神田警察通りの道路整備については、街路樹の伐採を決めた議会決定は、区の虚偽答弁によって議決されたものであり違法として、住民らが行政訴訟を提起し、係争中。

◇        ◆     ◇

 記者は、石丸アセットマネジメント・石丸俊之社長の次の発言が本質をついていると思う。

 「わたしはほぼ毎回、区の環境まちづくり特別委員会を傍聴していますが、区は本来、レフリーとして両方から意見を聞き、ではどうですかと案を出すべきなのに、強引かつ実に不透明の説明しかしない。言葉に詰まるとその場限りで済ましてしまう。要するに区のマネジメントは、論語で学んだ『由らしむべし知らしむべからず』そのものです。わたしは商人ですからいろいろな人の声を聞きますが(三方良しという意味か)、区はその逆」

 石丸氏はまた、「(メディアの)皆さん、是非1回、どれほど区が傲慢な議事運営を行っているか、出席していただきたい」と呼び掛けた。

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