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2024/05/31(金) 12:09

野村不&JR東日本 芝浦PJ「BLUE FRONT SHIBAURA」イメージは寄り添う夫婦

投稿者:  牧田司

「野村不動産 東日本旅客鉄道 芝浦フ゜ロシ゛ェクト」記者発表会1.jpg
「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」中央が建築中のS棟(船上から)

 野村不動産と東日本旅客鉄道は5月30日、共同で推進している国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦プロジェクト」記者発表会を行い、街区名称を「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」に決定したと発表した。同社の最近の発表会では最多の約90人のメディアが参加した。発表会後には2025年竣工予定のS棟28階の「スカイラウンジ」先行内覧会と舟運「BLUE FERRY」の船上から芝浦を望むツアーも行われた。

 プロジェクトは、浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の建替事業で、区域面積は約4.7ha、延床面積約55万㎡のオフィス・ホテル・商業施設・住宅を含む約10年間に及ぶ大規模複合開発。高さ約230mのツインタワー43階建てS棟(2025年2月竣工予定)と、45階建てN棟(2030年度竣工予定)が建設される。

 設計は槇総合計画事務所、清水建設、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、日建設計。施工は43階建てS棟は清水建設、45階建てN棟は未定。

 街区名称「BLUE FRONT SHIBAURA」は、空と海の最前列である「東京ベイエリア」が持つ圧倒的な開放感を表しており、都内有数の舟運ターミナル「日の出ふ頭」や「芝浦運河」と近接していることから、舟運の活性化や水辺のにぎわい創出に取り組む。また、羽田空港から都心部への玄関口である「浜松町駅周辺エリア」は、複数の大規模開発が進行中で、2025年春頃には「浜松町駅との緑のアプローチ」が開通する。

 S棟の高層部は日本初進出のホテルブランド「フェアモントホテル」が入居し、中層部のオフィスフロアは都内有数の約1,500坪の広さで、一人ひとりに寄り添う、芝浦の豊かな自然環境を活かした「TOKYO WORKation」を提案。空と海の開放感を体感できるテラス付きの共用部「スカイラウンジ」をはじめ、街全体をワークスペースとして利用できるようにする。約7割のテナントが内定している。

 低層部の商業施設では、芝浦運河や船着場、浜松町駅との緑のアプローチとシームレスにつながり、水辺に面したバルコニーや緑に囲まれたテラスなどを整備。飲食店を中心に約40店舗で構成される。

 建物は、ビル全体を制震装置化し、オフィスとホテル切り替えフロア34階の上階に免震層を設置する「BILMUS(ビルマス)」を世界初採用。非常時対策として中圧ガスを採用して約10日間の発電を可能にし、水害対策として1階に防潮板を設置、脱炭素対応として街区全体のCO2排出量実質ゼロを実現する。

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S棟28階からの眺望(HARUMI FLAGが正面に見える)

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 発表会場をよく確認しなかったため大幅に遅刻(最近はこのようなミスが多い)。冒頭の野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼社長執行役員グループCEO・新井聡氏、東日本旅客鉄道執行役員マーケティング本部副本部長・竹島博行氏のあいさつは聞けず、野村不動産代表取締役社長・松尾大作氏のプロジェクト説明も半ば過ぎていた。

 記者が注目しているのはN棟に予定されている住宅だが、松尾氏は触れなかったようで、メディアからの質問もなかった。広報に確認したら、「戸数も分譲か賃貸かについても未公表」とのことだった。つまり、これまで予想されていた「賃貸」だけでなく「分譲」の可能性もあるということだ。施設内に分譲マンションが併設されるのは流行になっている。2030年に市場はどうなるか全く不明だが、坪単価は2,000万円を突破するかもしれない。

 全体で54ページある報道用資料のS棟オフィス概要に目が留まった。天井高は3000ミリとあった。階高は4.55mだ。直近の名だたるビルと比較すると低くはないが、高くもない。これは、羽田空港の飛行ルートと関係があるような気がする。階高を抑え、かつ天井高を確保する-清水建設の技術なのだろう。

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左から竹島氏、新井氏、松尾氏

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 S棟28階の「スカイラウンジ」先行内覧会と「BLUE FERRY」船上ツアーはとても楽しかった。

 スカイラウンジは「ラウンジエリア」「共創エリア」「ウェルネスエリア」「バケーションエリア」「テラスエリア」「会議室エリア」の6エリアで構成されており、ウェルネスエリアには岩盤浴、シャワールームも完備。バケーションエリアとテラスエリアでは飲酒も可能(喫煙は不可)。

 「BLUE FERRY」は約30分間、豊海-HARUMI FLAG-東京湾-レインボーブリッジ-芝浦埠頭-日の出埠頭を巡った。

 船上で担当者からとてもいい話を聞いた。設計デザインを担当している槇総合計画事務所の名誉顧問・槇文彦氏(95)のデザイン意図は、美人画で有名な鈴木春信の「雪中相合傘」のように二つのタワーは寄り添う夫婦をイメージしたものだそうだ。報道用資料には「離れた場所から見ても、その2本のタワーのシルエットは見る角度により様々な姿に変化し、スケールを消し去ったミニマリズムの彫刻のように見え、一度見たら忘れられないシルエットになることであろう」と記されている。

 いかにも槇氏らしいと思う。槇氏のデザインがいかに素晴らしいか。槇氏が担当した日本財団の17か所の「THE TOKYO TOILET」の「恵比寿東公園」の写真と記事を添付する。見学をお勧めする。これほど美しいトイレはない。一度見たら忘れられないはずだ。

 「BLUE FERRY(ブルーフェリー)」は、野村不動産と東京湾クルージングの東京都が推進する舟運活性化の取り組みのひとつで、舟旅通勤の実装に向けた補助制度によって2024年5月22日(水)から運航が開始されている。晴海五丁目船着場(晴海五丁目ターミナル)と野村不動産が整備した日の出船着場(Hi-NODE)を5分間(電車は30分)で結ぶ。運賃は500円(電車で勝どき~日の出は17分で367円、BRT利用だと34分で471円)。

ウエルネスエリア(フィットネス) ※掲載時は要「@Gensler」表記.jpg
ウェルネスエリア(提供:@Gensler)

テラスエリア&海眺望 ※掲載時は要「@Gensler」表記.jpg
テラスエリア(提供:@Gensler)

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ラウンジエリア(提供:@Gensler)

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バケーションエリア(提供:@Gensler)

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Hi-NODE

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担当者が紹介した鈴木春信「雪中相合傘」コピー(きれいに撮れなかったのが残念)

素晴らしい槇文彦氏、田村奈穂氏、片山正通氏日本財団渋谷公園トイレPJ(2020/9/21)

「日の出」の新しい顔「Hi-NODE(ハイ-ノード)」開業野村不グループ×東京都(2019/8/2)


 

 

 

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