「Be ACTO武蔵浦和」開業セレモニー
野村不動産は9月27日、JR武蔵浦和駅直結のJR東日本開発とのJVマンション「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」(277戸、2024年4月竣工)内に設けたエリアマネジメント組織「Be ACTO武蔵浦和」の活動拠点「マチノバ」の開業セレモニー見学ツアーを実施した。同社執行役員・上羽健介氏や地権者、関係者など多数が参加し、開業を祝った。
「Be ACTO」は、2018年に発表したサステナブルな街づくりを推進する「BE UNITED構想」を実践するための一般社団法人で、「ACTO」」には誰でも気軽に扉が開かれた場所「開く(あ)とびら」と、様々な活動のきっかけ「アクション」となる思いが込められている。拠点は「日吉」「亀戸」「目黒」に続き4か所目。
「マチノバ」は、住宅棟に同社が保有する約300㎡の会員制ラウンジ、レンタルキッチン、レンタルスペース、カフェ併設のシェア本棚のほか、店舗棟のヤオコー武蔵浦和店の100坪超のイベント広場にもなる5階屋上テラスなどから構成。会員になるのは無料で、施設の利用料をその都度払いするスポット会員、月1,100円でラウンジが使い放題のサブスク会員が選択できる。
開業セレモニーでエリアマネジメント担当の同社執行役員・上羽健介氏は「開発に当たって地権者のヤオコーさん、共同事業者のJR東日本さんなどと協議し、このようなランドマークとなる素晴らしい住宅・施設が完成しました。当社は、街が完成してからも地域住民のシビックプライドを醸成することを大切にしておりまして、バードとしての街づくりに加えまして、そこに住まう方々、団体、学校、企業さまなど街に愛着を育んで何世代も住みたくなるようなソフト面でのサステナブルな街づくりを目指していきます。その思いを形にしたのがこの『マチノバ』です。非常時には防災拠点としても活用していただきたい」とあいさつした。
このほかセレモニーには、地元出身のウクレレシンガー・宮武弘さんのライブ演奏やヤオコー、JR東日本、その他関係者多数が出席し、開業を祝った。
見学ツアーでは同社事業創発本部エリアマネジメント部推進課課長・石原菜穂子氏がガイド役を務め、「15年前に初めて行った愛着度調査で、住み続けたいと考える人ほど良好なコミュニティを形成していることが分かり、その後、2014年に全体竣工した大規模開発『ふなばし森のシティ』(約1,500戸)がきっかけとなり、エリアマネジメントの取り組みが始まりました。今回で『Be ACTO』は4か所目ですが、ドライブがかかってきました」と話した。
「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」エントランス
屋上テラス
「マチノバ」の一部
上羽氏
◇ ◆ ◇
「Be ACTO」は、「日吉」「亀戸」「目黒」のマンションを取材したとき聞いてはいたが、活動拠点を取材するのは初めてだった。とても勉強になった。
エリアマネジメントのことはよくわからないのだが、住宅供給戸数やターゲット層を変えることで、人口構成をコントロールしている山万「ユーカリが丘」は成功事例の筆頭だろうし、2002年に設立された「リガーレ(大丸有エリアマネジメント協会)」のような巨大な組織もあれば、小規模な任意団体もたくさんあるのだろうが、同社のような取り組みはそうないはずだ。規模の大小を問わず、地域の活力、環境の維持・向上、コミュニティ醸成に大きな力を発揮しているのは言うまでもない。
取材して嬉しかったのは、一般社団法人ACTOの「日吉」「亀戸」「武蔵浦和」の代表理事を務める元同社広報担当の井上直樹氏にお会いできたことだ。井上氏とはもう30年以上も昔からのお付き合いだ。酒もよく飲んだ。とくに「プラウド」が誕生して以降は大変お世話になった。書く記事に困ったときはいつも井上さんにお願いした。年間20件くらい見学したのではないか。当たり外れがないのが「プラウド」だった…いまもそうか。
大事なことを書き忘れた。見学ツアーでは、同社と埼玉大学が共同開発した「推しの木図鑑」が紹介され、浦和市立大里小学校4年生が推しの木授業で制作した約140点のうちわ作品も「さいたま市南区役所」で展示されていた。
「推しの木図鑑」は素晴らしい取り組みだ。全国の国語や社会科の授業に採用されたら世の中は変わる。記事も添付したので読んでいただきたい。それにしても、同じ日に行われた三菱地所レジデンスの隈研吾氏が出席した記者発表会にはメディアは60人も参加したのに、「マチノバ」は記者を含めてたった4人。これは何だ。
「推しの木」うちわ展示(さいたま市南区役所で)
読みだすと止まらないあらゆる関係者にお勧め野村不&埼大「推しの木図鑑」(2023/6/24)
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