三菱地所レジデンスが来年1月に販売開始する戸建て「ザ・パークハウス ステージ稲毛海岸ヴィラ」を見学した。今回分譲する第1期工区は16区画で、販売棟数はモデルハウス2棟を除く14区画。価格は5,000万円台の後半からで、もっとも高いものでも7,000万円に届くかどうか。超割安と見た。
現地は、三井不動産レジデンシャルと1960年代から開発を進めている一戸建て街区「美浜の杜シティ」と分譲マンション「ザ・ガーデンズ稲毛海岸」の最終章となる全157区画の「美浜の杜シティⅡ」内に位置しており、同社の販売区画は90区画。
物件は、JR京葉線稲毛海岸駅から徒歩13~15分(JR稲毛駅、京成線京成稲毛駅のバス便あり)、千葉市美浜区稲毛海岸2丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全90区画。第1期工区16区画の土地面積は115.04~125.04㎡、建物面積は101.72~111.99㎡、価格は未定だが、5,000万円台後半から6,000万円台の半ばになる模様。建物は2024年11月中旬に完成する予定。構造は木造枠組壁工法(2×4工法)2階建て、施工は三菱地所ホーム(人気商品の全館空調「エアロテック」は1~3工区は採用されていない)。管理組合を設け、月額2,000円で共用持ち分の広場の管理などを行う。
主な基本性能・設備仕様は、「戸建てZEH」(Ua値0.6以下)、Low-E複層ガラス、1階リビング天井高2550ミリ、ハイブリッド給湯器「ECO ONE」、東ガスと共同のIGNIYUREソーラー、ガス衣類乾燥機「乾太くん」など。
来場者の評価ポイントが高いのは、販売所長で同社販売一部販売グループ主幹・瀬戸太一氏によると、①3~4色のタイルを用いた外観や屋根形状などのデザインと街並み②木目調キッチン天井裏パネル③深型食洗機④タッチレス水栓⑤間口75センチの3つ口コンロ⑥1階の立水栓に加え2階のスロップシンク⑦玄関カウンター収納とシューズインクローゼットのダブル設置⑧浴室の取り外し可能な折り畳みカウンター⑨幅1.2mの洗面カウンターなど。
5月から受け付けたエントリー数は464件、10月26日からのモデルハウス来場者は2週間で44件。来場者の過半は地元美浜区中心に千葉市内居住者。年代は30代から50代まで幅広く、二次取得希望者の割合は約半数(戸建て9%、マンション41%)。
◇ ◆ ◇
価格が高いか安いかは検討者が考えることなので深入りしないが、マンションと比べればとても安い。仮に稲毛海岸駅前でマンションが分譲されれば坪単価は300万前後になるはずで、20坪で6,000万円だ。ここはスーパー「ヤオコー」と稲毛海岸公園に隣接しており、「サイゼリア」などの飲食店もあり、小・中学校も近い。駅からのアプローチも緑道(一部)を通っていける。住宅地としての環境は整っている。
◇ ◆ ◇
取材に満足し、「サイゼリア」で昼食をとった。500mlの白ワインとチョリソーで税込み合計800円。記者の定番になっているビール2杯とイワシフライで税込み980円の「日高屋」より安かった(容器とグラスはガラスではなく味気ない樹脂製だったのにはがっかりしたが)。客層も全然違う。
それから、アプローチ道路とは別の市道を通って稲毛海岸駅まで歩いた。途中、街路樹など1本も植わっていなかった。〝これではマンションも戸建ても高い値段で売れるはずはない〟と納得もした。
ところが、駅に近い豊富な緑にあふれたURの団地で足が止まった。しばし見とれた。住み心地を聞こうと、「素晴らしい住宅ですね。こんな住宅に私も住みたい」と居住者らしき女性に声を掛けた。記者が聞きもしないのに、年齢が91歳で、毎日スクワットを30回行っており、家賃は7万円で(市に)申請をすれば5万円にも3万円にもなるとのことで、「(募集センターか管理事務所かに)案内しましょうか」と誘われた。
丁重に断り、握手して別れようと手を差し出したら、その女性のむ方は、もち肌ではなく役割を終えたモミジのような小さい手を見せながら、「私の手は敏感でね(あなたのような汚いみだらな、何人もの女性をたぶらかし撫でまわした)、感染したくないのよ」とやんわり拒否された。
仕方なく稲毛海岸駅に着き、電車に乗り乗り過ごし、自宅のある駅に着いたら、午後5時きっかりだった。いつもの「夕焼けチャイム」が鳴った。
♯おててつないで みなかえろ からすといっしょに かえりましょ♯
好きな彼女と手を握れるのはあと何周か、しっかり握り返してくれるかばかり考えていたフォークダンスの体育の授業はもう60余年も昔だ。
地所レジが勝つか、それより格が安くなりそうな三井レジが勝つかよくわからないが、今回の共同開発を会見場に見立てれば、同学年の三菱地所レジ・宮島社長と三井レジ・嘉村社長は笑顔で手を結びながら、クロスの陰では脛をけり合っている図式がぴったりだ-これも今日の取材の大きな収穫の一つだ。