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2025/01/22(水) 12:00

坪単価180万円台半ば 第1期43戸完売 大和地所レジ「ヴェレーナシティ木更津」

投稿者:  牧田司

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「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」 (物件ホームページから)

 大和地所レジデンスは1月21日、「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」 のメディア向け見学会を行った。木更津駅から徒歩12分の全147戸で、昨年12月に第1期43戸の分譲を開始し、すべて契約・申し込み済み。木更津湾と公園に近い立地特性を生かし、富士山が眺望できる南西角住戸(13戸)はアウトドアデッキ付き90㎡としたほか、80㎡以上のプランも3スパン(41戸)設けるなど企画がヒットした。坪単価は土地代がただに近いと思える180万円台の半ばだが、設備仕様レベルは高い。

 物件は、JR内房線、久留里線木更津駅から徒歩12分、木更津市富士見三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する敷地面積約3,348㎡、14階建て全147戸(うち一般分譲対象外住戸7戸含む)。専有面積は70.72~90.52㎡、坪単価は180万円台の半ば。竣工予定は2026年11月。設計監理はT設計工房。施工は新日本建設。

 従前の敷地は富士屋ホテル(旅館)。コロナ禍で経営が行き詰まり、仲介不動産会社を経て同社が取得した。敷地南側は矢那川の河口。川を隔てた南側は卸売市場、西側は鳥居崎海浜公園、その先は木更津港。港までは徒歩3分。

 建物は全戸南向きで、富士山が眺望できる南西角住戸は90㎡台の13戸。このほか85㎡台が1スパン14戸、80㎡台が3スパン41戸、70㎡台が2スパン26戸、75㎡台が3スパン40戸、75㎡台が1スパン14戸。平均専有面積は78㎡超。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2550ミリ、食洗機、床暖房、メーターモジュール廊下、浴室タオル掛け2か所、手洗いカウンター付きロータンクトイレ、バルコニースロップシンク、奥行3mのオープンエアデッキ付き(33戸)、オープンエアリビング(4戸)など。

 昨年11月からエントリー受付を開始し、これまでの資料請求は500件、モデルルーム来場者は210件。12月から分譲開始した第1期43戸はすべて契約・申し込み済み。花火が楽しめ、富士山が眺望できる7,000万円弱の住戸は最高6倍の人気なった。

 契約者・申込者の属性は、50代以上の地元居住者が約半数。自宅の戸建てをそのまま残し、定年後に定住を考えている人が多く、中住戸は実需が中心で、大企業に勤める転勤が多い会社員や地元に縁のあるエリア居住者など。市内の戸建ては2,000万円台で取得できることから、そのような層はほとんどいないという。

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オーシャンビューテラス

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オープンエアリビング(左)とオープンエアデッキ

◇        ◆     ◇ 

全分譲戸数の30%に該当する43戸を供給して早期完売したことに、なるほどと思った半面、信じられない思いも募った。

なるほどと思ったのは、契約者・申込者の属性でも分かるように、海に近く、花火大会を楽しめる立地特性を最大限生かした商品企画だったことだ。これまでたくさんマンションを見学してきたが、海に近く、花火が楽しめるマンションの売れ行きは確かにみんなよかった。海に近い最近の事例では「ウエリス三浦海岸」だ。取材したとき間違いなく売れると感じた。花火については、どこのマンションでも〝花火大会がみられる〟ことを売りの一つにしているように、想像以上に花火は訴求力があるようだ(多摩エリアに住んでいるお金持ちが、隅田川の花火大会を眺めるために台東区のマンションを買った物件も取材したことがある)。

そうした〝お金持ち〟にターゲットを絞り、90㎡超のプランを提案した同社の目利き緑と商品企画力に脱帽するほかない。上段で書いたように、単価は土地代がただでも立たないような安さだが、設備仕様レベルは高い。施工を担当した新日本建設は千葉県での分譲・施工事例が多いことがヒントになる。

信じられない思いとは、平均専有面積が75㎡超であるように、中住戸もまた70㎡以上としたプランだ。坪単価180万円半ばというのは、面積を広くしたからでもあるが(面積を広くするほど単価は下がる)、各社が行っているように、専有面積を圧縮して売りやすい価格にしなかったことが解せない18坪だったら、3,000万円台の半ばで供給できるではないか(同駅圏では34年ぶりの新規供給で、それまでは坪単価140万円くらいで、広いプランはなかったとのことだ)。差別化なのだろうが、面積を広めにしても〝売れる〟と同社は確信していたのだろうか。

〝信じられない〟というのは他にもある。木更津市といえば、「そごう」が2000年に閉店されてから地盤沈下が進む一方で、2024年度地価公示でも、人口13.6万人の同市は、人口10万人以上の市の地価下落率は鹿児島県鹿屋市の73.2%についでワースト2位の68.5%だ。

この日、取材を終えてから1時間半くらいかけて街中を歩いた。人通りは少なく、街のポテンシャルを図る〝御三家〟の「日高屋」「DOOTOL」「マクドナルド」はなかった。そればかりか、飲食店の営業時間はみんな夕方以降で、明らかに店じまいしていそうな店舗もたくさんあった。街に潤いを与える街路樹は極端に少なく、植わっている樹木は貧弱なものばかりだった。

中心市街地の疲弊はどこの市町村も抱えている問題で、同市は木更津湾エリアの再開発に力を入れるため、駅から続く舗道の整備工事を行っている。同社のマンションが富裕層の心をとらえたように、「海」「市場」「花火」などの観光資源はある。官民が連携すれば再生は可能のような気もした。(公園内のコース料理は12,000円で、誰が利用するかわからないが50分で15,000円のエグゼクティブ向けクラブもエリア内にはあった)

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模型

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浴室タオル掛け2か所(左)とトイレ(写真を撮り忘れたが90㎡のモデルルームタイプは約2.5㎡の玄関ホールが設けられている)

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敷地北側から(左)と公園側からの現地(クレーンが立っている)

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