「The Parkhabio SOHO 横浜関内」パース
三菱地所レジデンスは3月12日、コワーキングスペースを併設した職住一体型の賃貸マンションシリーズ「The Parkhabio SOHO」の第5弾「The Parkhabio SOHO 横浜関内」の完成内覧会を開催した。駅から4分の商業地域立地ながら周辺には高い建物がなく、間取りに工夫を凝らし、スマートホーム・ロック、顔認証、空間効率を向上させる住設機器、壁面収納ベッドなど極めてレベルの高い賃貸マンションだ。敷地内に公開空地を設け、外観デザインや環境にも配慮していることなどから横浜市の市街地環境設計制度により高さ制限の緩和を受けているのも特徴の一つ。
物件は、JR関内駅から徒歩4分、横浜市中区羽衣町2丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率700%)に位置する敷地面積約521㎡、15階建て全84戸。専用面積は18.30~60.59㎡、坪賃料は1.6万~1.7万円(共益費込み)。竣工は2025年3月中旬。設計はアーキシップスタジオ、施工は若築建設。
今年1月から募集を開始しており、これまで30~40戸に申し込みが入っている。坪賃料は相場(1.3~1.4万円)より高い1.6~1.7万円に設定している。
1階の約120㎡のコワーキングスペース「Style Lounge」にはボルダリングスペースを設け、屋上テラスの「Sky Lounge」には「The Parkhabio」シリーズとして初のBBQラウンジを備えている。このほか、三菱地所が開発・提供する総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」、DXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」、大崎電気工業の鍵がいらないスマートロック「OPELO(オペロ)」を採用。
また、一部住戸(14戸)には空間効率を重視した住設機器「Roomot MIXINK(ルーモットミキシンク)」を、18.30㎡の7戸には壁面収納ベッド「カクセルベッド」を導入している。
同社賃貸住宅開発部長・三瓶信英氏は、「これまでの『The Parkhabio SOHO』は好調に推移しており、今回の『関内』」は神奈川初でシリーズとしては5物件目。コワーキングスペースのほかボルダリング、スカイラウンジなどリラックスできる設えとし、先進のスマートホームを実現した」とあいさつした。
事業担当の同社賃貸住宅開発部開発第三グループリーダー・日笠雄貴氏は「コンセプトワードは〝ベースキャンプ〟。新旧の文化が溶け合う関内はわくわく感が止まらないエリア。設計には地元での実績が豊富なアーキシップスタジオを起用。基壇部はコンクリ洗い出し仕上げによって骨材が浮き出るように表現、3階以上はコンクリの打ち放しにして景観、デザインにもこだわった。施設の一部は外部にも開放する。建物は逆梁を採用し、洗面やユニットバスに窓を設けたものなど開口部を多く設けた」などと熱っぽく語った。
屋上テラス
日笠氏
1脚40万円の椅子(左上のグリーンはフェイク)
収納ベッドbefore(左)とafter
◇ ◆ ◇
横浜市の市街地環境設計制度から書く。現地に着いたとき、おやっと思ったことがあった。立地条件からして用途地域は商業地域(後で確認したら建ぺい率80%、容積率700%)なのに、建物は1.5メートルくらい敷地からセットバックして建てられており、空地に緑化も施されていたからだ。
内覧会で担当者から市街地環境設計制度の適用を受けているとの説明を受けて納得したのだが、メディア関係者は〝当たり前〟のように受け取った人もいるようで、大した反応を見せなかった。(高さ制限31mが44.8mに緩和されている)
記者は、この制度はとてもいいと考えいる。制度は昭和48年に制定されたもので、詳細については触れないが、敷地面積が500㎡以上の建築物を対象に、景観に配慮するとか緑化を図るとか、公開空地を確保したものについては容積率の緩和や高さ規制を緩和するものだ。これまで約500件の適用物件がある。年間にならすと約10件だ。うち半数以上は質の高い分譲マンションのはずだ(賃貸は少ないのでは)。
だから〝当たり前〟では断じてない。同社のプレス・リリースでも触れられていないのであえて書いた。「住みたい街ランキング」などで、横浜市がいつも上位にランクされるのは、こうした開発規制・条例の影響も大きいはずだ。
もう一つ、強調したいことがある。共用部分のエントランス、エレベーターホール、ラウンジなどの壁や天井に本物の木が使用されていたことだ。これについてもリリースや担当者からの説明がなかったが、素晴らしいと思った(コワーキングスペースには1脚40万円の椅子も10脚くらいあったが)。
今回で「The Parkhabio SOHO」シリーズを見学するのは4回目だ(「南青山」は知らない)。みんな素晴らしかったが、総合評価すると今回が一番いいかもしれない。デジタル技術をたくさん取り込んでいるのは当然としても、専用部の間取りプランも多彩で(資料は字が小さく読めないが12タイプあり、一般的な間口3m×奥行き10mなどは一つもない)、進化する「The Parkhabio SOHO」を目の当たりにした。分譲だったら、坪単価800万円で売れると思う。
11階の54.20㎡、賃料は22.7万円(坪1.4万円)。北向きだが眺望が開け、開口部は7か所、間口は約7m
4階の18.30㎡、賃料は7.5万円(坪1.4万円)。調理もでき、洗面、トイレ、シャワールーム付き。壁面収納ベッドの上げ下げに要する力は3キロくらい。小生もらくらく
現地
基壇部
外壁仕上げ
壁仕上げ
壁と天井
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