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2025/03/17(月) 10:30

〝負けたらあかんで東京に〟返上 「グラングリーン大阪」南館3/21オープン

投稿者:  牧田司

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「グラングリーン大阪」南館

 大阪・関西万博の開幕に照準を合わせた「グラングリーン大阪」南館が3月21日にグランドオープンするが、それに先駆けた3月14日、南館の〝目玉〟となっている「うめきた温泉蓮Wellbeing Park」「ホテル阪急グランレスバイア大阪」「タイムアウトマーケット大阪」のメディア向け内覧会が行われた(解禁は17日10:30の縛りあり)。

 「グラングリーン大阪」の素晴らしさは昨年9月に行われた4.5haの「うめきた公園」内覧会でも確認しているが、今回取材してその意は確信に変わった。これまで何かにつけ〝大阪は東京の半分〟と考えてきたが、これは改めざるを得ない。「グラングリーン大阪」の街づくりは完全に東京を超えた。天童よしみさんは〝負けたらあかんで東京に〟と歌うが、東京のデベロッパーには〝負けたらあかんで大阪に〟と言いたい。敷地面積約3.1haの「東京トーチ(TOKYO TORCH)」はここにどこまで迫れるか。

 (ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランド「ウォルドーフ・アストリア大阪」は4月3日開業予定で、今回の見学取材の対象にはなっていなかったが、1階のエントランス・車寄せの外構は自然石がたくさん配されており、植栽も豊富だ)

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「ウォルドーフ・アストリア大阪」BALLROOM

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「ウォルドーフ・アストリア大阪」presidential suite

 南館は、敷地面積約約 25,260㎡、地下3階地上39階建てパークタワー、地下3階地上18階建てゲートタワー、地下3階地上28階建てサウスタワー合計延床面積約 314,250㎡。設計全体統括は日建設計・三菱地所設計、南館設計は三菱地所設計、日建設計、大林組、竹中工務店。デザインリードはGGN、デザインは三菱地所設計・日建設計。施工は竹中工務店・大林組。

サンクンガーデン①.jpg
サンクンガーデン

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パレイ

◇        ◆     ◇

 南館を見て、記者が惚れ込んだのは基壇部のデザインだ。濃淡が異なる数種のライトブラウンの外壁がひと際目立つのだが、かといって上層階や周囲の建物や環境によくなじんでいた。確認したら、施工を担当する竹中工務店のクラウディ工法特殊仕様(フッ素クリアー工法)とのことだった。専門的なことはわからないが、日本ペイントの環境に優しくコンクリートの美しさを引き上げ、雨水や紫外線などの劣化要因から長期間壁を守る仕上げ材のようだ。

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基壇部の外壁デザイン

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クラウディ工法特殊仕様(フッ素クリアー工法)による外壁。同じ色に写っているが、3つとも微妙に異なる

◇        ◆     ◇

 「ホテル阪急グランレスバイア大阪」は、一泊基本料金がスタンダードダブル(22㎡)で6万円、ラグジュアリー(48㎡)で24万円は庶民にとっては高いと思うが、呑み助にはたまらないホテルだ。フロントの隣にあるレストランの入り口正面にはバーカウンターがあり、めまいがしそうなほど酒のボトルがたくさん並んでいた。「山崎」が1,800円、「シーバスリーガル」が1,200円だからそんなに高くない(「ジョニー・ウォーカー」最上位のブルーラベルは3,500円)。

 もっとすごいのは、26階・27階のラグジュアリーの宿泊客専用のクラブラウンジだ。何と酒は飲み放題。ラベルを見た。そんな高価な酒はなかったような気がする。さすが阪急だ。食い倒れの大阪が本拠だけのことはある、飲み倒しされないようしっかり計算している…それでも酒好きだったら飲み代は数万円の価値はあるはずだ。

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「ホテル阪急グランレスバイア大阪」(壁面は本物のグリーン。両開きの扉も突板のはず)

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レストランのバーカウンター

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ラグジュアリー宿泊者しか利用できないクラブラウンジ

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クラブジュニアスイート

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 風呂嫌いの小生でも、温泉施設、スーパー銭湯、スパ、旅館の大浴場はそれなりに利用したことがある。何種類もの浴槽に湯あたりし、飲む前に酔っぱらうのが常だ。最近見学した施設では、入ろうとは思わなかったが、都立明治公園内の東京建物の都市型スパ「TOTOPA都立明治公園店」が最高に素晴らしかった。

 今回の取材をセットしてくれた「グラングリーン大阪」南館グランドオープン・広報事務局には申し訳ないし、冷水を浴びせたくはないが、南館の3階・4階にある〝売り〟の一つでもある関西最大級の健康増進施設「うめきた温泉蓮Wellbeing Park」(約6,000㎡)には一言いいたい。

 施設は、規模もさることながら大浴場、岩盤浴、ヨガスタジオ、屋外・屋内プール、健康スタジオ、リラクゼーション&ビューティサロン、御食事処などか備わっているのはさすが、触れ込み通りだと思った。ロッカーは男女合わせ750個もある。ベーシックプランで一般の料金が3,190円(税込み)、1DAYパスポートで7,040円(同)というのもリーズナブルだと思った。

 ところが、フロントと大浴場の設えは〝画竜点睛を欠く〟-他の立派な設備・サービスと釣り合わないと思った。フロントは広々としているのだが、壁際のグリーンはフェイクであることがすぐわかる。記者はこの神経が分からない。ラグジュアリーホテルや高級料理店のエントランスにそれと分かるフェイクグリーンが使われていたら、いやな気分になるのではないか。大浴場は小さく、同時に入れるのはせいぜい数人だろう。大阪ではこれが大浴場なのか。

 さらに言えば、ほとんどの床はどこにでもあるシート張りだった。この種の施設は滑らないような配慮が必要だ。記者が最高だと思ったのは、住友不動産の「ヴィラフォンテーヌ羽田空港」ホテルの約2,000㎡、24時間営業の温浴施設「泉天空の湯 羽田空港」だ。展望露天風呂をはじめ、4種の内湯やサウナ・岩盤浴などが楽しめる。床は全面スギ材による「クラフトマン パネル 無垢不燃」ナグリ仕上げだった(脱衣室の床はフェイクのバンブーだったが…)。裸足で歩くとナグリ仕上げがいかに心地よいか…。

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フロントのフェイクグリーン(壁面も)

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右が大浴場(男湯、女湯ともほぼ同じ大きさ)

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 取材時間がなくざっと見ただけだが、南館地階の「タイムアウトマーケット大阪」は、食と文化を体験できるアジア初進出の飲食街。「約3,000㎡のスペースに17のレストランと2つのバー、イベントスペースが集積。関西のトップクラスのシェフや有名レストランの料理をはじめ、受賞歴のあるミクスロジストカクテル、大阪の新進気鋭のアーティストによるカルチャー、エンタテイメントが楽しめる」(プレス用資料のコピペ)。

 このような施設は東京でも最近増えている。各店舗は遮るものがないから、それぞれが混雑し、酒が入ったら声を張り上げないと会話できないのではと心配にもなった。

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「タイムアウトマーケット大阪」

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