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2025/06/21(土) 17:39

目を引く巧みなランドプラン、個性的な住戸プラン ポラス「流山おおたかの森」

投稿者:  牧田司

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「SHIN TOKI ヴィレッジ 流山おおたかの森」

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは6月20日、分譲戸建て「SHIN TOKI ヴィレッジ 流山おおたかの森」のメディア向け見学会を行った。従前は林地の全48戸で、隣接する同社の既分譲「楽家RAKUYA 流山おおたかの森」(全18棟)とともに緑をふんだんに盛り込んだランドスケープと、それぞれ個性的な住戸プランにしているのが目を引いた。

 物件は、東武アーバンパークライン豊四季駅から徒歩9~10分(流山おおたかの森駅から徒歩20~22分)、流山市長崎1丁目・野々下三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する開発面積9,992㎡の全48戸、土地面積は135.61~160.88㎡、建物面積は91.70~103.15㎡、価格は4,990万~6,890万円。建物は2025年5月完成済。構造は木造スレート葺2階建て。施工はポラテック。

 〝「時」の流れ、「木」の質感を取り込んだ「気」もちの良い空間〟をコンセプトに、街区全体を第1期から第3期に分け、第1期の「楽家」(16戸)は、シンプルライフ研究家マキさんとLIXILのバックアップのもと、様々な工夫を盛り込んだ住空間をデザインしている。第2期「TOKI-TO-KI」(23戸)は、デザイン性の高い深い軒や落ち着きのある素材を設えた住宅が連なる街並みを演出。第3期「デザイナーズ街区」(9戸)は、同社の社内コンペによって選ばれた〝唯一無二〟の個性的なプランにしているのが特徴。以下、各氏のコメント。

 同社設計部企画設計課主任・西村馨氏 第1期の「楽家」は、「豊四季」(3棟)「流山おおたかの森」(18棟)「松戸・高柳」(全28棟)に次ぐ第4弾で、新しいものも取り入れて進化、ブラッシュアップさせている

 同社設計部企画設計課課長・工藤政希氏 第2期の「TOKI-TO-KI」は、緑と庭をつなぐデッキを配するなど森を取り込む気持ちのいい空間づくりに力を注いだ。アレクサなどIOTも採用し、快適な空間を提案している

 同社ガーデンヒルズ事業部設計部企画設計課2係主任・樋上周作氏 デザインコンペには12名25件の応募があった。

 同社設計部街並デザイン室エステリアデザイン係デザイナー・阿佐美直也氏 全体としてオンとオフ、内と外など多様な空間を演出したデザインにした。流山市のグリーンチェーン戦略の認定を申請する予定

 同社ウッドガーデン事業所用地二課課長・髙島彰氏 従前は全体で2万㎡以上ある山林。隣接する18棟と少し離れた3棟現場を同じ地主さんから取得したことがあり、今回は造成後の土地を事業主から2020年1月に取得した。流山市の開発行為に適合させるため開発面積を9,992㎡にしたのがポイント。工事期間は予定していた3年間から1年延びたが、この間の地価の上昇により建築費の上昇を吸収できた。地主さんとも良好な関係を築いており、今後の開発につなげたい

 販売担当の藤井氏 現段階の問い合わせ件数は329件で、うち来場は209件。約3分の1が市内居住者。子どもいる世帯は約7割。土地面積が広く、価格を抑制したのが高い評価を頂いている。注文住宅を考えている方が多く、競合する分譲戸建てはほとんどない。現在、当社グループは280物件を分譲しているが、ネットによる閲覧数はベスト3に入っている

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左から樋上氏、西村氏、松井氏、工藤氏、阿佐美氏

   ◇      ◆     ◇

 豊四季駅から徒歩10分の表示に十分間に合うよう20分前に駅に降りたのだが、道を間違え、着いたときは10分以上経過していた。同社設計部シニアマネージャー兼街並デザイン室室長・松井孝治氏の冒頭の挨拶が終わっており、上段で紹介した髙島氏か用地取得の経緯について説明する段階だった。

 髙島氏の話の中で、記者が注目したのは開発面積を9,992㎡にしたことだった。ピンときた。

 平成22年10月1日施行の「流山市開発事業の許可基準等に関する条例」によると、市街化区域での開発行為の1区画当たり最低面積は135㎡以上で、開発区域が5,000㎡以上の場合は1区画150㎡以上(ただし予定建築物の敷地面積の合計の70%を超えない範囲内において135㎡とすることができる)、開発面積が5,000㎡~10,000㎡未満の道路幅員は6m、開発面積が10,000㎡~30,000㎡未満は9m、公園面積は事業区域の面積の6%以上と定められている。

 つまり、開発面積が10,000㎡を超えると、敷地面積、道路幅員、公園面積など規制が厳しくなるのを避けるために頭を悩ましたということだ。開発申請したのは多分、条例が施行される前だろう。「TOKI」には〝時との戦い〟の意味もあるか。

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髙島氏

◇        ◆     ◇

 以下は、記者の好みによる判断であり、好みによっては全く違った結果になるし、デザイナーズ街区は9棟のうち2棟しか見学していないことを最初に断っておく。

 モデルハウス見学は4棟。最初に見学した10号棟は、「楽家街区」の「成長の家」「自由の家」「両立の家」「効率の家」の4プランのうち「自由の家」を採用。敷地面積は約136㎡。南西の角地。1階のLDK(17.8帖)に隣接して玄関ともつながる「土間」(3帖)の提案が素晴らしく、家事動線に配慮した洗面所とその隣のパントリーは多目的(自由)に使えるようにしている。白を基調に下デザインも秀逸だった。この時点で、この住戸を上回るものはないと判断した。

 次いで見学したのは43号棟の「TOKI-TO-KI」の一つ。敷地面積は約150㎡。企画意図がすぐ分かった。明らかに子育て世代の入居を想定したもので、LDK(18.7帖)の横に収納にも子どもの〝隠れ家〟にもなるスペースと、その上部にSkip Floor(3.7帖)を設け、1層を2層にしているのが特徴。ただ、〝隠れ家〟は、こどもが成長したら夫婦喧嘩のときの夫か妻の〝隠れ家〟にはなりそうもないので評価を下げた。

 3番目は、44号棟の「デザイナーズ街区」。敷地面積は約135㎡。北道路に接道。デザインウォール囲まれた玄関を開けるとすぐ、広々とした玄関・ホールと、その先に6帖大はありそうなテラスが目に飛び込んできた。玄関・ホールとテラスの天井パネルは一体となる仕上げにもなっていた。まず、郊外の分譲戸建てにはないプランだ。これまた素晴らしい。ただ、敷地の南側は隣地の高さにして約3mの駐車場になっており、テラスの先はコンクリの擁壁。これをどう評価するか悩ましい(2階がほぼ駐車場面)。

 4番目は、45号棟の「デザイナーズ街区」。敷地面積は約150㎡。やはり北道路。このころには早く見学が終わらないかと考えていた。

 ところが、豈図らんや。玄関に入った途端、10号棟もその他のモデルハウスもすっ飛んだ。目もくらむ真っ白な世界が記者を有頂天にした。建具・建材、設備仕上げに至るまで全て白。白が基調の戸建てやマンションは数えきれないほど見てきているが、それらをはるかに凌駕する。夫婦二人の居住を想定しているためか、1階全体が回遊できるプラン(洗面は2ボウル)と、2階は居室の壁を取り払えば15.2帖(他にクローゼットなど)の大空間になる提案もいい。4棟の中でここが一番いいと結論づけた。白は人の好みにも空の青にも海の青にも染まる。

 いったい、このプランは誰が提案としたのか聞いた。設計監理課の櫛野さんだった。

 全体的な感想としては、幅員6mの道路をクランクさせ、カーポート、庭などとの空間演出が街並みを美しく見せ、各棟は分譲戸建てにはあまりない個性的なプランが多いのが印象に残った。

 従前が山林・林地の分譲戸建ては、この2週間でポラスの「ビー・グレイス柏 未来隣区」(92区画)、リストと東急リバブルが販売代理の「マークヒルズ新横浜」(172区画)に次いで3物件目だ。

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10号棟モデルハウス

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10号棟モデルハウス

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43号棟モデルハウス

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43号棟モデルハウス

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44号棟モデルハウス

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45号棟モデルハウス

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45号棟モデルハウス

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現地

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