天井高2.7m、樹脂サッシ高2.4mのポラス「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」
いつもマンションや戸建ての窓などの開口部の仕様はチェックするが、前日(7月30日)は、住友不動産を中心とする「断熱・省エネリフォーム推進タスクフォース」を取材していることもあり、この日(7月31日)のポラス「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」の開口部に注目した。ざっと数えたら数は20か所くらいあり、ワイド・ハイサッシもかなりあった。これでZEH水準にするのは容易なことではないはずだ。
これからの分譲戸建てやマンションはZEH水準が当たり前になるし、このことに疑義を呈するわけではないが、ZEH水準とは断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を同時に満たした住宅のことで、この尺度だけでは住宅の質が高いか低いかは測れないことに注目すべきだと思う。
むしろ、ZEH水準にして住宅ローン控除や各種の補助金交付の対象とするため、他の快適性にとって重要なことがないがしろにされていないかがとても気になっている。
極論すれば、建物の出隅・入隅をなくして総2階にすればコスト・工期を圧縮でき、耐震性・断熱性・気密性も高めることが可能だ。また、天井高を下げれば、サッシ高も下げられるし、窓面積も建基法ぎりぎりまで小さくすることもできるし、吹抜け空間はなくし、床暖房もなしにすれば数値はさらに上げられる。心当たりがあるデベロッパーはいるはずだ。
この考え方は、中央住宅不動産ソリューション事業部不動産開発部企画設計課課長・村田嵩胤氏村田氏とも一致した。村田氏は「様々な仕様を引き算すればZEH水準は可能。当社は居住性・快適性を犠牲にするようなことはしない。足し算で居住性を高めることが重要」と語った。
そこで、同社を含めたすべてのデベロッパーに提案だ。窓など採光・開口部はその個所や面積、延床面積に対する窓面積の割合を公開してはどうか。差別化につながるはずだ。また、居住面積だけでなく、天井高を計算した体積も公開すれば〝売り〟になる(緑被率も公表すべきだと思う)。
1階主寝室の天井高2.4mで、サッシ高もほぼ同じ「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」
ライフサイクルに対応した1.5階プランポラス「流山市松ヶ丘・南柏」好調(2025/8/2)
業界の垣根超えた「断熱・省エネリフォーム推進TF」発足住友不など7社・団体(2025/7/30)