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2025/08/16(土) 15:24

高額住戸の成約件数激増 価格2億円超は坪1,240万円(在庫) 東日本レインズ

投稿者:  牧田司

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は8月15日、年報マーケットウォッチ2024年・年度を発表した。中古マンション市場は二極化が進行していることを裏付けるように、1億円以上の高額住戸の成約件数が激増しており、価格が2億円以上の在庫物件の坪単価は1,240万円に達している。注目すべきいくつかのデータを紹介する。

 坪単価は2013年に133万円(前年比4.7%増)となった以降上昇の一途で、2024年は254万円となり、2013年比で92.4%上昇している。

 2013年といえば、その前年末に衆院選が行われ、与党の民主党が大敗し、自公連立政権に移行し、安倍政権が打ち出した金融緩和、財政出動、成長戦略の「3本の矢」を柱とした「アベノミクス」が本格始動した年だ。デフレ脱却への期待感が高まり、株価とともに新築マンションも好調に推移した。首都圏供給量は56,478戸(前年比23.8%増)となり、坪単価も230万円(同8.1%増)となった。

 その後、供給量は漸減し、2024年の供給量は23,000戸(同14.4%減)で、坪単価は388万円(同4.0%減)となった。供給量が1973 年以降で最少になったのは、着工戸数に対するカバー率が45.1%と5割を割り、中でも価格水準が高い東京都と神奈川県は3割台にとどまったためで、坪単価も前年比で下落したのもその影響だ。供給減少=市場縮小と考えるのは市場を見誤ることにつながる(記事参照)。

 新築マンションと中古マンションの坪単価の2013年比上昇率はそれぞれ68.7%、90.9%であるのも、カバー率の大幅な低下によると考えられる。

 中古マンション市場も二極化が進行していると記事にしたが、都心3区(千代田区・中央区・港区)の2024年度の成約件数は2,715件(全体に占める割合は6.8%)で、坪単価は650万円(首都圏平均は258万円)、成約価格は12,536万円(同4,939万円)、専有面積は57.20㎡(同63.27㎡)、取扱高は3,045億円(首都圏全体は19,625億円)に注目したい。件数的にはわずか6.8%でしかないのに、首都圏全体の取扱高に占める割合は実に15.5%に達している。ちなみに、首都圏の市でもっとも坪単価が低いのは千葉県館山市の16万円で、以下、千葉県東金市30万円、埼玉県行田市38万円、埼玉県北本市39万円の順。

 二極化とも関連するが、価格が1億円以上の成約件数は2014年が282件(うち都内275件)、全体に占める割合は0.8%なのに対し、2024年は3,246件(同3,008件)、全体に占める割合は8.2%に増加している。特に2億円以上の成約単価は1,011万円(在庫単価は1,240万円)になっている。(記者は都心の一等地の新築は軒並み坪単価2,000~3,000万円になると見ている)

中古マンション・戸建て 7月も成約件数は大幅増加東日本レインズ(2025/8/15)

中古マンション市場も二極化都心と郊外は雲泥の差東日本レインズデータから(2025/7/12)

令和6年度首都圏マンション着工に対する不動研の戸数カバー率41.5%(2025/5/1)

 

 

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