「東京ミッドタウン日比谷」6階パークビューガーデン
三井不動産は9月29日、「東京ミッドタウンの生物多様性への取り組み」記者説明会を開催し、同社サステナビリティ推進本部サステナビリティ推進部・竹澤正浩氏は、これまでの同社の環境への取り組みを説明し、「私たちは街づくりを通じて、豊かな『環境』のネットワークを日本橋はもちろん、東京、日本全国へ広げ、次世代へ繋いでいきます」と話した。
「東京ミッドタウン日比谷」では、都心部にありながら約2,000㎡(緑化率約40%)の緑地を創出しており、隣接する日比谷公園と同種の樹木を取り入れ、環境に配慮した植栽計画を実施。また、地域全体の生物多様性の向上に寄与するため巣箱、石積み蛇篭、エコスタックとバードバスを設置。生きもの音声分析技術「KoeTurri」(ハイラブル提供)を活用し、来街者へ豊かな生態系の魅力を発信していく。今年3月、いきもの共生事業推進協議会が運営する第18回「ABINC 認証」を取得している。
今年度より、東京都市大学北村亘准教授を「東京ミッドタウン日比谷 生物多様性アドバイザー」に迎え、定期的な実地調査、調査結果を踏まえた中長期的な生物多様性施策の検証・実装などを行っていく。北村氏は「都心部でありながらカワセミやアオサギなど多数の野鳥が生息する日比谷公園や皇居と隣接している立地特性を踏まえると、東京ミッドタウン日比谷には地域の生態系を補完・強化する役割が求められる」とコメントしている。
「東京ミッドタウン日比谷」の来街者は、2018年3月に開業してから2025年3月末で約11,200万人に達している。
同社は今年4月、環境との共生宣言 「&EARTH for Nature」を策定、重点課題として「緑を守り育む」「水の魅力を生かす」「生態系を豊かにする」「地域の想いをつなぐ」「自然資源を循環させる」の5つを定めている。
同社が「ABINC 認証」を取得したのは、「三井不動産ロジスティクスパーク市川塩浜Ⅱ(物流施設版)」「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画(都市・SC版)」「ザ・ガーデンズ大田多摩川(集合住宅版)」に続き4施設目。
また、港区立檜町公園に隣接している「東京ミッドタウン(六本木)」の「東京ミッドタウンガーデン」(約1.38ha)は、国土交通省などの「自然共生サイト」に認定されており、緑地は都心5区では最大級となる。
「東京ミッドタウンガーデン」
「東京ミッドタウンガーデン」で保存されてきたケヤキ、エノキ
樹林内のヤマトタマムシ翅
「MIDTOWN OREN THE PARK」
蛇篭(左)と「KoeTurri」
壁面緑化
オフィスワーカー専用ガーデン
高層階から6階ガーデンを望む(右側が日比谷公園)
「工夫次第でたくさんの鳥を呼ぶことが可能」北村氏
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記事化が2週間以上も遅れたことをお詫びしたい。記者説明会のすぐあと10月1日から、30年以上取材しているRBA野球大会が始まり、約25試合を取材したのだが、記事は刺身と同じ鮮度が命なので、野球記事を最優先して書いたので遅れてしまった。何しろ、試合結果の記事を1本書くのに約2時間、1日8時間労働としても1週間くらいかかる。「経年優化」を掲げる同社の街づくり・環境共生の記事は鮮度とは関係はないのも遅れた理由の一つだ。
今回の記者説明会は、同社が環境への取り組みを日本全国に広げる宣言だと受け止めた。同社は「神宮外苑問題」ではずいぶん批判も浴びたが、40年以上同社のマンションや分譲戸建てを取材してきた記者は、緑環境の取り組みとしては、同業では積水ハウス、野村不動産、三菱地所、森ビルとともに業界トップクラスだと思っている。「パークシティ浜田山」や「HARUMI FLAG」は特筆ものだ。
「ABINC 認証」が4施設目というのは意外な感じもしたが、これから積極的に申請するということだろう(積水ハウスは単独での認証はゼロだが、5本の樹計画は他を圧していると思う)。
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