
「RegenerAction Japan 2025(リジェネアクションジャパン2025)」左から沢氏、Butterfly Lab代表/システミックデザイナー・松村大貴氏、Future Food Institute/クルックフィールズ・中村圭氏、小澤氏、内藤氏、友廣氏、PLUM KNOT代表取締役/Innovative Kitchen 8goディレクター・料理人・野田達也氏、リバネス執行役員CHO 長谷川和宏氏(東京コンベンションホールで)

小澤氏
東京建物は10月28日・29日、世界的な潮流となりつつある「リジェネレーション」をテーマにした国際カンファレンス「RegenerAction Japan 2025(リジェネアクションジャパン2025)」を東京コンベンションホール(東京都中央区京橋、東京スクエアガーデン5階)で開催する。カンファレンスは、2023年以来3回目の開催で、「政治」「環境」「人間性」「社会」「文化」「経済」の6つの分野を横断し、社会のあらゆる側面からリジェネレーションの道筋を探る。
開催直前の28日に行われた記者発表会で、同社代表取締役社長執行役員・小澤克人氏は、「Regeneration(リジェネレーション)」とは自然・社会を再構築する概念で、世界的にこの概念が広がっている社会背景として①産業革命以降の経済成長優先から、環境保全と経済成長の両立へ転換への機運の高まり②SDGsなど国際協調の枠組みが設立されたが、「それだけでは不十分」との認識の広がり③GDP成長だけでは生活満足度向上に不十分-などとし、「サステナビリティ」の先に「リジェネレーション」があると話した。
その取り組みを加速させるため同社は昨年「Regenerative City Tokyo」を発表し、その実現のため「教育」「共創・オープンイノベーション」「社会実装」「情報発信」「物理的な場づくり」の5つの領域での具体的アクションを実施しており、企業の枠を超えたグローバルな規模・連携を加速させるためClimate Week NYC 2025で「Regenerative Cities Manifesto」を発表した。
Regeneration(リジェネレーション)にどうして同社が取り組むのかについて、1896年の創業以来、八重洲に本社を構え、八重洲・日本橋・京橋(YNK)エリアで連綿として継承されてきた街の歴史や文化、社会課題、経済とのつながりを考えたとき、エリアに創業100年超の老舗飲食店が12店舗も存在することから「食」をテーマに選んだと説明した。
不動産会社が「食」に関わることについては、100年先の未来を考えたとき、「建物をつくる」「運営する」だけでは不十分で、従来の物理的価値(フィジカルバリュー)と社会的価値(ソーシャルバリュー)を掛け合わせ、FOODを通じた社会課題解決につながる街づくりに取り組むとした。
同社はまた、Regenerative Action(共創プロジェクト)の一環として、神奈川県湯河原町と合同会社シーベジタブルと三者で「湯河原モデルとRegenerativeCity(リジェネラティブ シティ)の実現に向けた包括連携協定」を締結し、湯河原町の地域資源を活用した海藻の生産および海藻由来の商品の製造に関する実証実験を行うと発表。内藤喜文湯河原町長、友廣裕一シーベジタブル共同代表も登壇しそれぞれ協定締結を喜んだ。
このほか、Regenerative Action(共創プロジェクト)として「木庭MOKUTEI」「First Step (Community Beer)」「Innovative kitchen 8go」「TOFRO」を発表し、それぞれの代表者が登壇しあいさつした。

左から沢氏、内藤氏、友廣氏
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記者発表会は約1時間で、フォトセッションを含めた登壇者は小澤社長をはじめ10人超で盛りだくさんな内容だった。ただ、小生も含め不動産関係の記者は、「食」がテーマの取り組みは取材機会が少ないためか、質疑応答で質問したのは1人のみだった。消化不良の記者の方は少なくなかったはずだ。
小生もそのうちの一人だが、話を聞きながらずっと考えていたのは、1か月前に取材した「LIFULL HOME'S総研」の「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」であり、ほぼ同時期に発表された森記念財団都市戦略研究所「日本の都市特性評価DATABOOK 2025」だった。モノサシが異なれば、モノは全く違って見えるということであり、既存の都市の魅力を測るモノサシはもはや通用しないのではないかと。
同社都市開発事業第一部 八重洲プロジェクト推進室長・沢俊和氏沢氏も配布資料「Regenerative City Totyo VISION BOOK」の中で「2025年9月、ニューヨークで開かれたClimate Weekで目の当たりにしたのは、世界中の企業が直面している現実でした。過去16年で最大規模となった2025年は、1,000近くのイベントに10万人以上が参加し…気候変動への危機感と価値観の変容、この2つが重なり合い、消費者の選択基準は大きく変わりつつあります。もはやGDP成長という単一の物差しでは測れない時代です」と、そして「環境を回復させながら、経済的価値も、社会的なつながりも、文化的な豊かさも、同時に生み出していく。一見矛盾するような複数の価値を、どうすれば両立できるのか。その答えを、システム全体の再設計の中に見出そうとしています」と述べている。
いま不動産市場は、かつて誰も経験したことがないバブル経済を上回る状況下にある。その一方で、実質賃金はマイナスが続いている。インフレかデフレかの尺度も見直す必要があるのかもしれない。

展示コーナー

展示コーナー

アオモジの香りがするクラフトビール(800円くらいになる模様)

沢氏(左)と同社まちづくり推進部FOOD&イノベーションシティ推進室兼まちづくり推進室課長代理・谷口元祐氏
誰のための調査か森記念財団「日本の都市評価特性」とLIFULL「官能都市」比較(2025/10/11)
「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」発刊 LIFULL HOME'S(2025/9/25)

