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「ルネ加須/ワンハンドレッド・レジデンス」
総合地所は11月18日、駅圏で34年ぶりの供給となる「ルネ加須/ワンハンドレッド・レジデンス」のメディア向け見学会を行った。価格は「未定」だが、現在の市場からして信じられない低単価に設定し、全117戸の平均専有面積を90㎡確保し、100㎡超も34戸用意するなど、立地のハンディを単価の安さと広さで克服・アピールする意欲的な物件だ。
物件は、東武伊勢崎線加須(かぞ)駅から徒歩5分、加須市元町の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する12階建て全117戸。専有面積は78.30~102.93㎡、価格は未定。竣工予定は2026年11月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション、販売代理は長谷工アーベスト。12月に分譲開始する予定。
2025年7月に物件ホームページを公開。10月から案内会を開始しており、これまでのモデルルーム来場者は約70件。属性は、居住地は市内が65%、隣接市(久喜・羽生市など)が10%。年代は20~30代が30%、40代が25%、50代が25%、60代超が20%。勤務地は市内が50%、隣接市が10%、都内が20%。家族構成は2人が40%、3人が20%、4人以上が10%、単身者が20%弱。持家は約50%、賃貸は約30%。
現地の従前はパチンコ屋。用地取得は2024年5月(前年に契約)。敷地は東西軸が長い長方形で、敷地と道路を挟んだ北東側の15.9m地先は東武線の線路。建物は1フロア12戸構成で全戸南南西向き。
主な基本性能・設備仕様はZEH-M Oriented、Low-Eガラス、直床、リビング天井高2450~2500ミリ、床暖房、全戸可動式収納「UGOKURO(ウゴクロ)」、食洗機(オプション)、浴室タオル掛けなど。共用施設は約100㎡のスカイフロア(ラウンジ・パーティルーム・ゲストルーム)。全戸駐車スペース付き。
見学会で同社分譲事業部マンション開発部開発1課課長・石井大祐氏は、「新規供給が34年ぶりというケアなエリア。平均専有面積を90㎡とし、100㎡超も34戸用意、共用施設も100㎡、駐車場も100台確保するなど〝ワンハンドレッドッド〟にチャレンジした。価格は現段階で公表できないが、78㎡で4,000万円を切る住戸も用意する予定」と語った。

スカイラウンジ

パーティルーム(左)とゲストルーム

モデルルーム
◇ ◆ ◇
埼玉県人でも「かす」と読む人は多いはずだが、加須市は人口約11万人のこいのぼりとうどんで有名な埼玉県最北の市だ。市の北側に利根川が流れている。
昨年は、加須駅より一駅手前の花崎駅圏の調整区域内の分譲戸建てタカラレーベン「レーベンプラッツ加須はなさき公園」を取材しており、価格は4,000万円台だったので、同社が加須駅圏でマンションを分譲することを聞いてびっくりした。正気の沙汰ではないと。
ところが、石井氏から最低価格は「78㎡で4,000万円を切る」と聞いて、またびっくり。坪単価に換算すると約168万円だ。単価を1層当たり1割上乗せすれば最上階は約200万円となる。その中間を取ると坪単価は185万円となる。100㎡の住戸は5,000万円台半ばから6,000万円台の前半だ。大宮を中心にすれば、3分の1くらいの価格となる。
これほどまで安い単価で分譲できるのは、用地取得が相当安かったはずで、この予想が当たっていれば、首都圏はもちろん、全国地方都市を含めて今年の最安値の物件になるのは間違いない。記者は今年初め、大和地所レジデンス「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」(147戸)を取材しているが、坪単価は180万円台半ばだった。
モデルルーム来場者は初めてマンションを見る人が多いようだ。販売動向からは目が離せない物件だ。今年一番の注目物件かもしれない。坪185万円で郊外・地方のマンションが建つのなら少しは展望が開けてくる。記者は、アッパーミドル・富裕層向けは高値追及しても構わないが(大手デベロッパーの粗利は軒並み30%を超えているのはそのため)、一般的なファミリー層向けは利益率を抑えて供給してほしいと願っている。

現地

駅前の商店街(閑散としていた)
坪単価180万円台半ば 第1期43戸完売 大和地所レジ「ヴェレーナシティ木更津」(2025/1/22)
調整区域の平屋41棟 敷地300㎡超が好調 〝地域のタカラ〟目指せ(2024/12/7)

