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2025/12/18(木) 20:12

記者歴約50年 初の「東大島」マンション見学 三菱地所レジ「亀戸九丁目」

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス亀戸九丁目」

 三菱地所レジデンスは12月18日、「ザ・パークハウス亀戸九丁目」の報道関係者向け完成内覧会を行った。共用部に伝統工芸作家が手掛けた江戸鼈甲、江戸切子、ガラスアート作品を設置し、分譲マンションとしては初めて同社の防災ツール「First Mission Box(ファースト・ミッション・ボックス)」を導入し、長谷工コーポレーションの環境配慮型コンクリート「H-BA コンクリート」を同社として初めて地上・地下の両構造に採用しているのが特徴。

 物件は、都営新宿線東大島駅から徒歩8分、JR亀戸駅から徒歩19分、江東区亀戸9丁目の準工業地域(建ぺい率70%、容積率400%)に位置する13階建て全99戸(等価交換物件で、うち38戸は地権者住戸)。専有面積は29.10~73.08㎡、価格は未定。完成予定は2025年12月上旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売開始は2026年3月上旬。

 現地は、東大島駅からほぼまっすぐ北上し、首都高速7号小松川線を渡ったところ。従前はイタリアンレストラン。建物は東向き。

 主な基本性能・設備仕様はZEH-M Oriented、内蔵梁、直床、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、バックカウンター・食器棚、浴室タオル掛け2か所など。

 10月中旬からエントリーを開始し、これまでの反響数は800件弱。12月13日からのモデルルーム案内予約は70件で全て満席。

 同社第三開発部長・魚住尚史氏は、「東京から7キロの至近距離にあり、公園などの緑や荒川、スーパーなどの商業施設が整っている立地。特徴は3つあり、一つは『伝統工芸応援プロジェクト』として江戸鼈甲、江戸切子などのアート作品を共用部に設置していること、2つ目は当社の分譲マンションとしては初めて『防災ツール「First Mission Box』を導入していること、3つめは長谷工コーポレーションさんの環境配慮型コンクリート『H-BA コンクリート』を地上と地下に採用していること。これにより約20%、370トンのCO2削減効果が期待できる」と語った。

 価格については「全くの未定。急激な価格上昇が続いており、いくらに設定するかは反響が決める要素もあるの、現段階では正直読めない」と語った。

 

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江戸鼈甲アート

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モデルルーム

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魚住氏

◇        ◆     ◇

 同社の防災ツールは、2023年の賃貸「ザ・パークハビオ 中野富士見町ガーデン」を取材しており、「H-BAコンクリート」については、長谷工コーポが最初に採用した物件の記事を添付するので、そちらを参照していただきたい。

 江戸切子のアートは同業他社もかなり採用しているが、江戸鼈甲は初めてのような気がする。小生の小さいころは、鼈甲はごく身近にあったが、最近はほとんど目にすることがなくなった。ラウンジの作品はとても高価なものだろうと思った。

 モデルルームは73㎡で、内蔵梁が用いられているので梁型がほとんどなく、アルコーブも広くてよくできていると思った。

 問題の価格。前段で紹介したように、同社は「価格は未定」としているので、以下はあくまでも記者の予想であることを断っておく。

 記者はこれまで主だったマンションの坪単価をことごとく的中させてきた。同社の物件では、2013年分譲の「ザ・パークハウスマンション グラン千鳥ヶ淵」の坪800万円、同社を含む10社JV「HARUMI FLAG」の当初計画の坪250万円、同社と三井不動産レジデンシャルのJV「三田ガーテンヒルズ」の坪1,300万円などだ。

 しかし、最近は見学物件が激減しており、信じられないような価格の高騰もあり、全く分からないというのが正直な気持ちだ。魚住氏が「読めない」と語ったのは半分は本心ではないか。

 さらに予想を難しくしているのは、記者は都営新宿線「東大島」の手前の「大島」や「西大島」、その先の「船堀」や「本八幡」などのマンションはそこそこ取材しているのだが、50年近くマンションの取材をしているのに、「東大島」は初めてだった。URや都営住宅のイメージしかなかった。東大島は江戸川区だと思っていた(地図を確認したら、物件の東側を数分歩くと江戸川区)。

 それでも、魚住氏などが「東京から7キロ」(約30分圏)を強調し、リリースには東京駅を中心とする略図が掲載されており、同じ距離圏には「池袋」「新宿」「渋谷」「目黒」「品川」などが位置している。

 これらから判断して、坪単価は450万円とはじいたのだが、取材の帰り、タバコを吸いたくてカフェを探したのだが一軒もなく、日高屋はあるのは確認できたが、もう一つ〝街のポテンシャル〟を測る御三家のマクドナルドをネットで調べたら、タイエーにあった店は〝32年の歴史に幕〟とあり、昨年4月に閉店したとあるではないか。

 東京駅から30分圏でこれではマイナス評価せざるを得ない。そこではじき出したのは、モデルルームタイプの73㎡で1億円、つまり1億円÷73×3.3450万円がアッパーだろうと。これから逆算して、坪400万円以下はないだろうから(わが多摩センターは坪400万円くらいだが、これから分譲される京王電鉄のマンションは最低でも坪450万円、限りなく500万円に近いと予想しているが)、平均で坪430万円くらいではないかとはじいた。同社は高値追及しないと読んだ。

 その根拠らしきものとして挙げられるのは、最寄駅が「東大島」なのに、物件名にわざわざ徒歩19分の「亀戸九丁目」を付け、専有面積をやや圧縮気味(70㎡前後が中心)にしていることだ。「亀戸」で訴求力を高め、グロス価格を抑えようという戦略が透けて見える。この予想は当たるような気がするのだが…。

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ラウンジ

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江戸切子デザインアート 

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