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2025/12/22(月) 18:39

「賃貸借契約の電子化」3年後に3倍増の7万か所に 大東建託・キマルーム

投稿者:  牧田司

Screenshot 2025-12-22 at 18-29-32 「キマルーム 電子申込」「キマルーム 電子契約」利用拠点数23 000カ所を突破|土地活用のことなら - 大東建託.png
「キマルーム 電子申込・契約」画面イメージ

 大東建託グループのキマルームは12月22日、プレスセミナーを開催し、賃貸取引に特化した電子申込・契約サービス「キマルーム 電子申込」「キマルーム 電子契約」を2024年7月に提供開始してから2025年12月時点で、その利用拠点数は23,000か所を突破し、2030年年までに現在の約3倍の70,000か所に増やすと発表した。

 キマルームは2010年12月設立。大東建託の大東建託パートナーズの100%出資子会社。賃貸住宅の部屋探し-申し込み-契約まで一気通貫で電子化するもので、書類別課金ではなく、業界最安値(同社)の契約一件当たりの従量課金190円が特徴で、ナビゲーション機能やチャット、アコーディオン機能を搭載しているため、賃貸借契約の全行程が一覧表示されるため、進捗状況が即時把握できるという。

 導入により、契約関連業務は紙中心の従来と比べ70%削減でき、残業時間・残業代の抑制に寄与し、書類紛失などのリスクを低減するとともに、法人契約を含む電子契約率が向上するという。

 今後は、社宅代行会社との連携で業界未開拓の法人電子契約を実現し、多言語対応(英語・中国語など)、価格の透明性と継続的な機能拡充を行うとしている。

 同社代表取締役社長・藤井志郎氏は、「大東建託グループの電子化率は、導入前の2024年5月では50%(個人)だったのが2025年12月現在は95%(同)に倍増した。課題である法人の現行20%の拡大を目指す」と語った。

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藤井氏

◇        ◆     ◇

 上段は、ほとんど大東建託が発表したプレス・リリースのコピペだ。スマホも満足に扱えず、SNSたるものを一度も体験したことがない典型的なガラパゴス・アナログ人間の記者は、そうするほかなかった。読者の方が理解していただくことを願うしかない。

 会見内容はよくわからなかったが、記者と同様、コンビニの2倍以上の約13.2万業者(令和6年度末)もあるわが不動産業界もかなり時代遅れであることが浮き彫りになった。

 セミナーで、藤井氏が不動産取引における電子契約の普及状況について触れ、宅建業法で電子化が解禁になって3年が経過するにもかかわらず、Sansanの「不動産・商業施設に関する契約の実態調査」によれば「紙の契約書をキャビネットで保管」は64.7%、DX(電子契約と管理システムの導入)は「あまり進んでいない」(37.8%)と「全く進んでいない」(17.3%)を合わせると55.1%に達すると話した。

 また、国交省が宅建5団体を対象に令和7年1月に実施したIT重説・電子契約の普及状況調査(有効回答数は1,815件)によると、IT重説の実績があるのは13%、実績はないが導入済まで含めると33%、導入予定なしは66%、書面電子化の実績があるのは9%、実績はないが導入済まで含めると27%。導入予定なしは72%というものだ。

 調査結果からは、IT重説も書面電子化も遅々として進んでいないことが分かるのだが、記者は宅建5団体別にみると、かなり差が出ると見ている。宅建5団体とは全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、全日本不動産協会(全日)、不動産流通経営協会(FRK)、全国住宅産業協会(全住協)、不動産協会(不動協)と思われるが、圧倒的に多いのは全宅連の10万社超で、中堅以上の会員が多数を占める全住協は約400社、FRKは200数十社、大手(系)からなる不動協は200社にも満たない。

 中堅以上の600社(重複加入を除く)のIT重説、書面電子化の取り組みはかなり進んでいるはずで、全宅連と全日などの会員のGXの取り組みは相当遅れていることが容易に想像できる。

 そんな業界を対象に2030年までに現在の約3倍の70,000か所での利用を目指すという目標は凄いの一言だ。記者はこの70,000か所の意味するものがなんであるか知りたかったのだが、全国紙の記者の方が聞いてくれた。藤井氏は「全国約13万業者のうち、賃貸を扱っているのは7~8万社」と答えた。つまり、全業界を網羅しようという目標のようだ。関連して、別の記者は「ベンチマーク、競合企業はどこか」と質問し、藤井氏は「イタンジ」(記者は名前だけは聞いたことがある。記者のような異端児ではないようだ)と「リクルート」を挙げた。

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