2025年 東京の供給は着工の半分以下 千葉は着工上回る〝怪〟
野村不動産は先日(2月19日)、報道機関向け住宅事業スモールミーティング&「プラウドギャラリー芝浦」見学会を行った。マンションギャラリーの記事は紹介したが、スモールミーティング関する記事を紹介する前に、業界関係者も意外と分かっていない基礎データについて書く。
まず、着工戸数と供給戸数の乖離について。この問題については、これまで何度も書いてきたので、そちらの記事を参照していただきたい。要は、不動産経済研究所が発表する供給戸数は着工戸数の半分に過ぎないということであり、残りの消えたマンションはどこに行ったを探る必要があるということだ。
2025年はどうか。着工戸数40,305に対し、供給戸数21,962戸で捕捉率(カバー率)は54.5%だ。都県別では、東京都の着工戸数24,238戸に対し供給戸数は10,316戸でカバー率は42.6%、神奈川県は着工9,070戸に対して供給は4,918戸でカバー率は54.2%、埼玉県は着工4,416戸に対して供給は3,153戸でカバー率は71.4%、千葉県は着工2,581戸に対して供給は3,078戸でカバー率は119.3%となっている。
千葉県のカバー率が100%超なのは、2025年前に着工された物件が供給されたためで、カバー率は東京、神奈川が高く、埼玉、千葉が低いのは、30㎡未満の動向、インナー販売、再開発・建て替えなど地権者住戸に割り当てられるマンションが多いか少ないかを示している。マクロデータだけでは正確な市場を把握できないということだ。
完成在庫率〝最悪〟の16.7% それでも好調市場の〝謎〟
完成在庫について。2025年12月末の完成在庫は3,678戸で、供給戸数に対する完成在庫率は16.7%となっている。この数値をどう見るかだが、リーマン・ショック後の最悪市場だった2009年の完成在庫は約4,800戸(推計)で、完成在庫率は13.2%だった。それを上回っている。数値だけなら〝最悪〟の市場だ。
記者は適正在庫率(顧客の多様なニーズに応えられる)は年間供給量の1か月分(8.3%)と見ているので、10%超は危険ラインだ。銀行の貸出金利が低いからいいようなものの、販売が長期化すれば経費も掛かるし、管理・維持費も負担になる。間違いなく収益を圧迫する。
それでも、大手デベロッパーの直近の決算は軒並み絶好調で、粗利益率は20%どころか30%超えも少なくない。完成在庫は激減している。
この不可解な数値をどう読むかだが、前述したように、着工戸数と供給戸数の間にはかなり隔たりがあることに注目しなければならない。市場構造が激変しているのだ。完成在庫率は供給戸数に対してではなく、着工戸数に対する割合で見る必要もあるということだ。それで計算すると2025年の完成在庫率は9.1%だ。適正在庫率よりは高いが、2009年の12.0%を下回っている。
今後、完成在庫率がどうなるか読めない部分も多いが、金利動向、市場動向次第で収益に大きな影響を与えるので注視する必要がありそうだ。とくに郊外部は商品企画力が問われることになると見ている。
首都圏最大1,100坪マンションギャラリー 野村不「芝浦」「新宿」と同じ あふれる緑(2026/2/19)


