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2026/02/23(月) 21:48

〝一生に一度〟⇒〝一生に三度〟2次取得層5割超 売却益3000万円超 野村不の顧客

投稿者:  牧田司

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中村氏(左)と吉村氏(BLUU FRONT SHIBAURAで)

 野村不動産は2月19日、報道機関向け住宅事業スモールミーティングを開催し、同社取締役専務執行役員住宅事業本部長・中村治彦氏と、同社取締役専務執行役員住宅事業副本部長・吉村哲己氏が分譲マンション市場を中心に、分譲戸建て、リノベーションマンション、賃貸住宅、サービス付き高齢者向け住宅など、顧客ニーズを取り込み、住宅事業の〝深化〟と〝進化〟を進めると語った。

 まず、同社は2024年のマンション供給戸数は3,584戸と全国1位の供給実績(不動産経済研究所調べ)があり、過去10年間においても、継続的にTOP3以内を維持し続けていると説明。マンション業界を取り巻く環境としては、建築費指数(工事価格)は2015年基準に対して38%上昇、労務単価は働き方改革や労働者不足の影響を受け、今後も上昇基調見込み(2015年比で49%上昇)、用地の仕入れ環境においても、各社厳しい状況が継続しているとした。

 東京都の人口・世帯数は予想を上回り、厚い需要基盤を形成しており、2023年以降、東京都の賃上げ率は大幅に上昇。勤労者世帯の世帯年収は増加傾向にあり、住宅ローン金利は利上げの動きが見られるものの、依然低金利である状況は変わらず、「消費者の住宅取得意識の旺盛さ」が継続すると見ている。

 マーケットのトレンドとしては、2013年をピークに供給戸数は減少、2025年は21,962戸となり、首都圏平均価格は9,182万円、坪単価460万円と上昇が継続。価格高騰が継続するマーケット下ではあるものの、供給戸数減少により需要が維持されている状態にある一方で、初月契約率は直近では好調ラインである70%を下回っており、エリアや物件ごとに好不調が出始めており、濃淡がより鮮明になっていると指摘した。

 エリア別では、23区の平均価格は1.3億円台、都心6区は1.9億円台と首都圏平均を大きく上回っており、千代田区・港区・渋谷区では2億円超が3割以上を占め、異なる価格感のマーケットを形成。新築マンション価格の上昇に伴い、リノベーションや間数・広さが確保できる都市型戸建のニーズの高まりも見られるとしている。

 定借マーケットについては、取得の難化、価格高騰を背景に都市部を中心に定期借地権物件の増加が見込まれ、2025年は供給戸数1,500戸と前年の2.7倍になると予想。

 中古マーケットについては、新築マンションの価格高騰から中古ニーズも拡大、成約数・価格ともに伸びており、都心部は売出価格が成約価格を大きく上回り、強気の売り出しが続く売り手市場を形成。成約価格は首都圏平均で164%・23区では181%と高いリセールバリュー、売却・購入の両面で活発な状況を呈していると説明した。

 賃貸マーケットは、成約件数は年々増加傾向で、平均賃料も全タイプで上昇と好調なマーケットを形成、ストック全体の入れ替え時賃料(賃料変動率)も上昇が継続しており、広めの間取りほど変動率は高いとしている。

 顧客動向については、同社が行った首都圏居住者2,982件を対象にしたアンケート調査結果を報告。年収は、単身者は1,000万円以上が62.1%、世帯は1,200万円以上が68.8%、83.3%が共働き世帯で、テレワーク実施率は51.7%。

 顧客の趣向サマリとして、①8割弱の人は住宅購入マインドが高いと回答(昨対比2.5pt低下)、特に予算1億円以上顧客の意欲が高く、全体の数字を大きく押し上げている②都心志向が継続しており、現在のエリアよりも都市の内側に入ろうとする動きが強い。一方、都心6区居住者は城西エリアへの流出もみられる③面積帯では70~80㎡希望が継続してボリュームゾーンで、昨年同様の傾向。駅近ニーズが前年よりもやや強まっている④予算を上げてでも得たい間取りや生活動線の良さ、日当たり・方位など条件上位は継続。「共用部の充実・仕様」を求める層は6割が1,000万円以上かけてもいいと回答⑤収納スペースや水回り設備(食洗機・浴室乾燥機等)は継続してニーズが高い⑥世帯年収1,500万円以上の割合が約半数と過去最多。予算も1億円以上で3割強。金利は上昇すると考える層が約8割だが、購入時期に影響がないとの回答も約8割となっている。

 また、昨年の傾向同様に「都心6区」に対する流入が多く、特に城東エリアは流出者の半数を占めており最大となっており、都心6区内の居住者においても8割近くが同エリア内で検討しており、需要の底堅さがうかがえるとしている。

 顧客動向トピックス・マイホームの概念変化として、購入目的は自己居住用の実需が中心であるが、永住予定は2割程度にとどまり、1次取得、2次取得層の共に購入前から将来の住み替えを前提に家探しをしているなど 「一生に一度の買い物」から「一生に三度の買い物」を志向する人が多いとしている。

 購入意欲に影響を与える要素としてライフイベントなどの実需に加え、「資産性」「値上がり期待」などが年々増加しており、給与以外に副収入がある人は5割に上り、日ごろから資産形成や投資的志向も強く、「住むためのマイホーム」から「住みながら資産となるマイホーム」という認識に推移しているとしている。

 同社物件への反応者は、2次取得層は過半を超え53%と年々増加にあり、売却意向は6割、うち売却益の見込みがあると回答した人は9割に上っている。同社物件の購入を検討している人のうち、3,000万円以上の利益予定の人が約5割、都心6区居住者、予算~2億円未満では5,000万円以上の利益予定の人が約5割を占めている。

 今後の首都圏マンション市場は、人口・世帯数の厚い需要基盤に支えられ、堅調を維持し、物件価格の上昇に対し、年収倍率は微増で維持し、持家志向・資金計画ともに底堅く、また優良なストックも多く存在する年、今後も安定的な供給を目指していくと締めくくった。

◇        ◆     ◇

 昨年の12月3日、三菱地所レジデンスはメディア向け懇談会を開催し、同社代表取締役社長・宮島正治氏(2026年4月1日付で三菱地所代表執行役執行役専務に就任予定)が約40分間、マンション事業について熱弁をふるったが、この日の中村氏と吉村氏の話も、予想はしていたがすさまじかった。

 高額分譲マンションの用地ストックは6,000億円を超えているという、その代表的物件である「愛宕地区第一種市街地再開発事業F地区」「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業A街区」について具体的な話が出るのではないかと思ったが、出なかったのは残念だった。

 「一生に一度の買い物」から「一生に三度の買い物」志向が強まっているのは分からないでもないが、宮島氏は今年の年頭所感で「2026年は、マンションの付加価値がより一層重視されると考えている。『ザ・パークハウス』のコアバリューは『一生ものに、住む。』」としていた。どちらも正解なのだろうが、微妙な差があるのが面白い。両社に亀裂は入らないだろう。

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