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2026/03/17(火) 17:29

総面積10.5ha 公園と住宅700戸の一体開発第一弾 大和ハウス「鶴見花月総持寺」好調

投稿者:  牧田司

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「プレミスト鶴見花月総持寺ステーションフロント」 

  大和ハウス工業(事業比率50%)・東京建物(同45%)・三信住建(同5%)の3JVマンション「プレミスト鶴見花月総持寺ステーションフロント」を見学した。大阪「うめきた公園」の約4.5haを上回る約4.7haの防災公園と住宅約700戸を整備する神奈川県初の公園・住宅一体開発の住宅の第一弾で、全279戸のうち第1170戸をほとんど完売するなど好調なスタートを切った。立地、資産性が高いことから圧倒的な人気を呼ぶ可能性が高いと見た。

物件は、京急本線花月総持寺駅から徒歩2分、JR鶴見駅から徒歩12分、横浜市鶴見区岸谷4丁目の第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域に位置する敷地面積約15,295㎡、14階建て全279戸。専有面積は55.6987.89㎡、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は6,968万円(68.97㎡)・7,598万円(73.14㎡)、坪単価は未定だがトータルで370万円くらいになる模様。竣工予定は令和89月。デザインは日建設計。施工は大末建設。

現地は、「花月園遊園地」-「花月園競輪場」や社宅跡地など約10.5haのエリアに防災公園と約700戸の住宅を一体的に整備する地区計画の一角。従前敷地はJFEの社宅。 花月総持寺駅へはエントランスの前のエレベータに乗って徒歩2分、防災公園は徒歩5分。曹洞宗総持寺へは徒歩7分。

建物は、東西軸が約200mの細長い敷地を生かした全戸東南向き。ほぼ中央に公開空地のプロムナードが整備される。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、低炭素建築物、ABINC認定、T-3等級サッシ、直床、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、トイレ〝アラウーノ〟、奥行き2mバルコニー、トイレを含めた開き戸壁面セットバック、浴室タオル掛け2か所など。共用施設はラウンジ、ゲストルーム、キッズルーム、ブックラウンジ、ガーデンデッキ、パーティルーム、ジムなど。

エントリー開始は昨年10月からで、これまでの反響数は約1,800件。モデルルーム来場者は約320件。第11次として70戸を228日から登録開始。現在は契約段階なので成約数はまとまっていないが、ほとんどの住戸に申し込みが入っている模様。

大和ハウス工業の販売事務所長・島田隆弘氏は、「それほど広告宣伝を行っていませんが、立地や将来の資産性などの価値が地元の方々中心に高い評価をいただいている。歩留まり率が20%に達しているのがその証拠。建物は今年9月に竣工するので、販売戦略上、第11次は価格(単価)が低めの住戸を中心に供給しましたが(坪単価345万円)、最終的な単価は370万円を予定しています。土地を仕入れたのが15年前、着工したのが2年前なのでこれだけの単価に抑えられた要因」と語った。

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模型

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模型(防災公園側からマンションを写す)

        ◆     ◇

まず、地区計画について。正式名称は「鶴見一丁目地区住宅市街地総合整備事業」で、「鶴見一丁目」は大正から昭和初期にかけて国内有数の「花月園遊園地」として親しまれ、昭和21年に閉園された跡地を神奈川県が取得。県はその後「花月園競輪場」として利用されたが、競輪場は平成22年に閉鎖。地域全体が遊休地となったため、県が主体となって検討会を行った結果、平成26年、全体面積約10.5haのうち約4.7haを市の防災公園として整備し、残りの宅地14までは都市再生機構(UR)が事業主体として全体で約700戸の住宅を整備する地区計画が決定された。

今回のマンションは「宅地1」に該当し、大和ハウスなどがマンションとして分譲する。「宅地2」と「宅地3」はURと大和ハウス、伊藤忠都市開発が土地を所有しており、伊藤忠は「クレヴィア鶴見花月園公園」(79戸)を分譲する。大和ハウスは、URが具体的な方針を現段階で示していないため未定としている。

 記者は、島田氏に話を聞くまでは単体のマンション開発だと思い込んでいた。神奈川県初(後述するように全国的にも珍しい事例ではないか)の「住宅一体開発×防災公園街区整備事業」であることを聞き、当初予想した坪単価330万~350万円を大幅に上方修正する。島田氏が「平均で370万円くらい」の単価も割安感があると思う。「東神奈川駅」エリアのマンションの坪単価は600万円くらいのはずだ。

 敷地南東側はJRと京急線の線路が走るが、前建の不安がほとんどなく眺望が開け、北側は住宅が建つのだろうが、その先は4.7haの防災公園だ。

 さて、では公園と住宅を一体開発する事例はどれだけあるか。大阪の旧梅田貨物駅跡地の「うめきた」再開発エリアは約24haで、2期の「グラングリーン大阪」は約9.1ha。ここに約4.5haの「うめきた公園」が整備され、マンション「グラングリーン大阪THE NORTH RESIDENCE484戸が分譲された。(このほかもう1棟が建設中)。

 これは別格として、他はどうか。Park-PFI制度を活用した事例は令和3年度末で全国102か所あるが、マンションが建設される事例では、大阪府堺市の公園面積約6.3haの水賀池公園の整備事業がある。事業主の1社フージャースコーポレーションは事業の一環としてマンション「デュオヒルズ水賀池公園ヴェリテ」323戸を建設し分譲する。

 また、東京都の民設公園制度を活用したマンションとして、2009年竣工の東京建物他「萩山 四季の森公園」があるが、その後は事例はないはずだ。

 以上のように、今回のマンションは極めて希少な事例ということができる。公園隣接・近接マンションが好調な売れ行きを見せた事例は数えきれないほど書いてきた。

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開き戸の壁面セットバック(細かなことだが、記者はいつも必ずチェックする。このドアノブは小学3年生くらいの頭の高さと一緒。凶器にもなる)

        ◆     ◇     

 今回の物件とは直接関係ないが、「宅地2」「宅地3」には大きな課題がある。現地を知っている人は分かるだろうが、駅前から防災公園まではものすごい坂がある。島田氏によると今回のマンションとの比高差は28mだという。マンションにしたら89階建てだ。

 「宅地2」「宅地3」へは、今回のマンションのプロムナードから階段を登る計画になっているが、階段ステップ1段を20cmとすると段数は140段。若い人はともかく、年寄りなどはこれを登るのは大変だ。東京建物「磯子」や積水ハウス「つおつ」のようにエレベータかエスカレーターを付けたらいいと思うが、設置費用はだれが払うのかについて、市とUR、事業者間で協議することになるとみたが…。

 不動産公取協の広告表示規約は階段や坂の傾斜分は考慮されず、平坦地として計算される。140段の階段を登るのに必要な時間をAIに聞いたら「約2分〜3分半です」と返ってきた。これはスポーツをやっている人でも難しいはずだ。この3倍はかかると小生は思う。

国交省 「都市公園等のあり方検討会」が中間とりまとめ(2020/8/25

都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5

 

 

 

 

 

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