
「TOFROM YAESU」
東京建物は7月15日、再開発組合の一員として参画している「TOFROM YAESU THE FRONT」(東京駅前八重洲一丁目東A地区第一種市街地再開発事業)が同日に竣工し、2026年2月に竣工した「TOFROM YAESU TOWER」(東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発事業)に続いて全体街区が完成し、「TOWER」は2026年9月10日(木)に開業すると発表した。
「FRONT」は、東京駅八重洲口「ヤエチカ」と直結するオフィス、商業施設、診療所からなる10階建て延床面積約12,220㎡。建築基準法の耐震基準の1.5倍の耐力を有し、約72時間の電源供給が可能な非常用発電機を装備。DBJGreen Building認証プラン5つ星。BELS5つ星、CASBEE Sランクの認証を取得。オフィス天井高は2,800mm。
「FRONT」「TOWER」にまたがる商業ゾーン「TOFROM YAESU Shop & Restaurant」には飲食店を中心とした68店舗が開業予定で、「FRONT」内の店舗は2026年冬以降順次オープンする。
施設の外観デザインとエントランスのアートワークに小林・槇デザインワークショップ(KMDW)を、外観照明デザインに内原智史デザイン事務所を起用。施設に面する八重洲通りにはかつて紅葉川が流れ、外堀通りには江戸城外堀が存在したことから、ファサードのガラスを斜めに設置することで、キラキラと輝く水面のきらめきを表現。低層部は、立体的な壁面緑化と木・石などの自然素材を中心にさまざまな要素を箱状に積み上げ、八重洲の多様性を重視するコンセプトを表現している。
記者発表会の冒頭、東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発組合理事長・加藤一男氏(78)は、「この再開発事業は25年の長い年月をかけて進めてきました。その道のりは決して平たんではなく、幾度となく困難や課題に直面しました。しかし、この街を愛する地権者や地域の皆さま、関係者の皆さまと力を合わせ、私たちの世代で必ずこの街を未来につなげていくという、その一心で一歩一歩歩みを重ね、今日を迎えることができました。本日、『TOFROM YAESU THE FRONT』の竣工を迎え、商業施設の出店を発表できることは理事長として、そして長年この街で商いを続けてきた一人として感無量です。いよいよこの街は新たな歴史への第一歩を踏み出します。個性豊かな店舗が集い、国内外から多くの方々が訪れ、人と人、文化と文化が、そして新たな価値がここで出逢い、つながる場所となることを心から願っております。この街が、東京の玄関口として多くの人々に愛され、100年先へと発展し続ける街となることを願ってやみません」と語った。
続いて登壇した東京駅前八重洲一丁目東A地区市街地再開発組合理事長で東京建物代表取締役社長執行役員・小澤克人氏は、全体街区のコンセプト、エリア特性、物件特性などについて説明。
施設名「TOFROM」の由来は、英語の「TO」と「FROM」を組み合わせた造語で、世界中のヒト・コト・モノがここに集まり、つながり、ここから多様な価値が生み出され、発信される場所になる、その想いを込めたと語った。コンセプトは①多様な人をつなぐ②時間のながれをつなぐ③様々な場をつなぐの3つと説明、コンセプトの根底にあるエリア特性については、圧倒的な利便性を有する八重洲・日本橋・京橋の頭文字をとった「YNK(インク)」の「起点」として、街全体の回遊と交流を促進する人流を創出すると話した。多様な個性が集積する=「八重洲らしさ」を表現するため、デザインは街を縦に積み重ねたような「箱積み」にしたことも強調した。
また、同社は彫刻の森芸術財団とクリエイティブアソシエーションCEKAIの共同チームによるパブリックアートプロジェクト「人魚の街」を施設内で展開すると発表。映画監督・岩井俊二氏が施設のために書き下ろした、海外と日本のつながりや八重洲に積み重なる時間を描くオリジナルストーリーを起点に、8組のアーティストが独自の視点で作品を制作し、施設全体をひとつの物語空間として、それぞれの作品を館内の各所に常設展示する。
このほか、施設内には「バスターミナル東京八重洲」第2期が運行済みで、2022年9月に開業済みの1期、2029年に開業予定の3期とあわせ国内最大級の20バースとなる予定。
「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」(東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発組合)は、敷地面積約10,600㎡、地上51階・地下4階建て延床面積約225,000㎡。基本設計は日本設計、実施設計は大林組。施工は大林・大成建設共同企業体。着工は2021年10月、竣工は2026年2月。

小澤氏(左)加藤氏

「TOFROM YAESU TOWER」

「TOFROM YAESU TOWER」低層部イメージ図

貫通通路

貫通通路

東京界イメージ図

ロゴ

檜物町スクエア

檜物町スクエア
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「TOFROM YAESU THE FRONT」ントランス
◇ ◆ ◇
記者発表会と「TOWER」「THE FRONT」の商業ソーンを中心とした館内ツアーで強く感じたのは、内外観デザインのこだわりだった。「TOWER」の低層部のデザインは、外壁に凹凸を設け、外向き店舗は意匠変更が可能なパネルを設置し、エリアに混在していた小規模な建物や店舗が連なっているように表現している。外階段を通じて入店できるものもある。
このような外観デザインの大規模商業・オフィスは、丸ノ内にも日本橋にも東京にもないのではないか。これまで見学した大規模商業施設では、三井不動産の「COREDO室町」「COREDO室町テラス」の江戸の文化を継承したデザインが素晴らしいと思ってきたが、今回の「TOFROM」は、お金持ちにも貧乏人にもすんなりと受け入れられる〝街〟になるような気がしてならない。加藤氏は質疑応答で「合意形成が一番難しかった」と語ったが、約250人にも上る地権者の声を十分反映した結果だと理解した。
いくつか具体例を紹介する。貫通通路には、国内外の30種の木材を用いて様々な文様を描いたアートパネルと、漆や金箔を壁紙として再構成した壁面が採用されている。かつて「檜物町」「上槇町」「数寄屋町」「五福町」など様々な職人や商いが集積していた、それぞれの技と伝統をアピールしようという狙いだろう。刮目するに値する。リーシングは順調で(戦略上、進捗状況は非公表だか、高値追及するとか)、最近は外資系の問い合わせが増えているというのも納得だ。
広さ1,200㎡、高さ約7mの「檜物町スクエア」空間には本物の移動可能な中高木を設置し、壁や天井にも木(一部は木パネル)をふんだんに採用している。
建物内の商業施設はまだ完成していないのでよくわからないが、スタンダードゾーン(1階)、界隈ゾーン(2階)、専門店ゾーン(2階)、こだわりゾーン(3階)など用途によって選べるようにゾーン分けされている。担当者からは「割烹嶋村」など約10店舗が紹介されたが、利用したことがある「割烹嶋村」以外は一つも知らなかった。「TOFROM」の周辺にはせんべろがたくさんあるが、立ち呑み処「やまとや」と、大好きないわし料理「神田 大松」は選択肢に加えよう。
地権者用の住戸について詳細を聞きたかったのだが「非公表」とのことだった。権利関係は不明だが、かつての「六本木ヒルズ」のように分譲されることもあると見た。坪単価はいくらになるか、興味津々…。

檜物町スクエア

貫通通路

貫通通路

貫通通路

ルーフトップテラス

東京駅から現地を望む
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街区名称は「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」 東建「八重洲プロジェクト」(2025/3/3)

