プレハブ建築協会の「住生活向上推進プラン2030」発表会では、懇親会が開かれ酒を飲ませてもらえるものと勘違いしており、少しは気の利いた質問をしないと失礼だと考え、まともな回答は得られないのを承知のうえで、「住宅性能表示」「長期優良住宅認定」「ZEH」「CASBEE」は消費者にとって分かりづらい、各制度の整合性を図り、一本化できないか質問した。また、会場にはメディアの数(20人くらいか)と同じかそれ以上の協会関係者が詰めかけていたので、「かみさんは〝身なりが大事、みすぼらしい格好しちゃダメ〟というが、私は今年から夏季はスーツを着ないことに決めました。記者の皆さんもスーツなどほとんど着ていない。主催者の皆さんも私服にしたらどうか」と聞いた。
この質問に対し、プランについて説明した同協会プラン推進委員長・本間克巳氏は「私服提案は検討させていただく」と答えたが、技術分科会代表幹事・熊坂順一氏は「個人的には理解できるが、各制度の評価軸が異なるので一本化は難しい」と語った。
取材後、自らの主張を補強するためChatGPTに次のような質問をした。「住宅供給、取得に関する優遇策がたくさんあります。代表的なものは『住宅性能表示』『長期優良住宅』『省エネ水準』『ZEH』『低炭素住宅』『CASBEE』などです。
そこで質問です。これらの制度の認可に要する時間などのコスト、審査する側の時間などのコストを合算すれば、年間トータルのコストはいくらか。そのコストはだれが負担するのか。また、これらの制度認定を受けた住宅を取得する側のコストとローン減税などによるメリットを差し引いたら、どれくらいの額のメリットがあるのか。
さらにまた、これらの制度の整合性を図り、消費者に分かりやすい制度に一本化はできないか。出来たらどれくらいのコスト削減が可能か。一本化するには行政の『縦割り』を打破する必要があると思われるが、可能性はいかが。出来ればそれぞれの制度に関する全体的な認定戸数に要するコスト、1戸当たりのコストについて調べて答えていただきたい」
言うまでもないことだが、Chatは凄い。ほとんど瞬時に〝とても重要な質問〟だと小生を持ち上げ、次のように答えた。
結論から言うと、日本政府はこれらを横断したトータルコストを公表していません。したがって、公開資料から積み上げて推計する必要があります。
以下、できるだけ定量的に整理します。
対象となる制度…住宅取得に影響する制度を整理すると、大きく5つに分かれます。住宅性能表示制度(主管:国交省)、長期優良住宅(同:国交省)、低炭素住宅(同:国交省・環境省)、ZEH(同:経済産業省・環境省・国交省)、省エネ適合・省エネ性能表示(同:国交省)。
これ以外に、CASBEE、グッドデザイン賞、ウッドデザイン賞などがありますが、これらは税制優遇よりも販売促進・ブランド価値向上の意味合いが強い制度です。
1戸当たり認定コストは、住宅性能表示5~15万円、長期優良住宅15~30万円、低炭素住宅10~20万円、ZEH認証20~50万円、BELS5~15万円。実際には設計変更、計算書作成、申請代行が必要になるため、合計30~80万円程度。さらに断熱材増強、高性能窓、高効率給湯器、太陽光発電など設備コストが加わります。そのため認定取得のための総追加費用は100~300万円程度。
行政・審査側のコスト…ここが意外に大きい。例えば、長期優良住宅では1件当たり審査時間などを含めると概ね5~10時間程度かかると言われています。人件費を時給5,000円とすると、行政・審査側だけでも3~5万円/件程度になります。
年間認定戸数は、長期優良住宅:約11~13万戸、性能表示:約15万戸、BELS:約10万戸、ZEH:約8~10万戸。もちろん重複があります。重複を除くと年間20~30万戸程度。
社会全体コストは、仮に25万戸として1戸当たり民間追加事務コスト40万円、行政など5万円とすると、約1,125億円/年。ここに、制度運営などのコストを積み上げると1,300~1,600億円/年。
誰が負担するのかは(中略)最終的には国民全体が負担しています。消費者メリットは100~250万円程度。一方、追加コストは100~300万円程度。つまりほぼトントン。ただし、省エネ性能向上による光熱費削減、資産価値向上まで含めれば、長期では数百万円規模のメリットになる可能性があります。
制度一本化は可能か…それぞれの制度申請に関し、同じ図面、同じ断熱計算、同じ外皮計算を何度も提出しています。つまり、かなり重複しています。もし、住宅性能を一つの共通データベース、一つの審査にまとめれば事務コストは20~40%程度削減できると考えられます。年間約1,300億円なら300~500億円程度削減余地がある可能性があります。
一本化できない理由…最大の理由は所管省庁が異なることです。つまり、典型的な縦割り行政になっています。さらに、制度ごとに利害関係者が存在するため一本化は容易ではありません。仮に『住宅性能パスポート』のような制度に一本化すると、期待できる効果は年間では300~600億円程度の社会的コスト削減余地があるという試算は十分に考えられます。
以上、皆さんいかがか。今はスマホ、カード1枚で何でも済ませる時代だ。住宅制度も申請-審査を一元管理すれば、これほどの金額が節約できる。大事なのは、結局はわれわれ国民が負担している制度ということだ。
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