
「スムストック」住宅販売士表彰式・懇親会(ホテル ラポール麹町)
既報のように、「優良ストック住宅推進協議会」(スムストック)は8月28日、記者会見・スムストック住宅販売士表彰式・懇親会を開催した。以下、エントリー数866名の中から成績優秀として表彰された販売士のコメントを紹介する。
ランキング1位 旭化成不動産レジデンス・池田稜樹氏(34) 仲介担当に異動になったのは5年前。それまでは住宅販売だった。成約したのは24棟。建物の知識があることが、お客さまに説明する切り口としてやりやすい。これまで作り上げてきた当社の商品力、ブランド力の高さを証明できた
ランキング2位 パナソニックホームズ・西本謡平氏(29) 仲間の協力があって達成できた結果。とてもうれしい。これまで毎日毎日、数字(成約)のことを考えてきたが、なかなか成果が出なかった。先輩から〝お前ならできる〟という一言が転機となった。お客様に寄り添うことが大事ということを学んだ。目標は利益1億円
ランキング3位 住友林業ホームサービス・斉木直耶氏(34) (会場の賑わいに驚いたのか)こんなに人がいるのに驚いた。会社からはカンペをもらっているが、皆さんも食べながらしゃべっているので、勝手にしゃべることにした。ランキングを気にして来年も頑張る(入社5年目、中途採用)
特別表彰(自社物件以外のスムストック成約)1位・パナソニックホームズ不動産・織田星児氏(42) 4年連続でランキング、特別表彰を総なめしたのは僕だけ。一つ事例を紹介すると、お客さまの希望に添う物件を探していたら、たまたま三井ホームさんが建設した住宅があるとの情報を得たのが成約につながった。スムストックは売る側も買う側もハッピーになれる(入社12年目、中途採用)
販売士の制度は2008年に設けられたもので、これまで販売士試験合格者は10,822名、累計販売士は9,117名、仲介実務者は1,619名となっている。

左から池田氏、斉木氏、織田氏
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この日表彰された17人のうち壇上に上がりコメントしたのは5人で、記者は次の取材があったため、買取再販部門で表彰されたセキスイハイム不動産・今田貴士氏の話を聞かないで退席した。
受賞者のコメントは、懇親会の最中で行われたためざわついており、耳が遠い記者はよく聞き取れなかったが、とてもいい話をされたと思う。
印象に残ったのは、織田氏の話だった。織田氏は、三井ホームの事例を紹介したが、お客さまの希望に添う物件を探していたところ、何かの集まりでたまたま得られた情報をもとに成約に結びつけた旨の話をした。織田氏は4年連続の受賞で、ランキング、特別表彰の他社物件と買取再販3部門すべてで1位になっている。
これが大きなポイントだと思う。西本氏も「お客さまに寄り添う」と語った。記者はスムストックの捕捉率が20%を超えたのはとてもいいことだとは思うが、それより大事なのは、良質な住宅が市場で適正に評価されることだ。中古住宅を買う際にどこが分譲し、どこが建設したかはとても重要な選考指標だとは思うが、一般の人は仲介物件がどこの会社が建設したものかをそれほど重視していないはずだ。
だとすれば、販売士が扱う物件は、自社物件であろうと他社のスムストックであろうと、さらにまたスムストックでなくてもいいということになる。
ずいぶん昔だが、大手デベロッパー系の不動産流通会社のトップ営業マンに話を聞いたことがあるが、営業マンが語った内容は次の通りだった。
「マンション分譲デベロッパーの営業マンは、自社物件を販売するのが目的だから、競合物件があった場合は、他社物件の欠点をあげつらい、自社物件の優れた点をアピールしなければならない。これは相当のプレッシャーで、ストレスにもなる。その点、仲介営業は、どこが分譲したか、どこが建設したかは全く関係ない。お客さまの立場に徹することだ。劣悪な物件でも、きちんとそれを説明し、そのレベルにふさわしい価格の提案を行えば売れる」
記者は、記者会見の場でもこの話を紹介しながら、聞いてもらえないのは承知の上で、芳井会長に「10社が共同して新しい仲介会社を設立したらどうか。そうすれば都道府県別の累計成約件数の偏りはなくなり、飛躍的に数値を伸ばせるのではないか」と質問した。
偏りとは、成約件数のトップは大阪で、2位は千葉県、3位は兵庫県になっていることで、市場としてはるかに大きい東京都や神奈川県はベスト3に入っていないことだ。これは、スムストック会員10社のうち大和ハウス工業、積水ハウス、積水化学、住友林業、パナソニックホームズ、ヤマダホーム(旭化成ホームズ、トヨタホームも発祥は関西、東海)の7社の地盤が関西圏にあることと無関係ではないはずだ。
この質問に対し、芳井氏は10社が一丸となってトップランナーの役割を果たすとし、「どこかでターニングポイントとなり、堰を切るはず」と答えた。
「堰を切る」-なるほど、そういう局面があるかもしれない。だが、芳井会長、ラグビーに例えれば、10社はいかにも少ない。それぞれのプレーヤーの力が優れていても、スクラムを組んだら残りは2人しかいないではないか。互角以上に押し込んでも、芳井さんがどんなに足が速くても、川畑さんのような体重100キロ超の猛者連中に行く手を阻まれるのは必至だ。
大手デベロッパー系流通会社の取扱量のうち自社系の割合がどれくらいかは知らないが(「ノムコム」は野村不動産の物件コーナーを設けている)、おそらく10%あるかないかだろう。自社系の成約にエネルギーを注いだら、取扱量は半減するのではないか。

左から旭化成ホームズ取締役会長・川畑文彦氏、池田氏

左から三井ホーム代表取締役射鵰・野島秀敏氏、織田氏、パナソニックホームズ代表取締役射鵰・藤井孝氏(野島氏は、自社物件が成約されたのをとても喜んでいた。「三井ビルの自慢大会の取材がある」と伝えたら、「早くいかないと終わっちゃう」と言われたので、ここで取材を切り上げた)
スムストック 2025年度の成約件数2,579件、捕捉率22.9%とも過去最高(2026/8/30)

